福岡市の消防出初め式ではしご乗りに挑戦した中村仁美さん

福岡市の消防出初め式ではしご乗りに挑戦した中村仁美さん

 福岡市の消防出初め式が6日、福岡市中央区地行浜のヤフードームで開かれ、江戸時代の町火消しを起源とする伝統技術演技や、本番さながらの救助訓練が披露された。伝統技術演技のハイライトとなる「はしご乗り」には女性が初登場。会場から盛んな拍手を浴びていた。

 はしご乗りに挑んだ女性は、福岡市消防局西消防署姪浜出張所救急隊の岡田倫子さん(25)と、同消防本部総務課財務係の中村仁美さん(23)。ともに出初め式で見たはしご乗りにあこがれ、参加を希望。熱意が上司を動かし、今年、同市初の女性の乗り手に決まった。

 はしご乗りは、一人前になるまで5、6年かかるいう難しい演技。2人が練習を始めたのは昨秋からだが、猛特訓を積み重ねてきた。本番では高さ6.6メートルの揺れ動くはしごの上から、絶妙なバランスで技を披露。両手を離してポーズを決め、演技を締めくくった。

 岡田さんは「緊張したけど、練習の成果は出せた。失敗しなかったので100点満点です」と笑顔。中村さんは「無事終わってほっとした。来年もまた頑張りたい」と意欲を見せていた。

 出初め式には消防職員や消防団員ら約3000人と、消防車両74台が参加。吉田宏市長は式典で「災害に強く、危機管理に万全な都市を目指して全力を尽くす」とあいさつした。

=2008/01/07付 西日本新聞朝刊=