文科相「初めと話が違う」/教科書検定
実行委反応に不快感
【東京】渡海紀三朗文部科学相は八日午前の閣議後会見で、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」実行委員会が、文部省の下した結論に対して、あくまで検定意見の撤回や日本軍の強制記述を求める見解を示していることについて「初めと話が違うという気がする」と述べ、不快感を示した。
渡海文科相は実行委の反応について「報道でしか知らない」と前置きした上で、「当初は八〇点と言っていたにもかかわらず、何でこんなことになったのか、という気持ちがある」との認識を示した。
同問題をめぐっては、昨年末の教科用図書検定調査審議会(検定審)の結論を受けた仲里利信実行委員長らが、「不満は残るが、記述はほぼ回復された」と一定の評価を下し、実行委の解散も示唆していた。
ただ、実行委員会を開き、あらためて対応を検討した結果、実行委は解散せず、今月中にも「日本軍による住民への強制」を示す記述の回復や、検定意見の撤回などを国に求める立場を確認していた。
今後の対応について渡海文科相は「これからの話だが、検定審の先生方が努力し、説明をいただいている。県民の皆さんにはご理解していただきたい」と、実行委の要望には応じる考えがないことを強調した。