県立多治見病院(多治見市前畑町)で、昨年12月から今年1月にかけての3週間にわたって、抗がん剤を誤って過剰投与された男性患者が、6日に死亡していたことが9日、明らかになった。
同病院は7日、「異状死」として多治見署に届け出た。県警は9日、司法解剖を行い、薬の投与と死亡との因果関係などを調べている。
同日午前、舟橋啓臣院長が県庁で会見し、「投与ミスがあったことは明らか。患者や家族に多大な苦痛を与え、申し訳なかった」と謝罪した。
舟橋院長らによると、患者は同病院に入院していた恵那市の50代男性。一昨年に別の病院で食道がんの手術を受けたが、昨年11月に同病院で転移性の脳腫瘍と診断され入院、同12月17日から抗がん剤治療を受けた。
その際、担当の男性医師(34)は、通常4週間に1回の間隔で投与すべき抗がん剤を、誤って今年1月2日まで3週間連続で2日間隔で投与した。
男性は1月5日に白血球数が急激に減少し、翌6日午前に死亡。同日夜、医師がカルテを見返した際に、初めて過剰投与に気付いたといい、7日に遺族に謝罪、多治見署に届け出た。
舟橋院長は発生原因について、「治療計画では4週間に1回となっていたが、担当医が連続投与と思い込んだようだ」と述べた。 |
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