更新:2006年3月31日 19:50デジタル家電&エンタメ:特集
ブルーレイ VS. HD−DVD「負けたら土下座する」東芝・次世代DVD発売会見【詳報】
東芝は31日、東京・港区の「ラフォーレミュージアム六本木」で製品発表会を開き、次世代DVD規格「HD-DVD」プレーヤー1機種を日本で発売したと発表した。会見で同社の藤井美英執行役上席常務は、対立する「ブルーレイ・ディスク(BD)」規格に激しい敵がい心を示しつつも、「今年末から来年6月には規格争いの趨勢が決まるだろう」と厳しい戦いに向けて揺らぐ胸のうちものぞかせた。 ――なぜ今日の(3月31日)発売なのか? 発表即日に発売する意図は?
この日にしたのは、これ以上延ばして、延期と言われるのはいやだというのがある。以前も発売時期を延期したことがあったので、(公約にしていた)3月中になんとしても出したかった。 実は著作権保護機能であるAACSの認証実験が続いていて、本当に今日発売できるかどうか、ぎりぎりまでわからなかった。うまくいかなければ、今日のこの場は発売再延期の謝罪会見になるはずだった。発売すると決めたのは昨日から今日の朝にかけて。実を言えば、発売できなかったときのためのスピーチ原稿も用意していた。 今の段階で市販のパッケージソフトはまだない。4月27日までに出荷する分にはHD−DVD規格の映像ソフトを同梱している。 ――国内発売が先行したが、米国での予定は?
HD-DVD対応のソフトを発売するハリウッドのスタジオがアドバンスト機能(本編再生中に解説などを同時に再生できるHD-DVDの独自機能)をバンバン入れている。これでソフトの発売が遅くなっている。 米国では4月18日に3タイトルほどソフトが発売になる予定だ。プレーヤーもそのタイミングで投入する。 ただ、出荷そのものは4月の上旬から始まる。米国と日本では流通の仕方が違うので、発売日をはっきりさせるような習慣がない。店舗によっては4月上旬から発売するところもあるかもしれない。米国全土としては18日の発売になる。 ――月産台数は? 今回発売した「HD−XA1」は月産2000台の予定だ。今年暮れには月産数万台規模になるだろう。全世界で考えると、プレーヤーだけで2006年は60万―70万台程度になる。 ――レコーダーを6月に始まるサッカーW杯ドイツ大会の前に出すと常々発言していた。
レコーダーは開発中だ。W杯前にはレコーダーを発売し、ハードディスクも容量の大きなものにしたい。調子に乗るとまた何を言われるか分からないけれど、個人的にはW杯に間に合わせたいと思っていて、開発陣に発破をかけている。 ――ブルーレイ・ディスク(BD)規格の製品が出ていない状況では買い控えの懸念がある。 次世代DVDについては、とかく東芝が悪く言われる。私は規格統合については相当努力した。単一規格とは言わなくても近づきたかった。 それはさておき、確かに買い控えは起きるかもしれない。しかし、少なくとも大画面テレビをお持ちの人はHD−DVDのソフトを見たいと思うのではないだろうか。現行のDVDとHD−DVDの画質を比較して見てしまうと、「早く買いたい」という気持ちになると思う。 結局のところは、どういうタイトルが出るかの問題だ。基本的には消費者はリリースされるタイトルによって買う、買わないを決めると思う。BDとHD−DVDを見比べたいという思いはあるかもしれないが、欲しいコンテンツが具体化されればプレーヤーを購入するだろう。 ――BDとHD-DVDの趨勢はいつごろ決まるとみているか。 HD-DVDはパソコンなどに搭載するドライブも含めると全世界で今年度100万台を超える期待を持っている。来年度は数百万台の出荷を予定している。今年の暮れ、来年の6月には趨勢が決まるだろう。 もちろん、BDの方が規格として優れている可能性がないわけではない。そのときには土下座して謝りたい。しかし、HD-DVDの優位性を信じている。商品の技術、コスト、速さの勝負になると思う。今年の年末を期待してほしい。 ――2006年モデルを発表したが、2008年の北京五輪を迎えるころにはどんな商品にしたいか。
[2006年3月31日/IT PLUS] ● 記事一覧
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