まず「医療総崩壊」の現実を直視しよう(第1回)
2008年という新たな年の始めにあたり、まずひとつの問いかけから始めたい。「日本の医療は進んでいると思いますか?」
漠然とした問いではあるが、おそらく多くの人の答えは「Yes」ではないだろうか。私も正直言って「Yes」と思っていた。だが医療関係者の取材を始めて驚いた。現場の医師からは「日本の医療は危機的な状況に向かっている」という答えがいくつも返ってきたのである。
一昨年、昨年と、その危機が相次いで現実のものとなりニュースになった。からだの不調を訴え救急車を呼んだのに、病院に受け入れてもらえず、いわば「たらい回し」にされて死亡するという出来事が起きてしまったのである。06年8月奈良県大淀町の「32歳妊婦約20の病院に受け入れを断られ死亡」という件が大きく取り上げられたが、その後も07年12月兵庫県姫路市の「66歳男性18病院に受け入れを断られるなどして死亡」、07年12月大阪府富田林市の「89歳女性30病院に受け入れを断られ死亡」などと相次いだ。
いずれも近くに病院がある地域での出来事だ。18とか30とかの打診先があるということはむしろ病院がかなりの数存在する地域で起きているともいえる。
さらには新年早々の1月2日夜、大阪府東大阪市で交通事故に遭った49歳の男性が救急車で搬送される際、5つの病院から受け入れを断られるなどした末に死亡した。この5つの病院はいずれも「第3次救急医療機関」で、命に関わる重い症状の患者に対応する施設だった。いわば救急救命の「最後のとりで」の医療施設である。もろもろの悪条件が重なったのかもしれない。だがこれが日本の救急医療の実情なのだ。
調べてみてわかったことだが、救急車が搬送を打診しても受け入れを断られるということは実は全国各地で日常的に起きているのだという。
結果が「死亡」という場合のみがニュースとして大きく取り上げられたのであって、こうした不幸な出来事は日本のどこでおきてもおかしくないのが現実なのだ。「今のままではこのような事案は増えるであろう」と、医療現場からは絶望的な予言が返ってくる。からだに異変が起き、あるいは事故に遭い、すがる思いで救急車を呼んだのに病院は受け入れてくれず助けてもらえない。こんなことが起きている国の医療が「進んでいる」と言えるはずがない。私たちはまずその現実を知り、危機感を持たなければならない。
崩壊が進んでいるのは救急医療だけではない。分娩が出来る産科医がどんどん減っているという。遠くまでいかなければお産ができない。大きなお腹で遠くまで通わなければならない、そんな地域が増えているのだ。出産のあとお世話になる小児科医も減っているという。そんな現実を改善しないままで「少子化対策」をうたってみてもむなしく聞こえるだけだ。
外科医も減っているという。大ケガをしたり、手術を要するような病気になった時、頼りになるのは外科医だ。それが減っているという。大変なことだ。すでに「ガンの手術で何か月も待たされる」ということも起き始めているという。
まさに「医療総崩壊」である。そしてこれらの根底にある問題として指摘されるのは「医師不足」という問題である。
政府は長らく医師数抑制策を取ってきた。なぜだろうか。どうやらその理由は、医師が増えるとそれだけ医療費が増えてしまうからだという。医療費が国の財政を圧迫しているから、その医療費を抑えたい。そのために医師の数を抑制しているのだという。
多くの人は「病院でちゃんとした診療をするためにどのくらいの医師が必要なのか」とか、「患者の数から考えてどのくらい医者が必要なのか」とか、そういうことから国は計算して必要な医師数を考えていると思っていたのではないだろうか。どうやらそんな考えには立っていないようなのだ。この医師数抑制策の決め方を見ていると、「本末転倒」という四字熟語がぴたりあてはまるような気がする。
現実はどうか。病院の医師に聞くと、誰もが「医師が足りない」と言う。病院の勤務医はどこを見渡しても数が足りていないようだ。残された医師たちは過酷な労働時間に耐えて診療を続けている。こんな状態は改善してもらわなければならない。医師本人のためにも、であるし、患者の側から考えても、疲れきったお医者さんに診てもらいたい人などいないはずだ。
もちろん「不足」を言う前に「医師の偏在」という問題はあるだろう。厚生労働省はずっと「偏在」こそが問題だという姿勢をとっている。では偏在を解決するために本当に一生懸命策を講じてきたのだろうか。実は「偏在」を解決するというのは口で言うほどたやすい問題ではない。医師は自分の意思で診療科を決め、どこで診療するかを決めている。勤務医として診療するのか、開業医としてやるのか、などは基本的に他者が強制するものではないからだ。
医師を増やすというのもたやすいことではない。国は大学医学部の定員を制限することによって医師の数をコントロールしてきたのだが、仮に医学部の定員を増やしたとして、医師が一人前になるには10年かかるといわれている。
医師不足の問題は文字通りすぐに取り組まなければならない「急務」なのだ。一方で、政府が一番気にしている「医療費」の問題もある。高齢化社会の中、さらに増えることが予想される国民の医療費の負担をどうするのか。医療を充実させるためなら医療費が際限なく増えていい、というわけにはいかない。本当に頭の痛い問題だ。
状況はかなり危機的な段階を迎えている。私たちはまず現状を知り、それをお伝えすることから始めたい。知れば知るほど今の状況の厳しさがわかってくる。わかったうえで国民にとってもっともよい制度を、国民が納得するかたちで設計しなければならない。1年後、有意義な問題提起ができたと思えるよう、取り組んでいきたい。
Comment
内科医 さん
立川忠雄 さんへ
>>①一つずつひもといて説明させて頂くと、まず、日本の医大への進学について、非常にお金がかかってくること。
そして、そのために優秀で、本来医大に進める能力のある学生がいても、生活の状況からその進路を諦めなければならない程の家庭状況のゆとりのなさがあること。
国立大学医学部では貧しい人でも進学できるように各種の奨学金が用意されています。授業料を免除してもらい、奨学金で生活することも可能です。そういう道が用意されているのは知っていますか?
