県中小企業団体中央会(屋田直勝会長)は8日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザで新年会を開いた。新年会に先立ち「新春講演会」も開催。元国税庁長官の大武健一郎商工中金副理事長が講演し、沖縄への「医療特区」創設を呼び掛けた。
大武氏は米国の医療制度を参考にアジアの富裕層など向けに高度医療を提供する特区を提言。米国で働く優秀な日本人医師らを誘致して取り組むことを促し「情報の集積をもたらし、沖縄の大きな力となる」と語った。
都市と地方の格差問題では「国策ではなく、経済のグローバル化の結果だ」と説明。東京の地価がバブル前の2倍に高騰したのに対し、地方都市はその2―3割台に下落したことに触れ「国内産業の空洞化に伴い地方は中国の地価に引きずられて下落し、雇用も喪失している」と指摘した。
沖縄は地価下落が6割台にとどまるとして「オンリーワンのものを持つことができる地域だ」と期待を表明。少子高齢化時代の戦略として「アジアの発展をいかに利用するかだ」と強調した。
新年会には仲井真弘多知事や福井武弘沖縄総合事務局長らが出席。屋田会長は「中小企業が飛躍するためには個々の企業者が経営革新を図り、環境変化に即応できる経営体質をつくることが最も肝要だ」と呼び掛けた。
(1/9 10:08)