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山本(青木)智子(やまもと ともこ)
ディ・リッツィオ法律事務所
NSW大学法学部・教養学部卒、98年弁護士資格取得。2006年7月よりDi Lizio & Assocaitesにて家族法、不動産および一般商取引法、民事・刑事訴訟法を主専門として活動中
オーストラリアでの結婚は連邦制定法である「Marriage
Act 1961」によって規定されており、男性も女性も18歳で結婚は認められます。16歳以上18歳未満の結婚は裁判所によって認められる場合もあります。なお、同性間の結婚は認められていません。
同法上では宗教婚、民事婚、外国婚が認められています。宗教婚に関しては様式の制限はなく、また、民事婚についても所定の「Registry of Births、Deaths
and Marriages」で行われたり、あるいは民間の「marriage celebrant」(挙式者・司祭)を自宅に呼んだりして挙式を行うなど、さまざまです。
「Notice of Intention to Marry」と呼ばれる書類を上述のRegistryから入手し、結婚を予定している両当事者がcelebrant、あるいはJustice
of the Peace (JP) や弁護士などの面前で署名し、celebrantに提出しておく必要があります。これは婚姻の少なくとも1カ月前に行われなければなりません。オーストラリアでは重婚は認められませんので、当事者(のどちらか)に婚歴がある場合は、同時に離婚証明書、死別の場合は死亡証明書を添付する必要があります。
結婚と同時にcelebrantによって「Marriage Certificate」(結婚証明書)が用意されます。同証明書は婚姻日から14日以内にRegistryに提出される必要があります。
なお結婚に伴って夫婦のうち、一方が他方の姓を用いるとした法的義務はありません。慣習上、妻が夫の姓を名乗ることが多いようですが、夫婦別姓、あるいは両方の姓をハイフンでつなげている夫婦も多く見られます。また、結婚に伴い他方の姓を名乗ることにした場合、銀行口座開設などによる名前変更の証明が必要になる際には、通常、結婚証明書で十分とされるようです。
オーストラリアで執り行われた結婚を日本の戸籍に反映させる場合は、日本領事館にて所定の書式に従って行われます。結婚相手が日本国籍保持者である場合とそうでない場合とでは書式に若干違いが設けられているようですので、前もって問い合わせておくとよいでしょう。
なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。