Print this Post Article Lists Back

チーズ価格急騰で韓国のピザ店が悲鳴(上)

ソウル市広津区のあるピザ店。店主が高騰を予想して買いだめしたチーズが冷蔵庫に積まれている。店主は「チーズが値上がりしすぎて、開店10日で閉店ですよ」と顔を曇らせた。/写真=リュ・ジョン記者

 巨大市場中国で、チーズ、牛乳など乳製品の消費が急増し、チーズの国際価格が急騰している。このため、韓国ではコスト高に耐え切れずに廃業するピザ店が続出し、一部の店舗は客足が遠のくのを承知で値上げに踏み切っている。

 チーズ卸業者のアセルフードによると、チーズの納品価格は、今年4月に1キロ当たり5500ウォン(約650円)だったが、半年後の10月には同8000ウォン(約950円)まで40%も上昇した。ソウル牛乳のチーズ第1支店長のチョン・ハミンさん(43)は、「中国のチーズ、牛乳輸入量が前年比で50%も増え、中国が『チーズのブラックホール』になっている。その上、オーストラリアの干ばつでチーズ生産量が減り、韓国の業界では必要量の確保が困難な状況だ」と話した。

◆町内のピザ屋さん廃業 

 中国発のチーズ急騰が、韓国で至るところに見られる町内のピザ店を直撃している。

 先月29日、ソウル市広津区のあるピザ店を訪れた。冷蔵庫には合計で100キロものチーズが積まれていた。主人のイ・ジョンシクさん(24)=仮名=が買いだめしたものだ。店主は「チーズのせいで大変だ。年初に10キロで6万ウォン(約7200円)だったものが、今は8万ウォン(約9500円)。12月を過ぎれば10万ウォン(約1万1900円)まで値上がりするかもしれない」と話す。

 しかし、せっかく買いだめしたチーズも使い道がなくなった。コスト上昇に耐えかねて、今月初めに閉店することを決めたからだ。

 ソウル近郊の京畿道安養市東安区には、ピザ店が40店あったが、今年に入り10店が廃業した。また、10店余りが価格を1000-2000ウォン(約120-240円)値上げした。同区でピザ店を営むパク・ビョンヒョンさん(34)は「開業7年目になるうちの店でも物価上昇で利益が20%減った。新規開店組はなじみの客が付かずに廃業するケースが増えている」と語った。

 高級住宅地のソウル市瑞草区方背4洞にあるピザ店は10月に廃業したが、設備類が売却できず、テナント料だけを払い続けている。パク・チョルホさん(28)=仮名=は「チーズだけでなく小麦粉も上がり、人件費も稼げない状態が数カ月続いた」と話した。

リュ・ジョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
このページのトップに戻る