一般の方々のお金がないと医師にはなれないという間違った認識が、近年の医療不信の原因の一つになっているのではないでしょうか。
今の日本のシステムでは貧しい人でも努力すれば医師になることが出来ます。
そのようなことをきちんと周知させる必要もあるのではないでしょうか。
2008年01月07日 18:43
北の小児科医 さん
放送をみせていただきました。今後とも期待してみさせていただこうと思います。いくつかみていて気になったことがあるので投稿させていただきました。偏在というと通常あまっているところと足りないところがあると解釈するのですが、実際は足りないところと非常に足りないところしかない場合も偏在なんです。偏在がなくても不足だという事実をしっかりみすえてほしいと思います。ふたつめには、たらいまわしの報道で、病院がうけいれたら助かったかのような報道をあらためていただきたい。実際はうけいれても助からないことが圧倒的に多いにもかかわらず、変に視聴者に期待をもたせるのが崩壊の一因になっています。死ぬ病気は死ぬのだという事実を報道していただきたい。かつ助からないことでだれかを責めるのではなく、そうならないための前向きな情報(妊婦検診はちゃんとうけるとか)を期待します。3つめには医療費を際限なくあげろということをだれも要求していないこと、ただし倍にしても他国とくらべて多くはないという事実、他の国と比べ予算の使い方が偏っていること、現在の医療費がそもそも欧米諸国とくらべ圧倒的に少ないこと、自己負担というからくりに国民がだまされていることといった、いままで報道にでてこない真実まで追究していただけたらと思います。4つめは視聴者に対する教育、「さっき鼻水がでたのでといって深夜に幼児をつれてくる」といったたぐいの行動は間違いである啓蒙までしていただけたらと思います。(われわれ医療者も公演やら書籍やらではげんでいますが、真に啓蒙が必要な人々にはテレビや漫画しか伝達手段がないのが現実です。)何卒よろしくおねがいします。
2008年01月07日 18:27
ALL FOR ONE さん
あの八王子小児病院をよくしる物です。
あの病院は東京都多摩地区・八王子地区で唯一と言っていいくらいの病院です。都立と言うことで、収入が少ない両親や、シングルマザー、ファザーも利用しています。あの病院は医者も環境もすばらしく、本当に必要な病院です。しかし、都知事はあの病院を無くそうとしています。
統廃合しようとしているのです。
医者不足という視点ももちろん重要ですが、あそこまで取材をしたのなら、是非あの病院が、すばらしい人材と環境が整っている病院が今にも都の力でなくなろうとしているという事も是非報道してほしかったと思いました。
2008年01月07日 18:21
newよよっ さん
システムエラーと燃え尽き症候群の関係なのではないでしょうか?
看護師不足の前例があり、何故医師不足まで及んだのでしょうか?
この頃に医師免許や看護婦免許を破棄した理由はすでにシステムエラーが存在していたからです。そのなかでも特に教育、労働環境は格差があり平均というより底辺の声を聞き入れなかったことが原因であり、医療チームの中心的医師が不足するまでの危機的問題になったのでしょう。
患者も医療従事者も、まるで特攻隊のようです。
2008年01月07日 15:20
佐々木 さん
私は病院の管理を事務的な立場で担当しています。
この度の報道は、我々医療にたずさわる者としては、大変興味深くまた期待したい内容と思います。
ただ、是非ご理解いただきたいのは
幾つかのコメントにありますように、この問題は金銭だけでは
解決できる問題では無いことを是非、ご理解願いたいと思います。
私の知る限り、勤務医であろうが開業医であろうが、
「身近の病に苦しむ人たちを助けたい」この気持ちは変わりません。
しかし、多くの医師は臨床研修の終了すると
民事訴訟や刑事告訴に縁の遠い仕事を選ぶようになってしまうと感じます。
「人の命を救うという非常に崇高な職にあるのだから、もっと頑張ってもらいたい…」??
というような主旨のコメントが番組中にあったと思います。
これについては医師に限らず、多くの医療従事者がその使命感をもって、現場で従事しています。
しかし、そのことを広く国民が理解していただけているかは疑問です。
マスコミでは「医師は高収入、外車を乗り回し高級マンションに住みセレブな生活を送っている」といわんばかりイメージを国民に植え付けてしまったのではないでしょうか?
そのために「そんな厚遇に恵まれた医師がミスをするとは何事か!!」といった感情が広く国民の中にあるのではないでしょうか?
