1月7日、イオンが10年ぶりの営業減益に下方修正。昨年4月、都内で撮影(2008年 ロイター/Yuriko Nakao) |
[東京 7日 ロイター] イオン<8267.T>は7日、2008年2月期の連結業績見通しを下方修正した。連結営業利益は、当初見通しの2000―2100億円を1670―1720億円(前年比12.0―9.3%減)に引き下げ、1998年2月期以来10年ぶりの減益見通しに転じた。
米衣料専門店のタルボットが想定以上に不振だったほか、イオン単体の利益改善が小幅に留まったことが影響している。
営業利益見通しは、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト13人の予測平均値1895億円を下回った。
連結営業収益は、従来見通しの5兆2500億円超を5兆1350億円超(前年比6.4%増超)、経常利益は2050―2150億円から1770―1820億円(同6.0―3.3%減)、当期利益は700―760億円から600―630億円(同4.1―9.3%増)にそれぞれ引き下げた。
米タルボットは、天候不順や消費低迷により、既存店の売上高が5.4%減と不振が続いている。また、イオン単体も、第3四半期(07年2月21日―11月20日)の既存店売上高は前年同期比0.7%減となったほか、天候不順により衣料品の低迷で在庫処分を行ったことが利益率を押し下げた。
また、会計処理方法の変更で、のれん代償却が営業外費用から営業費用に移行したことで営業利益を62億円引き下げた。
タルボットについては、ビジネスモデルの見直しや08年9月までにキッズ、メンズ部門からの撤退を行うなどのリストラを進め、再来期の浮上を狙う。豊島正明専務執行役は「ビジネスモデルの転換とリストラが今年から来年のテーマ。資本政策は考えていない」と述べた。
来期以降の業績見通しについて、豊島専務は「2009年2月期は再び、過去最高益更新に向かうと考えている」と述べ、キャッシング金利引き下げが一巡するイオンクレジットサービスの回復や、アジア地域での売り上げ増が見込めるとした。
(ロイター日本語ニュース 清水 律子記者)
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