◇改善報告に不満盛る
「無認可保育所が『悪の根源』扱いを受けたのでは、行政の手の届かないところを手伝ってきた者として納得いかない」。5歳と4歳の姉妹を約2年間預かっていた小倉北区の認可外保育施設「砂津保育園」(佐藤良子園長)は7日、市に提出した改善報告で、姉妹への医療ネグレクト(放棄)があったとみている市への不満をあわらにした。市から児童福祉法に基づく改善勧告を受けた園なりに、無認可保育施設の苦境を訴えた形だ。
市に届け出のある認可外施設は、同園を含め現在37カ所。昨年4月時点で計831人を預かり、認可施設で受容しきれない子供たちを保育している。
園長は報告で、姉妹への対応について「冷静な保育をしたほうが良かった」と反省しているものの「姉妹の母親が園に預けたまま育児放棄したことが発端。市に通報し、施設に預ければ解決する問題ではない」と主張した。
更に「行政の指導に従うのは経済的に無理。認可外施設は保育行政の貧しさを一身に受け止めているのではないか」と指摘した。
市保育課は同日、園への立ち入り調査を行ったが、「改善の意思が十分確認できなかった」として、調査を続ける予定。【平元英治】
〔北九州版〕
1月8日朝刊
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