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「円天」L&G事件、新たな資金集めも? (2/3ページ)
●資産
「きわめて不自然な数字だ」−。民間の信用調査機関関係者は指摘する。破産手続きの審査過程で、エル社の決算報告に不自然な点が浮上したからだ。
関係者によると、エル社が裁判所などに提出した決算では18年6月期の売上高は18億円となっているが、民間信用調査機関の調査に答えたデータでは88億円で、約5倍の差が見られた。
民間信用調査機関のデータは企業間取引や、金融機関の融資などの参考になる。数字が多ければ“健全経営”を対外的にアピールできる。関係者は「関連会社の売り上げを合わせて(調査機関に)報告した可能性もあるが、エル社本体が実態より大きく見えたのは間違いない」と困惑気味だ。
現在の資産はごくわずかなことも分かってきた。
被害対策弁護団によると、資産は約1億円の預貯金と過払いした消費税の還付金など計数億円にとどまる。「到底被害者救済には足りない」と弁護団長の千葉弁護士はため息を漏らす。一方、負債額は調査機関の調べで約880億円(19年6月期現在)にも達する。
集めた資金はどこに消えたのか−。「正確には見えてこない」(管財人の福田大助弁護士)。「15ある関連会社に流出したか、韓国など海外に行っている疑いがある」と指摘する捜査関係者もいる。