26年間も日本一の旅館・加賀屋さんに学ぶ・・・(1)
能登半島と言っても、ああ・・・あの・・富山の先に出っ張っている半島のことだね、という位しか知らない方も多いだろう。その中に加賀屋という名前は知っていても”和倉温泉”という地名を知っている人がどれだけあるだろうか。私もその一人だった。その「く」の字型の能登半島の凹んだ部分に位置するのが、かの有名な、能登の旅館「加賀屋」である。和倉温泉は、別名加賀屋城下町と人が呼ぶように「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」でなんと26年間総合一位を獲得しているのである。なぜ、この旅館が日本一であり続けるのか、サービス業の真髄を学ぶべく富山への出張のついでに思い切って足を伸ばしてみた。
そんなに有名な所だから、交通の便もきっといいところだろう・・・と思っていたが、富山や金沢か1時間半ほど掛かる結構不便?な所であった。周りは何にも無い(失礼!)ところである。自然に囲まれた静かな温泉地と言えば聞こえが良いが、こんな不便な所に何と年間33万人という凄い宿泊客を集めている旅館が存在することすら奇跡である。その上、料金も決して安くは無い。二人で泊まると飲み物を加算すると安く見積もっても一晩7~8万はする。ちょっといい部屋を頼むと10〜12万円以上の宿泊料金である。それにも関わらず満室になることが度々で、年間平均しても80%以上の予約率というから半端な集客率ではない。その合計が33万人/年間というとてつもない宿泊客の数だ。お土産も「加賀屋に泊まった」証にと一人平均4000円~6000円も買っていくという。
交通事情も不便、料金も高い、値引きなし、予約もなかなか取りにくい、交際接待費など使えない経済背景、いやむしろ今どこの飲食店や旅館もどんどん店を閉めている超不況業種の最前線といっても過言ではない。そんなこの時代にである。また付け加えると色気とは全く無縁な場所でもある。一人、一人の個人客の積み重ね、極論を言うとまた来たいと思わせて返すリピート客で33万人になっているのだ。聞けば聞くほど「なぜ? なぜ? なぜ?」とどんどん好奇心を引かれる。 (続く)
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