2007年12月29日(土)
市立甲府病院の精神科、2月から休診 医師が退職、後任を確保できず
市立甲府病院は、来年二月から精神科を休診することを決めた。専門医が退職して後任の医師を確保できないためで、診療科を閉鎖するのは開業以来初めて。同病院は「医師確保に努めて早期再開を目指す」考えだが、見通しは立っていない。県内では精神科の患者が増加する一方、専門医が減っていて、同病院の休診は医師不足が深刻化していることを浮き彫りにした。
同病院によると、精神科は四月から非常勤医師が一人減り、二人で週一回の外来診療を担当。しかし、九月に「患者が多くて負担が大きい」という医師の申し出を受け、初診外来の受け付けを停止した。
再診患者のみ診療に当たっていたが、医師二人が一月末で退職することになり、休診を決めた。現在、通院している患者は、近隣の医療機関を受診するよう説明している。
精神科の外来患者は一カ月平均(二○○六年度実績)延べ三百七人。初診外来を取りやめた九月以降も一日五十人以上が通院していた。同病院は「患者さんに迷惑を掛けて申し訳ない。後任医師の確保に最善を尽くしたい」(病院事務局)としている。
県によると、精神科の病院に通院する患者(公費負担を受けている人)は○六年度末が六千五十六人で、○二年度末(四千八百三十八人)の一・三倍に増加。一方、○六年十二月末時点の精神科医は八十六人で、○二年十二月末時点に比べて十七人(16・5%)減少した。
県立中央病院では五月、入院患者や他病院からの紹介患者のケアを優先するため、精神科の初診外来受け付けを停止した。
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