日本病院会の山本修三会長は、高度で安全な医療を確保するには優秀な医師を増やす必要があるなどとし、医学生が勉強しなければ卒業できない仕組みをつくるなど医学教育の抜本見直しに関する提言を盛り込んだ年頭所感を1月7日までに発表した。
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年頭所感で山本氏は、2006年に実施された前回の診療報酬改定をきっかけに日本の医療が崩壊への道をたどり始めたなどと指摘。こうした中で、病院団体による調査が公の場で取り上げられるようになるなど、病院医療の危機的な現状が「少しずつ理解、浸透されつつある」との認識を示した。
ただ、これによって「(今年4月の診療報酬改定で)仮に僅かに病院の点数が上がったとしても、病院医療、地域医療の崩壊を止めることにはならない」とも指摘。評価の在り方によっては医師確保などで地域・施設間格差が拡大しかねないとし、問題を抜本解決するには時間をかけてでも優秀な医師の増員により対応する必要があるとの認識を示した。
その上で山本氏は、高度で安全な医療を確保するには医学教育や研修医制度、専門医制度の在り方を「根本的に見直す必要がある」と指摘。抜本見直しの具体的な中身として▽医学生が勉強しなければ卒業できない▽専門医の認定を必要な知識・技術を身に付けた者に限定するなど制度を厳格化する一方、専門医に対して能力と活動に見合った収入を保証する――などの仕組みづくりを提言した。
更新:2008/01/07 キャリアブレイン
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