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観測衛星「だいち」の精度不十分、地図作れず

2008年01月09日12時30分

 全世界の地図づくりに使う宇宙航空研究開発機構の地球観測衛星「だいち」の精度が想定より低く、国土地理院の地図の作製に十分には使えていないことがわかった。

 だいちは06年1月に打ち上げられた。開発費約535億円で、2万5000分の1の地図をつくるデータを集めるのが大きなねらい。国土地理院が、すべての地図の元になる日本の基本図(約4300面)を修正、更新する際にも活用されることになっていた。

 基本図に使う地形データの誤差は、打ち上げ前には5メートル以下を目標にしていた。だが、だいちの姿勢制御が難しく、届いたデータでは、等高線を決める「高さ情報」の多くで6メートル前後の誤差があった。また、圧縮データを地上で復元する際に生じる乱れも予想より大きいという。

 だいちのデータを使った基本図は硫黄島など52面にとどまっている。宇宙機構は「だいちは技術の実証がねらいで、だいちのデータだけで地図づくりをするのが目標ではないが、改善策を準備している」という。

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