また「病院は失敗があってもそれを隠蔽して、それを素人には、わからないように説明をする」という認識も定着していると感じます。
もちろん都立広尾病院事件や東京女子医大事件など、医療者側としても反省することは多いと思いますが、けっしてこれすべてが実態ではないことを、是非報道願いたいと思います。
県立大野病院事件については、大切なご家族を亡くした、
遺族の悲しみは計り知れぬ程深いことは十分理解します。
しかし、さきの「人の命を救うという非常に崇高な職にある」を広く国民が理解してくだされば、もっともっと
産科や小児科を目指す医師がきっと増えます。
真面目にやって、失敗したら医師だけに責任を押しつけるのではなく国民の健康は公の立場守るべきであり、
公として責任を取る制度がなければ、問題の解決にはならないとおもいます。
GDPに占める総医療費
日本8%
OECD平均9%
アメリカ15.3%
フランス11.1%
医師数(1000人あたり)
日本2人
OECD平均3人
米国2.4人
フランス3.4人
急性期病床数
日本8.2
OECD平均3.9
アメリカ2.7
フランス3.7
以上のデーターから読み取れるよう
日本では国公立や公的医療機関を中心に、
箱物にお金をかけてきたため設備は充分整ってきています。
(おそらく、ほとんどの皆様の身近に、税金を利用した立派な建物の病院があるとおもいます。)
しかし、そこに費やす人的投資は非常に低い事をご理解願います。
そのなかで、今のような質を維持出来ている理由の一つに
広く医療従事者の倫理意識である事を知っていただくと
もっともっと医療に従事する者の士気が上がります。
繰り返しになりますが、この問題の根本的解決は
報酬だけではなく、医療制度自体を考えないと、
医療崩壊がますます加速することを
報道関係者の皆様に、ご理解願いたいと思います。
2008年01月07日 14:49
北陸の内科医 さん
このような場を設けていただいたことに感謝いたします。
昨今の事態は第一線で臨床をしている内科医の中でははるか昔に予想され、声をあげていたのですが、取り上げられることなく、むしろメディアの医療叩きは悪化し、現場を知らない(であろうと推測される役人がつくっている)医療行政はどうみても改悪の連続です。
一番悲しいのはお金のために医者をしていると思い込まれていることです。給料を上げれば医師が集まるだろうという思い込みを脱してください。私たちは給料が少なくても、休みがなくても、患者さんがよくなるお手伝いをし、感謝されることが仕事の活力でした。
医療不信を悪化させたのはメディア側と一部の条件のよい職場経験しかない医者の偏った見方の影響が大きいと思います。
最近は少し違う捉え方をしていただけることも多少増えてきていますが、もう遅いかもしてません。燃え尽き症候群で一線を退いていく同僚も年々増加しています。もうだめかもしれない・・というのが私の周囲の合言葉になりつつありますが、後に起こる大混乱を予想すると、ここであきらめてはいけないと思うのです。貴社の真実の眼をもつ取材力にすがるような思いで期待しています。
2008年01月07日 14:43
医師の卵 さん
医学部の六回生やっています。
現在起こっているのは『医療崩壊』というより明確な意図を持った『医療破壊』だと思っています。
理由は多くの先生が書かれておられるとおりです。
とにかくリスクが割に合わなさ過ぎてとてもとても産科や小児科、外科などに興味があっても進もうとは思えません。また、そんな自殺行為をしようとする同級生や後輩達には日々思いとどまるように啓蒙をしてい
ます。
この企画については、今更というのが正直な気持ちですが、貴社のできる一番の医療『破壊』防止対策は報道よりもここのコメント欄を検閲・削除無しにそのまま残しておくことのみだと思っています。
マスコミの方は自分のしてきたことを猛省してから、『報道』とやらを存分にしてください。
勿論記者クラブの情報を垂れ流すのでなく、医療現場に行かれて『取材』された上で『報道』されるんですよね?
2008年01月07日 13:36
根性なし さん
中部地方で産婦人科医をしています。
医療環境の悪化を肌身に感じています。
新しい薬剤、安全対策の機器などの導入には地デジなどと同じく多額のコストがかかるにもかかわらず医療費は削られ。もともと訴訟が多くても意気に感じて産科や外科などになったのに、あるいは他の科でも時間外に救急外来で患者を(リスクがあるにもかかわらず)診ているのに、結果さえ悪ければがんばっているとしか見えない方々をバッシングしているようにしか見えません。悪意にしか見えない報道が多すぎます。医療の報道をおこなうなら、実際に現場で働いている医師に裏をとって報道に臨んでください。
大淀病院や大野病院のことを語るなら、お産をしていない医師や恵まれた条件(たくさんの医師と充実しきった施設、あまりないでしょうが)の医師、タレント活動だけの医師ではなく孤軍奮闘している医師に内容に齟齬がないか確認をしてください。
2008年01月07日 13:19
脳外科逃散医 さん
昨日の放送拝見いたしました。とうとうゴールデンタイムに医療崩壊や医師不足というタイトルが出てくるようになり警鐘を鳴らし続けたものとして感慨深いです。番組のスタンスは非常に最近の医療を取り上げた番組の中でも深い理解がありましたが、司会のコメントで偏在という言葉を使っているところで興ざめしました。小児科医と眼科医、開業医と勤務医、都会勤務と僻地勤務というように医師の責任で医師偏在がおこっているとも取れる発言はいかがかと思います。私自身も年間救急車1100台以上くるような地方市立病院の脳外科医長として頑張ってきましたが、貴局含めたマスコミや司法警察当局、患者団体などの医療攻撃に嫌気がさして今はのんびりと療養型病院で勤務しています。
救急や小児科、産婦人科、外科系診療ついでをいえば生化学、解剖学、法医学、病理学などの基礎医学は早晩崩壊するでしょう。
まず医師の待遇改善(給与を含めて勤務医も開業医に見劣りしない額年収2000万程度)、訴訟の制限(刑事訴訟は悪意もしくは隠蔽などがある場合のみ、民事は保険診療であれば上限3000万程度)、診療応需義務の廃止(患者も医師を選ぶように、医師も節度のないモラルに欠けた患者の受診は拒否できる)を行なわねば来年は医療砂漠とか医療崩壊後でコネか金がないと受診できない現状を報道しなければならなくなるでしょう。
2008年01月07日 13:18
ふろっぐジャック さん
外科勤務医です。
