■山形新聞ニュース

多言語問診票を30病院に 山形・外国出身者ら受診しやすく

2008年1月8日(火) 09:16
国際ボランティアセンター山形が配布を始めた7カ国語に対応する問診票(手前)。外国出身者が母語で症状などを伝えることができる
 外国出身者の支援や国際交流活動を展開している特定非営利活動法人(NPO法人)国際ボランティアセンター山形(IVY)は、外国出身者が病院で症状や病歴を正確に伝えられるようにするため、県内の病院に多言語の問診票を配布し始めた。日本語が不自由なために病院に行きにくい外国出身者を支援する目的。7カ国語、10診療科に対応している。

 日本語を全く話せない外国出身者の場合、自分や子どもが身体に不調を感じてもすぐに病院に行かず、その結果、16.7%が救急車で運ばれている−。IVYが昨年、県内の外国出身者を対象に行ったアンケートの結果だ。救急車で運ばれた経験がある人は、日本語の熟達度が低いほど割合が高かった。

 日常生活に支障がない程度の日本語が話せるようになると、大半が1人で受診していたが、日本語が話せないと、話せる友人らに同伴してもらわなければならず、相手の都合に合わせなければならない。その間に症状が悪化することもままある。話せても、どこがどのように痛むのか、症状を正確に伝えるのは難しい。異国の地で言葉も通じず、体の不調を抱えているとなれば、その不安は相当に大きいはずだ。

 IVYでは、このような外国出身者を支援するため、1994年から医療通訳の育成、派遣に本格的に取り組んできた。しかし、年間の利用は延べ60件程度。アンケートでも、母語の問診票を求める声が多かったことから、多言語の問診票配布を決めた。

 配布する問診票は、神奈川県内にある外国人支援機関が作成したものを活用。「発熱」「血便」「腹痛」など、症状を選ぶことができるほか、アレルギーの有無や病歴なども問う。日本語と併記されているため、医師と患者両方が理解できる内容になっている。

 IVYは、薬の飲み方など細かな内容をファクスで受けて翻訳するサービス(1枚500円)も提供しており、組み合わせると、相当のやりとりが通訳の同行なしで可能になる。

 IVYの担当者は「症状が重くなる前に外国出身者に病院に行ってもらえるよう、多くの病院で利用してほしい」と話している。まずは県内の総合病院30カ所に配布する予定で、同時に希望する病院、医院の相談も受け付けている。

 【メモ】問診票は、中国語、ハングル、英語、タガログ語、ポルトガル語、タイ語、スペイン語の7カ国語分を用意。それぞれ、内科、外科、小児科、歯科など10診療科分をそろえた。問い合わせはIVY事務局電話023(634)9830。ファクス023(634)9884。





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