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冬の快適入浴術 浴室暖めて シャワーでお湯張り有効 (1/3ページ)
冷えた体をしんから温めるには、なんといっても入浴だろう。でも、冷え切った浴室に震えながら入るのは誰しも気の進まないもの。寒い浴室を快適な空間に変えるには少しの工夫が必要だ。冬場は湯温もついつい高くしてしまいがちだが、あまり好ましいことではないという。冬場の入浴の注意点をまとめてみた。(海老沢類)
≪温度のバリアフリー≫
浴室は暖房の効いた部屋に比べて当然ながら冷え込んでいる。とくに一戸建ての浴室は、家の北側に設置されていることが多く、“一番風呂”の人には寒さが厳しい。
この寒さは、高齢者や高血圧の人にとっては、ときに命の危険にもつながる。周囲の温度変化が原因で、血圧が急激に上下したり脈拍が速くなったりする「ヒートショック」によって、脳梗塞(こうそく)などを起こしかねないからだ。
東京ガス都市生活研究所の興梠(こおろき)真紀・主任研究員は、「浴室の温度が低いほど血圧の変化が激しくなり、体への負担が大きくなります。寒い冬は浴室とほかの部屋の温度差を少なくする工夫が必要。冬場の入浴のキーワードは“温度のバリアフリー”です」と指摘する。
具体的にはどうしたらいいのだろう。興梠さんは、浴室暖房機を設置していない家庭では、シャワーを使った給湯が効果的だという。高い位置にシャワーヘッドを固定し、浴槽に向けて湯を注ぎ続ける。東京ガスの実験では、蒸気で空気が暖められ、浴室内の温度が10分間で10度ほど上昇したという。同じ原理で浴槽のふたを開けたまま湯を張るのも有効という。