缶に入ったワイン「バロークス」がじわじわと売れている。オーストラリアのバロークス社のワインで、250ミリリットル入り441円。赤、白とスパークリングの赤、ロゼ、白の5種類ある。1人で飲むのに適量なことと、持ち運びに便利なことが人気の理由のようだ。ワイン通には抵抗がありそうな缶入り。「瓶入りと変わらない味」のうたい文句は本当なのか?【岡礼子】
飲み残しがない、持ち運びに便利、冷えやすい、軽い--など、缶入りのメリットはたくさん思いつくが、気になるのはアルミ製の缶の内側。アルミやスチールは、アルコール度数が高いと化学反応を起こして缶が腐食。賞味期間が短くなるという。
バロークスの創業者、スティーブ・バリックさんとグレッグ・ストークスさんは04年、アルコールと反応せず、ワインにも影響を与えないコーティング材を開発した。バリックさんがワイン生産者、ストークスさんが元検察官という異色のコンビ。開発には約10年かかった。
ストークスさんは無類のワイン好きで、ジャグジー風呂でボトルワインを飲んでいて、割ってしまった経験から、「割れない容器がほしい」とワイン業界に飛び込んだ。2人とも高度な技術の知識はなかったが、独学で開発に取り組み、缶メーカーの協力もあって実用化にこぎつけた。同社の製品は缶入りワインのみ。今では世界20カ国で、コーティングとアイデアの特許を持っている。
品質は、ワイン業界の国際的な資格、マスターオブワインの称号を持つピーター・スカダモア・スミスさんによって厳しく管理され、5年間は変わらないことを実証済み。気密性が高いため、缶に詰めた時の味が保たれると保証する。
日本では05年に発売。大都市の百貨店、スーパーなどで買える。地下鉄表参道駅(東京都港区)構内の紀伊国屋店では、昨年2万4000本と、東日本で最も売れているという。ターゲットは女性。一方、プランタン銀座によると、人気はロゼのスパークリングで、ビン入りワインと同じ傾向。女性客のほかに、同店舗の客層とは違う年配の男性客が目立つという。
販売数は1年に約120万本。バロークス・ジャパンによると「日本はワインの消費量は少ないが、250ミリリットルという小さいサイズが適量なのではないか。他の国では、日常的にはビンのワインを飲み、缶ワインはアウトドア用などが中心」と話す。日本の年間販売量は、原産国のオーストラリアより若干多いくらいという。
利便性の面では、バーなどでグラスワインやカクテルのベースとしての利用も増えているほか、カンタス航空やマレーシア航空などで機内用に積み込まれている。余ったり、破損した場合のロスが減る利点がある。
肝心の味は--。社内で試飲をした結果、「缶のにおいがしそう」という予想を裏切って「本格ワインを手軽に楽しめる」と好評。「出張などで列車に持ち込んでも恥ずかしくない」という好意的な声もあった。一方、「250ミリリットルでは価格が高い」「ワインを缶から直接飲むのは…」という意見も。ハーフボトル、フルボトルが飲める酒豪には、コストパフォーマンスが悪いかもしれない。人気はロゼとのことだったが、私の好みは赤。甘めだが、飲みやすい。ワイン好きの意見は果たして?!
2007年12月7日
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