上田市の母袋創一市長は8日、院長の辞職から現在の分娩(ぶんべん)体制の維持が難しくなっていた上田市産院(同市常磐城)について、非常勤の男性医師を採用することを明らかにした。男性医師は9日から週2日の勤務に入る。昨年度の年間分娩数が約700件あった同院だが、今後は年間500件程度に分娩数を制限する。また、助産師外来を2月から限定的に実施する。
新たに採用したのは、満下淳地医師(40)。神奈川県出身で、93年に信州大を卒業後、県内の病院勤務を経て、米国のコロラド大で長寿の研究に携わっていたという。前院長の甲藤一男氏らが中心に、昨年末から満下氏に折衝していた。
満下氏は水曜と木曜の勤務で、残りを常勤医1人と非常勤医1人で受け持つ。甲藤氏も緊急時には対応するという。母袋市長は「希望が見えてきたが、地域全体ではまだ課題が残っている」と語った。
一方で同院では、助産師が医師に代わって検診や相談に当たる「助産師外来」を2月から実施する。当面、初診は医師が診察し、2回目以降から助産師が受け持ち、3回までに限るという。母袋市長は「助産師の技術向上に合わせて診察回数を増やしていきたい」と述べた。【川口健史】
毎日新聞 2008年1月9日