医療総崩壊は今はじまった現象ではありません。産婦人科や小児科の崩壊もすでに10年前に予兆がありました。そして外科もです。外科は今でも崩壊していないと多くの市民、あるいは同業の医師でも誤解しているようですが、実は最も危険な科だと思います。現在、すべての診療科でもっとも勤務時間が長いのは、外科です。最低ラインで月320時間勤務が義務づけられています。それが世界一の成績を保ちつつ、崩壊しないでぎりぎりのところで持ちこたえているのは、外科医のプライド、やりがい、そして使命感です。ところが、その最後の支えを根こそぎ奪い、外科を完全崩壊に導く可能性をもつ爆弾が今、作られつつあります。厚生労働省の医療事故調査委員会の第二次試案です。これが現実となれば、一気に外科は消滅するでしょう。現在勤務をしている外科医は、即座に勤務を辞め、入会してくる新人はさらに減るでしょう。
ちなみにわたしの所属する大学病院の外科では10数年前からすでに不可逆的な崩壊が起きています。その崩壊の根元にはさまざまな問題がありますが、第一に外科入局希望者は1/4以下に激減。第二にコメディカルの非協力的勤務姿勢、そして第三に過酷な労働条件です。
ここに、いわれのない刑事罰が加われば、外科医は間違いなく消滅します。かくいうわたしも、外科医療崩壊を防ぐためにほそぼそとブログを書いてきましたが、この法案が通ったら外科医を辞めるつもりです。
2008年01月07日 12:19
good job さん
消化器外科医15年目です。基幹病院の指導医でしたが、先日退職しました。
総体的な番組のスタンスについては、好意的に拝見いたしました。
気がついたことを二、三。
昨今「医療崩壊」が叫ばれておりますが、本質的な問題は物理的に「医者が足りない」ということより、実際に存在している医師の意欲がここ10年で大いに削がれてしまったことです。
理由は私以前のコメントにいくらでもあるようですので詳細は割愛しますが、使命感だけで自分の命を削って(実際に過労死された先生や、自殺に追い込まれた先生もおられます)××時間連続労働をしても、無限大の権利意識をもってクレームをつける患者・家族が本当に増えました。
精神的に疲弊した所にマスコミの報道は、張り詰めた心を折るのには十分なものでした。報道の論調が変化したのは昨年後半以降で、それ以前は「医療ミス」「たらい回し」報道に終始し、ドキュメント番組といえば、「救急密着取材」と称していても結論は「過酷な労働でも、医師ならばそれが使命なのである」であったり一部の「神の手」礼賛番組で、医療の危機を報じる番組は皆無でした。
医師の殆どは、4、5年前から医療は本当に危機に瀕していると思っておりましたが、そういった声は、厚労省の巧みな世論操作や、マスコミの医療ミス報道(これも事例を詳しく検証すると実際に「過失」だったものは少ない)などにあえなくかき消されてきました。
ようやく厚労省や各都道府県が医師不足対策(厚労省は現在も医師不足を認めていないが「臨時措置」として地方医学部の定員増を認めた)を打ち出しているようですが、大半の医師はもはや手遅れと考えています。①医師の心(意欲)の問題であることと、②実際に基幹病院を辞めているのが30後半~40代の医師(所謂指導医クラス)なので、技術伝承の途絶を生じる、③患者の意識(コンビニ受診とか、医療の不確実性を理解できないなど)は今日明日に変わらないことを大半の医師は知っている、④医療費削減政策は変わらないと大半の医師は考えている、ことなどからです。
今、医師の間で、新医師臨床研修制度がはじまった平成16年を開戦に例え太平洋戦争になぞらえて今年(平成20年)を昭和におきかえる人が増えました。状況悪化に関わらず「医師は偏在なのであり足りている」と「大本営発表」を繰り返し、それに従って実現不可能な作戦(政策)を策定する国(厚労省)、過酷な勤務実態を無視して「医師は斯くあるべき、赤ひげたれ」と励戦する高級参謀さながらのマスコミ。
平成19年はインパール作戦、マリアナ沖海戦、サイパン・テニアン島玉砕、レイテ沖海戦・特攻(以上昭和19年)クラスの打撃が医療状況に実在しました。昭和20年に何があったか考えてみるといいと思います。
2008年01月07日 11:54
GreenTourism さん
短兵急な結論ではなくて冷静な問いかけが書かれているとても良いブログだと思われます。今後ともご活躍の程、お願い致します。
2008年01月07日 11:47
フリー麻酔科医 さん
365日真夜中でも緊急手術で呼び出される病院勤務を辞め、契約によるフリーランス勤務医となりました。土日祝は完全休日、年収は4倍、持病の偏頭痛もなくなり健康的な毎日を送っています。
私が辞めた病院では、医師不足のため手術件数が激減し、心臓手術はできなくなったそうです。
2008年01月07日 10:33
ぴんぽんぴん さん
この問題を「医師不足」の一言で片付けてしまっては何も解決しません。マスコミの一方的な医師叩きもかなり医療崩壊に影響しています。
今まで散々「医師は過剰」「日本の医療費は国際的に見て非常に高く効率が悪い」「日本の医師はミスばかりして質が低い」などと仰ってきたのはマスコミのはずです。
それを今更、「だが医療関係者の取材を始めて驚いた」「調べてみてわかったことだが」と言われて非常に残念です。今まで医療関係者から取材もせずに医療を批判してきたということですね。今のような情勢は10年以上前から始まっていましたが。
マスコミの医師叩きにより国民の中には医師を蔑む風潮が生まれ、マスコミと一緒になって国民が医師叩きに奔走するようになりました。病院で患者さんが死亡すれば、国民・司法からは「医師のミスがあったからじゃないのか?」と思われるようになりました。本来医療というのは確率論で行われるものであるのに、それを否定されるようになりました。さらに診療報酬も下がり、収入が減少しました。これらによって、医療従事者のモチベーションが下がり、基幹病院から中堅どころを中心として医師が立ち去りました。これが医療崩壊の本質です。
「マスコミが医療崩壊の主犯である」と思っている医療従事者は決して少なくありません。そんな人事(ひとごと)のように論じられても困ります。
まずは御自身たちが今まで行ってきた報道を検証してください。
2008年01月07日 07:58
とある私立高校教師 さん
大学へ進学させる立場として書かせてもらいます。
皆さんは医学部志望者が大学入学定員に対して何倍の人数が集まっているかご存知ですか?国公立大学では5倍前後の人数なんです。これは他の学部の2~3倍に対してかなり高い比率です。こんなに志望者はいるのです。
人数を急激に増やすと質の低下や教育が行き届かなくなると思いますので、10人、いや、5人だけでもいいから各大学は定員を増やしてはもらえないものでしょうか?
育てる側からの報道もぜひお願いします。
2008年01月07日 05:21
GO AHEAD さん
厚生労働省の医療事故(安全)調査委員会設置について
以下はどこまで信用できるか分からない情報です。しかし、世間ではこのような情報が出回るほど、警察に対しての不信感が大きいのです。
『福島県警のホームページより(現在はこのコーナーは公称”メンテナンス中”ということで見ることができません)
2006/04/17(月)(男性 埼玉県草加市)
県警の表彰の基準はなんですか?
