◇病院訪問、受験指導も
道内で医師不足が深刻化する中、道教委は来年度から、道立高で医学部への進学を希望する高校生を支援する「地域医療を支える人づくりプロジェクト」をスタートさせる。道立高8校前後を指定して医学部進学コースを作り、受験指導のほか、大学医学部の出前授業や現役医師の講演会などを開き、長期的な視点で地域医療を担う人材育成を図る。都道府県教委が医学部進学を目的としたコースを設置するのは全国初という。【千々部一好】
8日の道議会文教委員会で、自民党・道民会議の千葉英守氏(札幌市中央区)の質問に答えた。
道教委は現在、指定校の選定を進めており、医学部への進学実績のある札幌市内の道立高を除き、旭川東や函館中部、室蘭栄、釧路湖陵、北見北斗といった地方が中心になる見通し。
道立高では2年生に進学した時点で、生徒の大学進学希望を基に理系と文系のコースに分け、それぞれのコースに合ったカリキュラムの編成を行っている。指定校では、さらに理系の中に医学部進学コースも作り、受験に必要な教科を指導する。
一方、札幌医大など道内の医科大との連携を図り、大学や地域拠点病院への訪問を行って、医師としての素養を磨く。また、現役医大生による集中講義や特別受験指導も行い、難関とされる医大合格に必要な学力向上を目指す。
吉田洋一教育長は「(医師不足解決に)直ちに効果が表れるものではないが、本道の地域医療を担う人材を育成するためには重要な取り組みと考えている」と答弁した。
毎日新聞 2008年1月9日 北海道朝刊