▽他機関との情報共有拡充を
広島県の震度情報ネットワークシステム再編整備検討委員会(委員長・三浦賢治広島大教授)はこのほど、老朽化した県内各地の震度計の設置場所の見直し、他機関とのデータの相互活用の拡充などを提言した。これを受け県は新年度に、震度情報システムの再編計画の策定に向け、市町との協議を進める。
県の震度計は現在、県内九十六カ所に設置してある。検討委は、(1)合併で市町数が減少した(2)一部は気象庁などの震度計が近くに設置されている―などの理由を挙げ、半減の四十八カ所とするのが適当だと判断した。
県の震度計を減らしても、気象庁が呉、三原、三次、庄原の各市と北広島町に設けている計五カ所と、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の十七カ所のデータを活用すれば、合わせて県内七十カ所の測定網を張り巡らせることができるため。検討委は、これで震度6強の地震発生に十分対応できるとの考えを示した。
県の九十六カ所の震度計は、市町村合併前の市役所や町村役場の敷地内などに設置され、一九九七年から運用を開始。一方、気象庁は県内十一カ所に震度計があり、うち一部のデータは既に、県や市町が災害対策本部を立ち上げる際の判断基準として活用している。同時に県は自前のデータを気象庁に提供している。
震度計の測定データは現在、電話回線を経由して県庁まで送られているため、災害時の断線などの懸念は残る。検討委は現在の二十三市町の各庁舎に設置されている震度計については、衛星通信を使う防災行政無線との併用も提言した。(渕上健太)
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