3/14に行われた警察署長会議で、重大事件を解決した警察署への表彰についての記事を読みました。そこでは県立大野病院の医師を逮捕した富岡署が県警本部長賞を受賞したとありました。今回の逮捕に対しては、全国的に論議を呼んでおりマスコミや国会でもたびたび取り上げられております。まだ評価も定まっていない事件であり、国会でのある議員の答弁によれば、「医師が起こした事件でなく、検察警察が起こした事件」ではないかとさえ言われています。こうした事件をあえて表彰する真意を教えて下さい。
回答
2006/05/17(水) 監察課長
県警の表彰の基準はなんですか?
「県警の表彰の基準はなんですか?」についてお答えします。
福島県警察の表彰につきましては、「福島県警察の表彰に関する訓令」に基づき、事件の重大性、捜査の困難性等、対象となる部署の功労を総合的に判断して行っているところでありますので、ご理解をお願いいたします。
さらに
福島県警本部長の綿貫茂警視監も発言(福島のロータリークラブの会合で)
医療ミスにより医師が逮捕された事例がございますが、医師とは非常に難しいお仕事であり、結果だけをとらえて云々するということは問題ではないか、と考えております。そうでないと難しい手術などが出来なくなってしまうのではないかと思います。 』
もし、これが本当だとすれば自作自演も甚だしいとおもいませんか?
たとえ、上記の情報が誤りであったとしても、トンデモ判決をする裁判官やトンデモ弁護をする弁護士がいるのは事実です。
一部の天下りしか考えていない官僚、手柄を挙げたいだけの検察や警察、過去の判例に縛られて現実が見えていない裁判官、金儲けに走る弁護士が誤った判断をした場合には何のお咎めもなく、精一杯の努力をしても命を助けられなかった医師が有罪になるのはおかしいと思いませんか?(もちろん医師側に明らかなミスがあった場合は別です)
現状のままこの委員会が成立すれば、日本の医療はまず救急医療から急速に崩壊します。次に、手術を行う産科を含む外科系医療。そして、無理解な親が多い小児科。こうなった時に一番困るのは一体誰でしょうか?(脅しではなく事実です)
医師の善意が政府の無理解や患者側の悪意によって報われる時、医療は総崩壊に突き進むのです。
我々医師が委員会設置に反対するという事が、一般人にとって「医師の保身的で利己的な考えや行動(単に免責を求めるための反対行動)に過ぎない」と思われるであろう事は覚悟しています。医療が安全で完全なものだと患者に言っていのも、厚生省や我々医師自身であったのは間違いない事ですから。
しかし、事態は急を要しているのです。このままでは、本当に医療は崩壊します。大きくなりすぎた医師会には機敏な動きは期待出来ません。ましてや、開業医が主体で勤務医にほとんど発言権がない現状では・・・
では、どうすれば良いのでしょうか?
我々医師(勤務医)も一緒に考え、行動します。
ですから、くれぐれも正確な報道を期待しています。
(何度も投稿して申し訳ありませんでした。)
2008年01月07日 02:14
高木 詩織 さん
私は19歳の大学生です。番組を見たあと書かせていただきました。
医師の過重労働やマスコミの対応など思うことはありますが、まず何よりは日本の患者さんや親の我慢強さの低下が一つの原因だと思います。
救急車をタクシー代わりにする人や、風邪気味で病院に連れて行く親や。医療訴訟もそうだと思います!
時代のせいか、あんまりにも安心を求めすぎではありませんか?食料問題や教師問題からも同じようなことを思いました。
それで、前の方のコメントの公務員や国会議員の給与を一般に近づけ、教育機関や国民福祉に回すというのを見て、なるほど~と思ったんですが、どうせなら私たち一般の給与からでも、それはできることではないですか?私たち日本全体で、税金とは別に医療福祉機関用にお金を集めれば。自主性ではなく強制的に。
一年間追って取材をするということで、本当に頑張っていただきたいです。次の放送では医者側、患者側の両者をとって、ぜひ私たち患者側にも悪いところなど、どうすれば一番良いのかドンと言っていただければ嬉しいです。
2008年01月07日 02:04
地方外科勤務医 さん
今までの日本の医療は、他先進諸国と比較すると、信じられない低コストで、「ほぼ良い」医療を達成していました。しかし、それは「張子の虎」であり、非常に危うい現実の上で成り立っていたのです。
患者の安全確保にとっても問題のある、医師の長時間連続労働や、多くの2次救急病院で、皮膚科医や、眼科医が一人で当直を行っているのは、医師の間では常識です。
以前は、そのような(通常は全身の疾患を診ない)先生方でも、救急車を応需することで、救急システムが成り立っていたのです。しかし近年、専門外の医師が診て、不幸な結果になった時にそれが受け入れられない、患者、家族が増え、さらに医療訴訟の理不尽な判決が、救急現場から、医師を遠ざけています。
本来的に、無理をして維持してきたシステムですから、崩れるのは少しのきっかけで起こり得ます。でもこれは「医療の総崩壊」ではなく、本来の人員で行いうることを行う、医療者にとっての「医療の適正化」が行われているに過ぎません。だから、救急や産科など崩壊が進行している分野だけでなく、適正な条件がある分野はどんどん進歩しています。
医師だけでなく他の医療スタッフや、それを受ける患者さんのためにも、「持続可能な医療システム」を構築する必要があります。
例えば、医師養成数を見ても、日本の医師数は年々増加してはいますが、各国の増加率と比較すると、日本はOECD最低であり、このままでは、他国との差が開く一方です。
是非、今回の特集で今の医療システムのどこが問題で、どのような解決策が考えられるか、踏み込んだ取材、考察がなされるよう期待しております。頑張ってください。
2008年01月07日 00:08
医学生 さん
現在、医学部の学生をしております。
今後の医療を行わなければならない我々にとって、現在の医療体制は明るい未来が見えておりません。
一つ言えることは、確実に同世代の学生を見回しても、産科・小児科・外科志望の学生は減少しています。はっきり言ってしまえば珍獣扱いを受けていると言っても過言ではありません。
