◇対策徹底
太田市の精神科病院で入院中の患者(当時67歳)が男性看護師(28)=傷害致死罪で既に起訴=に暴行され死亡した事件を受け県はこのほど、県内140病院(うち精神科があるのは20病院)に管理体制の見直しなどを求める通知を出した。
通知は医務課と施設監査課による院長あての「事件事故防止対策の徹底について」と障害政策課による精神科病院管理者あての「入院患者の処遇及び管理体制の見直しについて」の2種。先月27日付で郵送され、前者は、医師や看護師らへの監督・注意▽安全確保のための指針策定▽重大事件事故の速やかな報告--などを要請。後者は、患者の人権尊重▽職員への研修実施▽夜勤体制の再点検--などを求めている。
太田市での事件は11月16日に発生し、同29日に患者の搬送先の病院が太田署に通報。事情聴取を受けた精神科病院から、12月7日の看護師逮捕までの間、県に報告はなく、県も「逮捕まで事件としての認識が低かったのだろう」と問題視していなかった経緯がある。
今回の通知については、病院関係者から「逮捕から20日後の送付は遅すぎる」との指摘も出ている。これに対し、県は「各課で病院管理の役割を分担しており、縦割り上、仕方なかった」と説明している。【鈴木敦子】
毎日新聞 2008年1月8日