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地球温暖化で減る南極オキアミ 保護団体が資源管理の強化を提言 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:温暖化
南極海に生息する甲殻類で、鯨や魚などの餌としても重要なナンキョクオキアミの資源状況が、乱獲や地球温暖化の影響で大幅に悪化しているとの報告書を、南極海の自然保護に取り組む団体の連合体「ナンキョクオキアミ保全プロジェクト」がまとめた。プロジェクトは「オキアミは海の生態系にとっても、地球上の炭素循環にとっても重要な役割を持つ」と、各国にオキアミの資源管理態勢の強化などを提言している。
▽生態系の基礎
ナンキョクオキアミは、南極海に生息するエビに似た甲殻類で体長は最大約6センチ。地上の多細胞生物の中で最も個体数が多い生物の一つとされ、巨大な群を作って泳ぐ。
オキアミは南極海周辺で餌をとる大型の鯨やアザラシ、魚など多くの生物の餌として、南極周辺の生態系の基礎を支えている。また、養殖魚の餌などとしても大切な海産物で、過去10年ほどの間に漁獲量が増えている。
しかし、近年の温暖化で、オキアミが捕食者から身を守る上で重要な海面の氷が減少し、オキアミの個体数が激減したことも報告されている。
日中は海の深い部分に潜み、夜になると浮上して餌を食べるオキアミは、植物プランクトンが大気中から取り込んだ二酸化炭素(CO2)を海底に運ぶ役割も持つ。このため、温暖化の影響でオキアミが減ると海が吸収する炭素の量も減り、さらに温暖化を悪化させると懸念されている。