その最大の原因は、訴訟問題にあると言えます。
特に我々学生にとっても福島で起こった前置胎盤の事件と奈良のたらい回し事件は衝撃的であり、それに対する一般の方々の視点と報道姿勢にある種の諦めを感じてしまったことが挙げられます。
今後5年・10年の医療の未来を考え、ある程度予想ができてしまっている私たちの世代は、内科・外科・産科・小児科が激減することは間違いないと思います。
しかしながら、我々の次に医師を志す世代(現在の高校・中学生)にとってそれらの科が希望を抱けるような環境に近づけるよう、貴社の報道が現状の医療体制に一石を投じてくださることを願っております。
2008年01月07日 00:03
通りすがり医者 さん
上記でコメント書かれている真面目なお医者さんには悪いのですが、私は割り箸事件」が起訴された時に、今後は絶対に一次救急には関わらないでおこうと決心しました。実際に今までも留学や大学病院で専門しかみないように進路取ってきたし、今後も救急にあんまり縁の無い都会の楽な病院でしか働かないつもりでおります(過労死などのリスクを考えても忙しい基幹病院では絶対働かないつもりです)
2008年01月06日 23:10
ハッセ さん
政府による医療費抑制のために医師の資格を持つ人が少ないと言われているがそれと同様に看護師の数も不足していると言われています!看護師一人に付き看護をする患者数が十人という過酷ともいえる現状だそうです!さらに、患者からの理不尽な要求や暴力もあり途中で燃え尽きて辞めてしまう看護師もいるそうです!医師の数も足りないなり手もいない、看護師も足りないとなれば医療崩壊といってもいい!助かる命でも助からないというのが現実になってしまっている!イタリアのように医師を増やしたほうが負担も減るし安心して医療を受ける環境が出来ると思う!無駄な施設を立てるお金があるなら悲鳴を上げている現場に回して医療環境整備に充ててもらいたいです。
2008年01月06日 22:28
N さん
すいません。GO AHEADさんのコメントをみてもう一言書かせてください。私もマスコミの「たらいまわし」という言葉に非常に憤慨しています。救急当直は例外のところもあるでしょうが原則1人です。救急車で搬送されてくる患者、入院患者をみなくてはいけないんです。必死に処置をしていて「搬入不可能」な状況なのに断ったら「たらいまわし」ですか?森田さんはこの言葉は使われていませんが、今後取材を通してより理解を深めていただきたいと心より思っております。
2008年01月06日 22:05
N さん
私は内科勤務医をしています、というかしていました。今は非常勤勤務です。年齢は38歳、まさに一般急性期病院内では一番バリバリ仕事をしなくてはいけない年ですがストレスから体調を悪くし退職しました。
原因は上司が多忙によりストレスから体調不良状態になり、退職。その後補充人員がなく仕事量が増え私もストレスから体調不良が続き退職しました。まさに医療崩壊の典型、「ドミノ倒し状態」でした。やめた当初は自分を責め、なんてだらしない事かと思っていましたが、いろんな著書やドクターサイトで同じようなことが全国で見られていることを知りました。これは大変な状況になりつつあることを事を皆さんにぜひこの番組を通して知っていただきたいと思います。幸い私自身は現在体調が戻ってきており他の医院で今年4月から常勤することに決まっていますが、もう健康第一と考え、一般外来だけで生きていこうと思っています。医者も人間です。私も家に帰れば二児に父親です。少しでも職場環境が良いに決まっています。36時間勤務を当たり前のように繰り返し土日も拘束され、県外はおろか市外へさえも出られない状況が数ヶ月続くことも茶飯事で夜間にも急に呼びだされるそんな生活には疲れてしまいました。
2008年01月06日 21:40
西村 さん
他局の番組で大変申しわけないのですが、「医龍」というドラマを胸のすく思いで見ていました。
医師だけでなく政治家、官僚、公務員・・・どこに向いているのか、国民にはむいていない。
医龍のお医者さん、は常に患者を見ていました。向いていました。私たち商売をするものは、常にお客さんを見ています。向いています。
政治も商売も、根本はどれも同じではないでしょうか。言いなりになれとは言いません。国が赤字になっても困りますし、私たちの商売も売り上げがないと死活問題です。ですが、やはりお客様あっての私たちです。正直な商売でプライドもって仕事しています。まして、命の仕事、本物のお医者さんが、信念もって医術ができるような世の中になれるとよいと思っています
その為の報道になるように、タブーのない番組を期待しています
2008年01月06日 21:19
医療関係者ではありません さん
今後も取材を続けるのであれば「医療の不確実性」とは、どういう意味であるかをまず理解してください。これを理解しないと話がかみ合わないと思います。「日本医師会」の存在を誤解しているマスコミ関係者もいると思います。なぜ「勤務医の連盟(全国医師連盟)」が必要なのかを調べてください。最後に「医療事故(安全)調査委員会法」の問題ですが、法の法というべき憲法38条では「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」とされ、これをもって「黙秘権」は憲法の定める権利とされています。真相解明、原因追及、再発防止を目的とすることと調査結果の刑事、民事訴訟への流用には矛盾するところがあることを理解してください。
2008年01月06日 21:17
Mぽん さん
救急患者のたらい回し報道をよく聞くが、患者の方に問題がある場合も多いと思う。私が入院していた時、救急車で運ばれてきた患者を見た同室の患者たちが「あ!又あのオッサンや。アイツは定期的に救急車を自家用車代わりに使ってるんやで」と言っていた。また、妊娠しても診察代が惜しいから・・という理由で受診せず、陣痛がきてから救急車を呼ぶのを当然だと考えている妊婦が居るのも事実だ。
2008年01月06日 21:10
三輪 高之 さん
途中からではありますが、番組を拝見させていただきました。
