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抗がん剤過剰投与で男性死亡 岐阜県立多治見病院

2008年01月09日12時58分

 岐阜県立多治見病院(多治見市)は9日、転移性の脳腫瘍(しゅ・よう)などで入院していた岐阜県恵那市の男性患者(54)に、適量の約3倍にあたる抗がん剤を投与して患者が死亡したと発表した。同病院は7日、遺族に謝罪し、県警多治見署に異状死として届けた。同署は9日に遺体を司法解剖して詳しい死因を調べる。

 同病院によると、患者は06年11月、愛知県の病院で食道がんの手術を受けた。1年後、ふらつきなどを訴えて多治見病院で受診し、転移性の脳腫瘍と診断された。11月7日に入院し、12月17日〜08年1月2日に2種類の抗がん剤を投与された。

 4週間に1回投与すべきだったが、3週連続で投与。患者は5日になって白血球数が正常値の約9分の1の800まで急激に減少。6日は白血球数が1500まで回復したが、血圧が低下するなどの症状が出て呼吸が停止、同日午前11時に死亡が確認された。過剰投与で白血球が激減したことによる敗血症の可能性があるという。

 主治医の男性医師(34)は、4週間に1回投与をするつもりでカルテに記入したが紛らわしい表現だったため、抗がん剤を調剤する薬剤部は「4週間、毎週連続で1回ずつ投与」と解釈し、医師も誤りに気付かなかった。

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