My Fairy King

   13

 

 

「やっぱり、君は僕を置いて行くんだね」

 手の届かないどこかへ、誰かのもとへ、僕をひとりぼっちにして。

 僕らは二人で二人だった。

 弟は美しい翼を持っていた。広げれば清らかに闇を払う様な、美しい翼。

 僕に翼は無い。僕は弟には追い付けない。僕はもう、弟と同じでは無い。弟はもう、僕のもう半分ですらない。

 僕らは半分のまま、もう二人には戻れないだろう。

 僕は、目を閉じた。

 

 

  douze purte quatorze

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