避けられないハードディスクの寿命
先日、自宅で使用しているパソコンのパーツであるハードディスクと電源を交換した。きっかけは、ある日パソコンを起動させたところ、Windows XPのロゴマークが出る前の黒い画面にこんな表示が出たからだ。 Primary Master Hard Disk S.M.A.R.T. Status Bad. WARNING : Immediate back−up your data and replace your hard disk drive. A failure may be imminent. 日本語にすると、以下のようになる。 主要ハードディスクドライブの状態が不良。 警告:すぐにデータをバックアップし、ハードディスクを交換しなさい。 故障発生が差し迫っています。 交換することは決めたのだが、ここで表示されていたS.M.A.R.T.という略語を念のために調べてみた。正式名称は"Self−Monitoring, Analysis and Reporting Technology"(自己診断・解析・報告する技術)であった。多くのマザーボードに搭載されいる機能であり、使用するかしないかは、BIOSの設定で調整できる(設定は自己責任でお願いします)。 診断の具体的な方法としては、ハードディスクの回転速度、読み込みエラー、処理能力、不良セクタ、総通電時間、On/Offの回数、温度などから、必然的にやって来るハードディスクの交換時期を事前に予測する。この機能は完全ではないものの、ハードディスクの交換時期の目安になる。 パソコンパーツの処分にあたって そこでバックアップを取った上で、ハードディスクを交換した。ついでに使わなくなったCDドライブを外し、その空いたスペースにさらにハードディスクを増設した。さらに、以前から電力不足で多少不安定となっていた電源も300Wから460Wへと交換した。他にも以前に交換したマザーボードなどがあったので、それらもまとめて処分しようと思い(写真参照)、適当な店をネットで調べてみた。 記者が処分したパーツの内容(撮影:有吉慶介) パソコンの引き取りサービスを行う店は、大量に検索に引っかかった。このサービスが市場に拡大した背景として、2003年10月の資源有効利用促進法の改正(俗称:パソコンリサイクル法)がある。これは、従来は使用済みパソコンを自治体が回収および処理をしていたのを、メーカーが回収することで再資源化させるもので、その費用を購入者が負担するというものだ。 早速、店員に持参したものを見てもらったところ、買い取れないが、無料で廃棄処分ということなら対応してくれると言われた。さらに、ハードディスクのデータ消去のみ1000円かかるとのことだった。店によっては一部のパーツを買い取ってもらえるところもあったのかも知れなかったが、処分に時間をかけたくなかったことと、この店なら信頼できそうだと個人的に判断したことから、その場で処分とデータ消去をお願いした。 PCリサイクルマーク 販売業者が倒産したり国内事業から撤退した場合や、自作パソコンの場合、経済産業省の関連団体であるパソコン3R推進センター(以下、PC3Rセンターと呼ぶ)へ、処分を有料で依頼することができる。ただし、その料金は製造メーカーへ直接引き渡す場合よりも少し割高となる(表1)。これは、パーツごとにどのメーカーのものなのかを確認するのに手間を要するためだ。 いずれにしても,2003年10月以前に購入した場合、数千円の出費を避けるために,業者の無料廃棄サービスを利用する人もいると考えられる。 パソコンパーツやサーバーPCなどは、パソコンリサイクル法の対象外となる。この場合、PC3Rセンターでも取り扱われないため、中古販売店や廃棄サービス店で処分する以外には、地方自治体ごとに定めるごみ収集扱いとなる。しかし、自治体によっては、一切のパソコンを収集停止としているところもあるという。 そこで後編では、今回の件を通じて自分が実感したパソコンリサイクル法にまつわる問題について述べることにする。 (後編につづく)
総合29点(計16人)
※評価結果は定期的に反映されます。
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