小児科のDrに密着取材されていることは、とても評価できると思います。私も5年ほど前にはほぼ同様の勤務状態を経験しておりましたが、人間らしい生活とは無縁です。医師の人権を無視すること(劣悪な労働環境の強制、医師への暴言・暴力など)が結果的に患者様の不利益になることを、よく理解していただきたいと思います。
医療崩壊に対する医師らの声を上げるべく、全国医師連盟の設立準備委員会の活動を行っています。1月13日には総決起集会を開催します。
2008年01月06日 21:08
立川忠雄 さん
本日、貴局の番組中「医者不足の真相」をみていて、普段思う意見を述べさせて頂きたく、このページに参りました。
あくまで、私見でありますことお許し下さい。
医者不足の現実の問題提起ですが、第一、結論から言いますと、この問題の起因する所は、日本の官僚主体の問題点(いわゆる公務員問題)から波状していると思うのです。
①一つずつひもといて説明させて頂くと、まず、日本の医大への進学について、非常にお金がかかってくること。
そして、そのために優秀で、本来医大に進める能力のある学生がいても、生活の状況からその進路を諦めなければならない程の家庭状況のゆとりのなさがあること。
②合格率の低さがあると思います。
③次に、この医者不足の問題だけでなく、他の分野でも言えるのですが、法曹や国家公務員試験など(もっと言えば大学への進学率)その他の分野を見渡しても、家庭の裕福さ如何という影響が少なからず有ること。
第二、これは、かなりの暴論かも知れませんが、我々一般的な庶民感覚とずれの有りすぎる公務員の給与体制一つとるなら、彼らは、企業の中でも優良トップ企業の数十社という中での基本的な福利厚生や賞与レベルで彼ら公務員の給与・賞与ははかられていることはご承知のことかと思います!
けれども、一般的な会社で、特に現場仕事をしている俗にブルーカラーと言われる会社員(サラリーマン)の殆どは月給や昇級が公務員の一般職に及ばないところは何十社とある。
その上、公務員はどんなに不景気でも、賞与は必ず年二回は支給され、テレビ報道でも大きく報道されているが、そういった一般の会社では、賞与も寸志或いは全くないところはやはり何十社とある。
小泉総理の時代に「国民に痛みの伴う改革」といいながら、昇級・賞与が無い会社はいくらもあったが、彼ら公務員は公務員である以上一人残らず、報道を見て
ていてもきちんと賞与が定律支払われている。
国会議員にしても同じである。
しかも、税金で!
第三、そこで、提案ですが公務員の給与・賞与をもっと一般人の感覚に等しいくらいにした時、その余剰する国家予算を、そういった教育機関や国民福祉に回すことが出来るなら、また現在余剰する分、減税効果も計れ、更に無駄遣いを徹底的に暴き、無くしていけるなら、本当の意味で国民の経済的利益が増え、景気が上がるのではないかと思うし、それが、ひいては今まで家計の苦しい家庭からは大学に行けなかった子供達も、等しく大学に行く可能性が高まると思います。
一般の会社員の給与や賞与も増え、インフレ傾向にある現状も改善され、再び景気が上回ってくるのではないでしょうか!
国家的にも国債の価値が上がり、諸外国に目を向けかけている企業も引きとどまり、将来訪れる人材や企業の空洞化の問題も回避されるでしょう!
それが、医療機関にも人材が回り、無くなる病院も減少し、経営が苦しい医療機関の問題にまで明るい兆しが到来するということになるのではないか、と思料します。
第四、ですから、一番の国家的な問題として、公務員の高給与体制や過保護制度が一番の問題だと思うのです。
憲法一五条でしたか、公務員は国民の為に存在すると定められているにもかかわらず、現実は、国民は公務員のために存在すると言わんばかりの状況ではないですか!
お願いですが、この検証を番組で一度してみて頂けたら嬉しいのですが!
やはり、取り上げられた問題は木をみて森を見ず!の例え通りに思え、いくら枝葉の問題をしていても一向に改善点は見つからないばかりか、混迷した状況しか見つけ出せないと言えるのではないでしょうか!
論理飛躍と言われそうですが、もし可能であればご考察願えましたら、一視聴者として幸せです。以上
2008年01月06日 20:57
はな さん
小さな子供が二人いる母です。
今夜の番組で放送された小児病院は、市内にあるので興味深く観ておりました。
普段は近くのかかりつけ小児科(開業医)で診てもらっていますが、診療開始前に50人近くの名前が受付用紙に書かれている事も多く、小児科医の苦労を垣間見る事ができます。
私の周りでも、小児病院・小児科医、分娩できる病院が少ないと感じます。それぞれ事情があるので受け入れるしかないのですが、放送された小児病院は別の病院と統合されて別の市に移転する事が決まっています。移転について反対する動きがあり、これまで特に参加していませんでしたが、あの小児病院が無くなるのは大変な事だと改めて思いました。
何故、新設するのではなく統合・移転しなければならないのか…
これまで頼りにしてきた地域住民の苦悩も報道していただき、移転を見直してもらえないかという思いでいっぱいです。
2008年01月06日 20:52
整形外科医 さん
地方で整形外科医をしている者です。
今日の医療破壊の原因の一つには、マスコミの皆さんも関与していることを自覚して下さい。
昨今の医療ミス報道は、確かに実際に医療従事者の過失のあった場合もありますが、マスコミの誤った知識や誤解に基づく、医療従事者を悪者にした内容が非常に多いです。しかも誤った放送をしても、しっぱなしで訂正などありません。医療に絶対はありません。時間外に無償で必死に命をかけて治療して、結果が悪ければ医療ミスと報道されては、同じような境遇にある医療従事者は、やる気を無くし、辞ていくのは当然と思います。日本の医療従事者で患者様に不利益を与えようと治療している人などいないと思います。
是非、報道されるのであれば、現場の声を取り入れた内容にして頂きたいと思います。視聴率を追求した、ブームが去れば、下火になるような報道でなく、使命感をもった報道を期待致します。
2008年01月06日 20:17
地方小児科医 さん
