全身やけど、搬送に1時間 宮城・蔵王で住宅全焼
6日午後10時15分ごろ、宮城県蔵王町平沢、無職山家タマコさん(88)方から出火、木造平屋の住宅約35平方メートルが全焼した。山家さんは全身やけどの重傷で、仙台市立病院に搬送された。救急車は四つの病院に計5回受け入れを断られ、現場到着から出発までに約30分、病院収容までに結局、約1時間かかった。
仙南地域広域行政事務組合消防本部(宮城県大河原町)によると、救急車は大河原消防署から出動し、午後10時50分に現場に到着。山家さんは意識はあったが、特に腰から下のやけどがひどく、高度な治療が必要だったという。
消防本部は公立刈田総合病院(白石市)、東北大病院(仙台市)などに受け入れを要請したが、他に救急患者がいたり、体制の整った病院を勧められるなどの理由で断られ、最終的には仙台市立病院が2度目の要請を受け入れた。
東北大病院は「2、3回の手術が必要な重症の熱傷患者が2人入院中で、新たな患者を治療する余裕がなかった。ただ、他病院の受け入れが難しい場合は引き受けるつもりだった」(救急部)と説明している。
消防本部は「全身やけどは処置が難しく、高度治療が必要だったために起きた極めてまれなケース。いわゆるたらい回しとは考えていない」と話している。
白石署の調べでは、山家さんは一人暮らし。炭こたつと石油ストーブがある茶の間付近の燃え方が激しく、同署が原因を調べている。