約1400人の消防関係者が参加し、今年の火災や災害防止を誓った佐世保市の消防出初め式。恒例の一斉放水は渇水に配慮して中止された

約1400人の消防関係者が参加し、今年の火災や災害防止を誓った佐世保市の消防出初め式。恒例の一斉放水は渇水に配慮して中止された

 佐世保市で6日行われた市消防出初め式で、恒例の一斉放水が中止された。昨年から続く深刻な水不足に配慮したもので、出初め式での一斉放水中止は大渇水に見舞われた1995年以来で、2回目。

 出初め式では例年、市中心部の佐世保川沿いで消防車約20台が一斉放水している。放水は川の水を取水して行っているが、同川の水は塩分を含んでおり、洗浄用に約50トンの上水が必要となるため、今年は中止を決めた。

 市消防局によると、火災1件当たり、消火栓の水約100トンを使うといい、防火は節水にも直結するかたち。この日の式典でも、丸山英生消防局長が「昨年は渇水対策のため、市民に火災予防に協力いただいた」などと述べ、より一層の防火意識向上を訴えた。

 ただ、渇水が深刻化し始めた昨年11月以降、同局は広報車による宣伝や町内放送などで火災予防の呼び掛けを強めているが、同月以降2カ月間の火災発生件数は34件と、前年同期を12件上回っている。

=2008/01/07付 西日本新聞朝刊=