人口10万人の医療圏唯一の病院小児科に勤務しています。小児科医は二人で、番組でも取り上げられていたオンコールは二日に一回で、その日は病院に概ね10分以内に到着できる範囲に行動が制限されます。この拘束には何の報酬もありません。実際に病院から呼ばれてはじめて時間外労働と見なされます。夜間の内科当直医の診療に納得しない親、診療時間外でも当たり前のように来院する親、発熱しているが元気いっぱいの子供を深夜に連れてくる親、検査をしないと納得しない親、医療のコンビニ化は当然で、子育てできない親が確実に増えています。子供たちに罪はないと頑張っていますが、日本の医療は医師の使命感、頑張りで支えられていると言ってもいいのではないでしょうか?病院小児科の診療報酬が増えても、私たち医師に還元されることはないでしょう。学生時代に憧れた医師という職業も使命感だけで続けるにも限界があります。お金のためにやっっているのではない、しかしやったことを正当に評価してもらえない日本の医療。いっそのことアメリカのような医療制度にしたほうが良いのではないかと思うこともあります。医師を目指す若者に自信を持って勧められる職業ではなくなってきています。悲しい現実です
2008年01月06日 20:07
GO AHEAD さん
拝見させて頂きました。短時間の報道ではまだまだ掘り下げきれないでしょうが、今年1年追いかけて行かれるそうなので期待しています。どうか、くれぐれも偏った報道にならないように真実を伝えて下さい。
医療事故調査委員会の問題では民事訴訟だけではなく刑事事件として扱われる危険もあります。医療関連死が全て届け出制となり、届けなければペナルティとなり、届ければ後出しジャンケンの一方的な調査です。医療と言うものは100%がありえない世界なのですが、最近では100%が当たり前という風潮が確立されており、死亡症例の全てが医療ミスであるとの認識がまかり通っています。有罪になることで、医療が出来なくなるリスク(有罪判決が出ると執行猶予が付いても医道審議会により医業停止の処置を受けてしまいます)をおかしてまで医師が第一線で頑張れるでしょうか?これが医療総崩壊の引き金になることは明らかです。
この訴訟リスクに比べると、勤務時間の問題などはたいしたことではありません。もちろん過労の問題はありますが、医師生命を絶たれるほうが現場の医師としては辛いのです。
話は変わりますが、最近よく使われる表現の一つに「タライ回し」という言葉があります。視聴者にはインパクトのある表現でしょうが、医師にとっては非常に腹立たしい表現の一つです。意思をもって「診ない」のと物理的に「診れない」のは全然意味が違います。この表現一つをとっても報道機関が偏っていると言われても仕方のないことです。「診なかった」のか「診れなかった」のか、よく調べた上で報道してください。お願い致します。
2008年01月06日 19:57
三輪 高之 さん
精神科医をしております。
医療の危機的状況に関しては、この2年くらいの間に急速に悪化している印象がございます。もちろん医師不足(絶対的、偏在とも)はその大きな原因の1つであると思われますが、本当に大きな問題は、医療者側への過度な要求と、当然予期される病気の進行や、死亡などの不幸な結果に対しての医療者側への過度の責任追及と、低医療費政策にあると思っています。
最近では、病院で患者様が死亡されると、「医療ミスがあったのではないか」「説明が足りない、おかしい」などど批判されることが多くなりました。私たち医師の多くは32時間以上の連続勤務を1ヶ月に3~4回こなしつつ、さらに平日の日中も働いていますから、大変な労働基準法違反を強制されています。その状況で一生懸命働いても、患者様やご家族には、医療の限界・不確実性・生命の限界について理解していただけないことも多いです。これでは、逃げ出したくなって当然です。
「過重労働で医師が疲れているから、ミスがあったり良い治療ができなくなり病気が悪くなる」といったようなご意見も新聞等で拝見いたします。半分は正しいのですが、治療が問題なく行われても不幸な結果となることは多いものです。そのような案件も医師のせいや過重労働のせいにされると、さらに誤解を招きます。
低医療費政策の結果としての現状もございます。日本の医師の技術料は、世界的に見ると非常識といえるほど安く設定されています。軽自動車を作る予算しか出さないのに、数倍の値段の高級国産車を完璧に作れと言っていることと全く同じです。できないことはできません。精神科医療に関していえば、低医療費政策によってもう危機的状況を超えています。
日本という国は、病気になったときに安心して医療を受けられる国であるべきか、医療費を削って簡単には医療に受けられない国であるべきか、国民全体で考える必要があります(低医療費政策により危機的状況になってしまったイギリス、医療の値段が高すぎて貧しい人は医療を受けられないアメリカ、これらの国をよく見据える必要があるでしょう)。そして、医療費を安くすますことが国民の幸せに繋がるかどうかを見直して欲しいと思います。
2008年01月06日 19:17
GO AHEAD さん
千葉の病院で院長として勤務(週7日の日勤及び当直週に5回)しています。当地では本当に医師が確保できません。
政府の医療費抑制政策のみならず、厚生労働省の医療事故(安全)調査委員会の設置問題、さらに患者によるトンデモ医療訴訟の増加は第一線の医師(特に勤務医)に対して現場よりの離脱を促進し、医療総崩壊に直結しています。
しかし、このままではいけないと思っている医師たちが、この1月13日に勤務医の連盟(全国医師連盟)を立ち上げようとしています。医師会とは全く別の組織ですが、勤務医の意見をリアルタイムに表明できる場として、日本の医療総崩壊を食い止めるために政府や厚生労働省に意見していきます。
マスコミとしての医療総崩壊に対する貴社の報道に大いに期待しております。
2008年01月06日 18:42
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PROFILE
報道局社会部デスク。司法担当キャップ、「真相報道バンキシャ!」プロデューサーなどを経て現職。
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