厚生労働省は31日、平成19年の人口動態統計の年間推計を発表した。日本在住の日本人の人口は、少子高齢化の進行で出生数が減少した一方で死亡者数が増えたため、1万6000人の自然減となる見通し。18年は婚姻数の増加などで一時的に人口が増えていたが、日本は再び人口減少社会に突入する。
人口動態統計の年間推計は、今年1月から10月までの速報を基礎資料として、1年間分を推計した。
出生数は前年より3000人少ない109万人で、6年ぶりに増加に転じた18年から再び減少傾向に戻った。
ただ、19年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の平均数の推計値)は、18年の1・32よりも0・01ポイント程度上がる見通しで、厚労省は「合計特殊出生率が前年と同じだったら、減少幅は1万7000人まで広がっていた」とも分析している。
一方、死亡数は高齢化がさらに進んだことで、前年比2万2000人増の110万6000人。戦後では昭和22年の113万8238人に次いで多く、5年連続で100万人を超えた。
出生数が減った上に死亡数が増えたことから、出生数から死亡数を引いた自然増加数は2年ぶりにマイナスとなり、18年に比べても2万4000人の人口減となった。
再び人口が減る見通しになったのは、出産適齢期の女性人口の減少が大きな要因とみられる。
日本在住の日本人の人口は、平成17年に、明治32年の統計開始以来初めて自然増加数が2万1266人減少し、日本社会は人口減少時代を迎えた。だが平成18年は、景気回復で正規雇用者数が増え、20歳代を中心に結婚や出産するカップルが多くなったことや、暖冬の影響でインフルエンザが流行せず死亡数の伸びが鈍ったため、一時的に人口減少に歯止めがかかっていた。
出産適齢期の女性人口は今後も減り続ける見通し。19年の婚姻数は71万4000組(18年比1万7000組減)で5年ぶりに増えた18年から再び減少し、今後の出生数にも影響が出るとみられる。離婚数は25万5000組(同2000組減)で5年連続減少した。
厚労省は「18年が例外的で、今後も基本的には人口減少傾向が続く」とみている。
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