医師免許を持たず本巣郡北方町に眼科診療所「アイクリニック北方」を開設し、医療行為をしていた事件で、県警生活環境課と北方署は7日、詐欺と偽造公文書行使の疑いで、瑞穂市野白新田、無職河口哲也被告(32)=医師法違反罪で公判中=を追送検した。県警による一連の捜査はこれで終結した。

 調べでは、河口被告は医師の資格がないにもかかわらず同診療所で患者を診察し、2006(平成18)年1月から07年7月にかけて、県社会保険診療報酬支払基金(岐阜市)と県国民健康保険団体連合会(同)に対し診療報酬明細書などを提出し、診療報酬と福祉医療費の計約3750万円をだまし取った疑い。

 また05年11月には、偽造した医師免許証のコピーを岐阜社会保険事務局(同)に提出、同診療所が保険医療機関として指定を受ける手続きをした疑い。

 河口被告は01年8月から無資格で診療を始めた。同診療所では05年12月から07年7月にかけて、患者自己負担分も含めて約5500万円、02年8月に開設した関市の関アイクリニックでは04年8月までの間に約1億6800万円の不正収入を得るなどしていた。このほか大垣市などの病院にも勤務し、「ニセ眼科医」としての総収入は約2億6000万円に上るという。

 河口被告は、この収入を高級外車3台や大阪府のマンション5室の購入に充てていたほか、借金の返済や親への仕送りにも使っていたという。