きょうは七草だ。春の七草はセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(大根)。
このうち自宅の冷蔵庫にあるのは大根だけ。残りの草々を近くの田んぼに採りにいくのがよいが、その風流心はない。結局、スーパーに行って七草セットを購入、一足早く一昨日かゆにして食べた。
運動不足で飲み過ぎ食べ過ぎになった正月の胃腸の疲れをとるにはもってこいだった。何とあっさりとし、おいしかったことか。“ちょいメタ”の腹部をさすりながら満足、そして今年四月に大きく変わる健康診断のことを思った。
国は四十―七十四歳を対象に特定健康診査を行う。腹囲(へそ周り)が男性なら八五センチ、女性九〇センチ以上で、しかも高血圧、高血糖、高脂血症の二つ以上に該当するメタボリック症候群の人とその一歩手前の予備群を見つけ、食事や運動などを改善するよう指導するという。
メタボ族は糖尿病などの生活習慣病だけでなく脳卒中、心筋梗塞(こうそく)など命にかかわる病気になる危険性が高いとされている。国を挙げての健診の目的は医療費を抑えることにあるようだ。
国の押しつけは困るが、自主的に脱メタボを図るのは大事だろう。栄養の取り過ぎを防ぐため年一度の七草がゆを月一回に増やすのもよい、はしを持つ手を止めそう思った。「七草に更に嫁菜を加へけり」(虚子)。