愛知県豊田市の市営プールで天井からボードが落下した事故で、同市は七日、ボードがプールの湿気を吸って重くなり落下した可能性が高いことを明らかにした。今後、外部の専門家も招き詳しい原因を調査する。
一方、国土交通省も専門家を現地に派遣し、調査を始めた。
市の調査によると、落下したボードはケイ酸カルシウム製の板と鉱物繊維でできた吸音板を接着剤と金具で合わせた合板で、総重量は乾燥した状態で約八百二十キロ。事故当時はいずれの素材の板も湿気を含んでおり、さらに重かったとみられる。
ケイ酸カルシウム板の部分が鉄骨にビスで固定されていたが、ビスを残して吸音板とともに崩落した。板はそれぞれ別のメーカーの商品だが、いままで吸湿による事故は報告されていないという。
市はプールが地下設備で湿気がこもりやすい上、温水プールで湯気が立つことなどから、通常は換気機能も備えた空調設備を稼働させていた。しかし、昨年十二月三十日から今月二日までの四日間は、休業で温水が冷める上に吸音板が耐湿加工されているとして、空調を止めたという。
鈴木公平市長は七日の記者会見で「幸いけが人はなかったもののおわびをしたい」と謝罪した。 事故は六日午前、地下二階のプールで天井のボードが長さ約二十メートル、幅約四メートルにわたって約八メートル下のプールに落下、開館直前でけが人はなかった。
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