全国的な医師不足の中、都は08年度、産婦人科と小児科の専門医の育成支援事業を始める。専門的な技能を身に着ける後期臨床研修をする病院に補助金を出す事業で、4病院を指定した。
後期臨床研修は、2年間必修の初期臨床研修後、任意で参加する。だが、激務の産科や小児科は敬遠されがちで、都内でも多くの病院で研修医確保が難航している。
このため都は、3年間の研修や指導体制の整備などを条件に「育成病院」を指定し、補助金を出すことを決めた。研修医3人を確保した場合、1病院あたり年間約1800万円を補助する。都は「指導体制を整えれば診療現場のマンパワーも充実する」と説明する。
今回指定された育成病院は▽産科・産婦人科、賛育会病院(墨田区)▽同、青梅市立総合病院(同市)▽小児科、東京臨海病院(江戸川区)▽同、立川病院(立川市)。
研修医は各病院が募集するが、多くの研修医は秋ごろまでに翌春からの研修先を決めるため、確保は容易ではないのが実情だ。ある育成病院は「3年間は長いので、大学から派遣してもらえるとしても3人は無理」と話す。別の育成病院は「この時期に研修医を確保するのは難しい」と話している。【五味香織】
毎日新聞 2008年1月8日