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次世代アメダスが運用開始 瞬間風速、気温は10秒ごと
新たに最大瞬間風速が観測できるようになった気象庁の「次世代地域気象観測システム(アメダス)」が7日までに一部運用を開始した。台風などによる暴風被害の軽減策強化が期待できるほか、気温も従来の10分間隔から10秒ごとに観測、きめ細かく温度を把握できるので、平成19年夏のような猛暑では熱中症対策にも生かせそうだ。
アメダスは、昭和49年に運用を開始した無人の自動観測装置。今回のように、観測手法を高度化するなどした本格的な改良は初めてという。
風速風向、気温、降水量、日照時間の4要素を自動計測している全国685カ所のアメダス観測所で順次、機器を次世代型に更新または改良。今後2年程度で全国の整備を終える見通しだ。
平成20年3月には、観測データが同庁ホームページで閲覧できるようになる。
アメダスによる風の観測はこれまで10分平均の風速だけで、最大瞬間風速と10秒ごとの気温は、全国154カ所の気象台や測候所など有人観測地点だけで計測していた。しかし16年に10個の台風が上陸するなど近年、強風による被害が増えており、より広範囲での最大瞬間風速把握の重要性が指摘されていた。
次世代アメダス導入により、暴風警報や強風注意報などの精度向上が期待できるという。
また気象庁は、突風や雷、集中豪雨が発生する危険性の高い地域を新型の「ドップラーレーダー」を使って、1時間先まで10分刻みで予測する「突風等短時間予測情報」の提供を22年度にも始める。次世代アメダスで蓄積した最大瞬間風速のデータも、突風の発生メカニズム解明に生かす方針だ。
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■アメダス 「地域気象観測システム」を示す英語「AUTOMATED METEOROLOGICAL DATA ACQUISITION SYSTEM」の頭文字を並べた略称。気象台や測候所など有人観測地点のすき間を埋めるため、昭和49年11月から運用が始まった。全国にある無人自動気象観測装置のデータをいったん気象庁に集めて、各気象台に配信する。アメダス観測所は全国約1300カ所にあり、降水量だけを観測している地点や、積雪も観測している場所もある。観測点は17キロ四方当たり1カ所で、世界でも有数の高密度。