水道管工事で3人酸欠死 地下工事中に倒れる 北九州2008年01月08日01時28分 7日午後3時20分ごろ、北九州市八幡西区御開(おひらき)3丁目の工業用水道の送水管敷設工事現場から「送水管内で作業していた3人の意識がなくなったようだ」と119番通報があった。福岡県警折尾署や同市消防局によると、3人は地下約13メートルの送水管(直径約1.1メートル)の中で酸欠状態に陥った。全員救出するのに8日午前0時過ぎまでかかり、病院に搬送されたが、3人とも死亡が確認された。同署は業務上過失致死の疑いもあると見て、発注元の同市や業者から事情を聴く方針。
同署などによると、3人は下請け業者「永松工務店」(福岡県宗像市)に所属する挽地保馬さん(59)、脇山正一さん(58)、永松大輔さん(39)=いずれも宗像市。 北九州市水道局によると、この工事は同市八幡東区の「平林組」(平林武三社長)が請け負い、工期は今年3月15日までの約1年間。264メートルの横管を敷設する工事で、これまでに約230メートルまで進んでいた。 この日は作業員5人で午後1時半に作業を始め、3人が竪坑から横へ伸びた管の中に入り、機械を使って掘削作業をしていたという。挽地さんと永松さんが管の先にいて、脇山さんは中央部付近にいた。その後、「脇山さんと無線連絡が取れなくなった」という挽地さんからの作業用電話を受けて、竪坑にいた別の作業員2人が様子を見に向かったが、2人とも途中で気分が悪くなり、自力で引き返した。消防へ通報した後、いずれも病院に搬送されたが、命に別条はないという。 その後、消防の救急隊が竪坑から約130メートル地点で脇山さんを、更に約15メートル先で挽地さんと永松さんを発見した。 市消防局によれば、管内は無線が届きにくく、狭くて曲がっているため担架が入らない。また、管内の地下水を排水するためのポンプが故障して水かさも増しており、救出作業が難航した。普段はトンネル掘削機を遠隔操作するため、作業員が中に入ることは少ないという。 次男の大輔さんら3人が勤務していた永松工務店の永松八郎社長(71)は取材に対し「あと4日ほどでトンネルが貫通する予定だった。原因はわからないが、換気に対する配慮が足りなかったのだろうか。通常通りコンプレッサーで定期的に空気を送り込んでいたはずなのだが。申し訳ない」とうなだれた。 国の省令では、酸欠の危険がある作業をさせる場合は酸素ボンベなどを備えるよう義務付けている。永松社長によると、作業は通常、酸素ボンベは使っていなかったという。 現場は旧国道199号の真下で、沿道は住宅地。 PR情報この記事の関連情報社会
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