世界第2位のレコード会社であるSony BMG Music Entertainmentは1月に、4大レコードレーベルの中では最も遅く、ダウンロード音楽ファイルからデジタル著作権管理(DRM)と呼ばれるコピー保護ソフトウェアを解除する。
Beyonce、Britney Spears、Celine Dionといったアーティストが所属するSony BMGは米国時間1月7日、「Platinum MusicPass」という名称のギフトカードサービスを15日から開始すると発表した。このサービスは同社所属アーティストのデジタルアルバムをMP3ファイルで提供するものである。MP3ファイルにはDRM保護が適用されない。
ファンはデジタルアルバムカードを店舗で購入し、認証番号を入力することによってMusicPassウェブサイトからフルレングス(ノーカット)のアルバムをダウンロードできる。カードはBest BuyやTargetといった米国の小売店舗で購入できるようになる予定だ。
Sony BMGのグローバルデジタルビジネスおよび米国セールス担当プレジデントのThomas Hesse氏は「MusicPassの導入は、Sony BMG所属アーティストの楽曲を新しい革新的な方法でファンに提供し、魅力的な新しいビジネスモデルを開発する当社の継続的な取り組みの一環として重要な部分をなしている」と語る。
音楽ファンのCD購入枚数が減少したため、2007年には音楽業界全体でアルバムの販売が15%落ち込んだ。デジタル音楽の売り上げもCDの売上高の不足を埋め合わせることはできず、レコード会社の幹部らは新しいビジネスモデルと消費者を引きつける新しい手法を模索せざるを得なくなっていた。
レコード会社にとって2007年の最大の懸案の1つは、DRMを解除してデジタル音楽の売り上げが伸びるかどうかという点だった。
Appleの創設者であるSteve Jobs氏は2007年2月、AppleのiTunes Music StoreなどのサービスについてDRMの使用を小売業者に強制するのをやめるようにレコード会社各社に対して要請した。Jobs氏はDRMを解除すれば売り上げが伸びると主張していた。
デジタル音楽の購入者はDRMによる制限に不満を募らせており、業界のアナリストらもコピー保護解除の要求を支持するようになっていた。レコード会社はユーザーが複数のコピーを作成して楽曲を無償で友人と共有するのを防止する目的でDRMを必要としていた。
市場シェア第4位のEMIは2007年4月に大手レーベルとして最初にDRMの解除に踏み切り、次にVivendiのUniversal Music Groupがこれに続いた。12月にはWarner Music Groupが同社の音楽をAmazon.comを通じてMP3形式で販売を開始すると発表した。
この記事はReutersのニュースを契約の下、シーネットネットワークスジャパン編集部が編集したものです。海外Reutersの記事へ
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