京都府宇治市で05年6月に起きた傷害事件を巡り、府警宇治署が発生間もなく容疑者を特定しながら、約2年半も事実上放置していたことが明らかになった。府警は昨年11月に暴力団組員ら容疑者6人のうち5人を傷害容疑で逮捕したが、リーダー格の男は事故で既に死亡していた。府警は女性に対し「後回しになってしまった」と説明。京都地検も府警に捜査の遅れを指摘した模様だ。
調べでは、6容疑者は05年6月6日未明、同市のカラオケ店で口論になった女性(当時32歳)に殴るけるの暴行を加え、あごの骨を折る2カ月の重傷を負わせた疑い。女性は同月下旬、同署に被害届を提出。署は容疑者を特定したが、日々の業務に追われたことなどからすぐに逮捕しなかったという。容疑者5人のうち2人は傷害罪で起訴されたが、リーダー格の男は06年12月に死亡していた。
府警は捜査を巡る対応について地検から文書で指摘を受けたが、内容は明らかにできないとしている。【熊谷豪、細谷拓海】
▽伊原佳嗣・府警刑事企画課次席の話 業務に追われていたのは事実だが、放置していた訳ではなく、事実関係が明らかになった段階で逮捕した。
毎日新聞 2008年1月8日 14時38分 (最終更新時間 1月8日 15時28分)