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法律
 オーストラリアでは簡単に名前が変更できると聞きましたが、本当に何の登録手続きなどもなしに変更して構わないのですか ?
(25歳男性=ワーキング・ホリデー・メーカー)

青木 智子(あおき ともこ)
アドバンス法律事務所

NSW大学法学部・教養学部卒、98年NSW州弁護士資格取得。前身のDi-Lizio & Associatesのシドニー・オフィスが4月よりアドバンス法律事務所としてスタート。


 制定法(the Births, Deaths and Marriages Registration Act 1995)が存在する現在、NSW州では名前を変更する際には正式な登録が行われる必要がありますが、変更手続きは比較的簡単なものです。また、詐欺目的や他人を陥れる意図が背後にない限り、姓でも名でも本名とは異なる名前を日常的に用いることはできます。よく愛称をそのまま名刺などに使用する場合を見かけますが、このような行為は何の問題もありません。

正式な変更手続き
法律(LAW) 正式に名前の変更手続きをする必要性が生じるのは、名前変更の証明が必要になった時だけです。例えば、変更した名前で銀行口座を開く場合や、パスポートを入手する場合などがそれらにあたります。手続きについては、「Registry of Births, Deaths and Marriages」の所定書式に従って申請を行い、申請費用を支払います。変更が登録されれば「Birth Certificate(出生がNSW州である場合)」または「Change of Name Certificate」が発行されます。なお、Registryに登録できるのはNSW州の出生者か、または永住者でNSW州の居住者に限られます。
 
結婚・離婚に伴う性の変更
 結婚に際してどちらかが他方の配偶者の性に変更することはあくまでも慣習であり、法律上の義務ではありません。仕事上、あるいは金融機関等に対しては旧姓のまま、家族が関与する場面では結婚後の性を名乗る、というような変則的なことも、詐欺目的や他人を陥れる目的でない限り、何の問題もありません。旧姓で登録していた機関(金融機関、医療保険機関や雇用主など)に変更を通知したり、それらの公的機関に結婚後の姓を使用したりする際には、正式登録をする必要はなく、通常は「Marriage Certificate」を提出し、婚姻の事実を証明できればよいとされています。

 離婚や別居等の理由で旧姓に戻す際等にも登録は必要ありません。その際の証明には「Birth Certificate」などを用います。

子供の名前変更
 18歳未満の子供については、本人の単独意思で名前を変更することはできません。「Birth Certificate」に記載されている親の承諾(父親が記載されていない場合は母親のみ)が基本的に必要とされます。離婚や別居に際し、子供の姓の変更が必要になる場合については、子供が名乗っている姓の親の承諾が必要になります。そうした承諾が簡単に得られない場合には裁判所からの許可が必要になります。許可申請を受けた裁判所は、一緒に暮らしていない親との関係、一緒に暮らす親との姓の違いから生じる不都合、子供自身のアイデンティティーに対する困惑などさまざまな要素を考慮した上で判断します。

 また、姓名問わず、12歳以上の子供の名前変更については本人の同意が求められます。

 なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。

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