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故意犯の危険運転致死傷罪 立証困難、判断もばらつき
このニュースのトピックス:自動車事故
構成要件が厳しく、故意の認識を立証しなければならない危険運転致死傷罪には、常に適用の難しさが付きまとう。起訴に持ち込んでも、1審と控訴審で結論が分かれた事故もあり、司法判断の基準も定着しているとはいえないのが現状だ。
愛知県春日井市で平成18年2月、乗用車が赤信号の交差点に進入し4人を死亡させた事故では、福岡市の3幼児死亡事故と同様に、名古屋地裁が業務上過失致死傷罪の予備的追加を検察側に求めた。判決は同罪を適用し、懲役6年を言い渡した。
ところが名古屋高裁は昨年12月、ほぼ同じ証拠を用いながら、事故現場の見通しが良かった点などの客観的状況から故意を認定。「赤信号を殊更に無視した」と判断し、危険運転罪を適用、懲役18年としている。
千葉県松尾町(現山武市)で17年2月、飲酒運転車が男女8人をひき逃げした事故は、自首が事故の翌日で、運転当時の正確な飲酒量が分からないケースだった。その後の捜査で日本酒5、6合などを飲んでいたことが判明したものの「運転が困難なほど酔っていなかった」と無罪を主張。
千葉地裁は目撃証言や「酒に酔い、いつものハンドル操作ができなかった」とする捜査段階の供述などから危険運転を認定。懲役20年とし、最高裁で確定している。
18年9月に埼玉県川口市で園児の列に車が突っ込み女児4人が死亡した事故では、飲酒や高速走行などの要件を満たさないため、捜査段階で適用が見送られた。遺族らが強く適用を求めたが、前方不注視による業務上過失致死傷罪で起訴。さいたま地裁判決は懲役5年を言い渡した。