<WORK LIFE>
◇制限付き転勤制度で育児両立
入社時に、幹部候補の総合職とそうでない一般職に分けるコース別雇用。金融や商社で目立っていた制度だが、外資系の生命保険大手、アフラック(本社・東京都新宿区)は早くから、この制度の見直しに取り組んできた。
コース別雇用は、転勤の有り無しで分けることが多いが、アフラックは02年末に、転勤が昇進・処遇にリンクする制度を廃止した。
「転勤あり」社員には月3万円の「転勤リザーブ手当」がつく以外、制度上の差は無い。ただ、「転勤リザーブ手当」を長期間受け取った後で「転勤なし」社員に移ることを認めると、不公平になるなどの理由で、「転勤あり」から「なし」への変更は認めていない。
06年10月には、「転勤なし」社員が希望し当該の職場も認めれば、原則2年間、1回限りで転勤する「一時転勤制度」も始めた。
「転勤なし」を選んでいた女性社員が「仕事の幅を広げるために、一度は転勤を経験したい」と思っても、一度「転勤あり」に変更すると、後で育児などの事情が出てきても「転勤なし」には戻ることができなかったからだ。
「一時転勤制度」は、既に女性13人が利用した。反響は上々だ。
「性別やライフスタイルに関係なく、社員のキャリア形成を支援する」という考えから、雇用制度も柔軟に変えてきた。部下の育成などについて、社内の異職種の人と話し合う“井戸端会議”も開かれる。
人事企画課の開野美由紀さんは「地方支社を訪ねたり、アンケートをとるなど、社員の声を制度に反映する仕組みを重視した」と話している。【大和田香織】
毎日新聞 2008年1月7日 東京朝刊