2008年01月05日

「同人誌を買うこと」で金の流れがどんだけ歪むかって考えたことある?

同人誌を「買う時」の金額計算ってする? - たまごまごごはん
き、金額、ですか。

ええ、全く分かりません。ただこれだけは言えます。財布がすごい勢いで薄くなりました。


まあ、俺が思うのは、「そのお金を、ちゃんと権利を持ったクリエーターに回るところに落としてあげなさいよ」ということ。

先日発行された「2008オタク産業白書(メディアクリエイト)」によれば
・DVD/CD(アニメ)   340.2億円(18.2%)
・出版コンテンツ   406.7億円(21.8%)
・ゲーム   560.8億円(30.0%)
・フィギュア・グッズ類   281.8億円(15.1%)
・同人誌   277.3億円(14.9億円)

と、これを見れば、同人誌市場がすでに「おまけ」とか「ファン活動」といった言葉では済まされないだけの規模を持っているのが判るわけだ。「同人誌に落ちる金はめぐりめぐってコンテンツホルダーを潤す」なんて寝言はナシね。一人一人の人間の可処分所得なんて高が知れてるし、例えば「サークルで100万稼ぐ」にはそれ相応のコスト(印刷費やイベント参加費)がかかるし、これは絶対に権利者には還流されない
ここまで来ると「同人誌市場とWin、Winの関係を築く」事はもはや不可能だ。同じ市場のパイを食い合う(しかも不正に)ライバルと看做さなければ、共倒れ。

つ、ま、り。

君たちが、「アニメって面白いよね〜」とクダ巻いて今後の人生も楽しんで行きたい、と思うのであれば、自分の消費対象をもう少し考えた方が良い、と思う。と、いうのも、今のアニメ会社って本当にどうしようもないぐらい、収益が下がって来ている。ぱちんこメーカーと手を組んだ会社(例えばサテライトやガイナックス。キティはもうダメだろうが)と東映、シンエイ、サンライズ、ジブリ、ぴえろ、トムスといった固定客を持った老舗はまだ良いとしても。
今年いっぱいは、すでに昨年から動いている企画が出て行くだけだから「本当のヤバさ」は目に見えないだろうけどな。自分の好きなものが無くなって騒ぐ前に、ちゃんとお布施は払っといた方が良いと思うぞ。

2008年のオタクの合言葉は「買うなら正規のコンテンツ」。

追記
junkMA
同人, アニメ, お金 個々の会社で投げ銭をできるようにしてみてはどうだろう?

いや、だからちゃんとDVD買ってあげなよ。つーかな、販売実績が立たないと企画そのものが通らないし、出資者を募るなんて夢のまた夢。
まあ、「コンテンツファンド」は一種の「投げ銭」だろう。でも、結局買ってたのは広告代理店だったし。
あと、「日本のお客は基本地上波でタダ見だけど、海外市場のお客はPPVやコンテンツパッケージ購入の敷居が低いので、そこで収益を上げる」というビジネスモデル、具体的に言えば北米市場においてパイオニアLDC(現ジェネオン)が「天地無用!」と「ああっ女神さまっ」でウハウハになれたスキームっつーのがP2Pによって完全崩壊してしまったってのも、結構なクリティカルヒット。
オタク(アニメ)産業は本当に今年が正念場。2007年のDVD売り上げの惨憺たる結果がもう出てしまったし、来年はどうなることやら考えもつきませんわ。
追記
k_wizard k_wizard
同人 また君か。//コミティア…とか言ったらどんな反応するんだろ。

またこんなアホが。//同人誌市場の中でコミティアで売ってるような「オリジナル」が金額ベースでどんだけの割合を占めているのか知ってるの?と言ったらどんな反応するんだろ。10%もいかないぜ。
ululun
統計数字にだけ反応するけど、それらの内訳には所謂二次創作ではないコンテンツも含まれているという事実が欠落しています
うん、だからその「二次創作ではないコンテンツ」の金額ベースでの割合なんて3%から、どんだけ多く見積もっても7%にもいかねえって。「ひぐらし」があんだけ売れててもその程度。

hayashida2007 at 13:27トラックバック(1)  この記事をクリップ!

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