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法律

 娘が2000年にオーストラリア人と結婚し、同年に私たち(両親)が全額援助して不動産を購入しました。その時は共同名義にして、今は別居中(1年半以上)です。娘が自分の名義にしたいと相手方に相談した折、今その地域は値上がりしているので家を売って両親には借りた分を支払い、その残金の半分を欲しいと言われました。相手の弁護士は、ローンを組んで支払うようにとのことですが、支払わなければいけないのでしょうか ? (日本在住64歳=母親)

山本(青木)智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメンバーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している

A 離婚の際の分配対象とされる資産とは、婚姻期間中に夫婦が所有・形成した資産(有形・無形)をすべて含みます。分配対象となる資産に、贈与、相続、懸賞金などが含まれる場合もあります。分配対象となる資産とその現在価値が確定した時点で夫婦それぞれに対する分配割合が決まりますが、分配割合を審査する際の関連要素としては、夫婦それぞれがそれら資産を形成・維持するために行った貢献、夫婦どちらかの将来的な資金の必要性などが挙げられます。
  なお、不動産は登記上、名義人が明確化されますが、家庭裁判所では名義人自体が審査を決定付ける対象とはなりません。
  資産形成・維持のための貢献についてですが、金銭的な貢献には直接的・間接的貢献があります。不動産について言えば直接的貢献が不動産購入価格の支払いであるとすれば、間接的貢献とはその不動産の維持をするための費用や、日常的な生活費、光熱費の支払いなどになります。
  また、炊事、洗濯、掃除、養育、社交などのいわゆる『内助の功』も不動産維持のための非金銭的な貢献として考慮される対象となります。
  婚姻期間の長さについても分配割合を定める際の考慮の対象となります。例え資産形成・維持のために夫婦が行った貢献に偏りがあるような場合でも、婚姻期間が長ければ長くなるほど、夫婦が同等に、資産の形成・維持、そしてその価値の上昇に寄与したとみなされる理論の適用を受けやすくなります。
  ちなみに婚姻期間の長短はおおよそ5年程度が区切りの目安となっているようです。
  もちろん、親からの贈与や遺産などについても考え方は同じであり、婚姻期間が長くなればなるほど購入資金を夫婦のうちいずれの配偶者が出したかについての議論は重要性が薄れてきます。
  ただし、分配対象となる資産に対する贈与や遺産金額の占める割合によっては、資産を構築する上で他方の配偶者に比べて貢献度が高いと認められる場合もあります。
  つまり、分配対象となる資産で不動産が占める割合が著しく大きい場合には、不動産購入時の資金を出した配偶者の貢献度の方が高いと認められることがあるということです。
  したがって「妻の親が全額負担したからという理由のみで不動産が妻のもの」という論理は成り立たないことがお判りいただけると思います。
  この方の場合、これまでの夫婦としての資産維持に対する貢献度もさることながら、複数の子どもの面倒を見る母親として夫よりも資金が将来的に必要であるという点を十分に検討すべきでしょう。
  この点に関しては専門家のアドバイスを十分に受けることをお薦めします。

 なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。

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