2008年01月07日 更新

ゴジラ冷や汗…地元ファンから厳しいゲキ「定位置を奪って」

恒例の「市民との集い」に参加した松井秀。ゲームで盛り上がっても、ファンの声には冷や汗ものだったようで…!?=撮影・斎藤浩一

恒例の「市民との集い」に参加した松井秀。ゲームで盛り上がっても、ファンの声には冷や汗ものだったようで…!?=撮影・斎藤浩一

 ヤンキースの松井秀喜外野手(33)が6日、石川・能美市の根上総合文化会館で開かれた「新春市民の集い」に出席した。会場は例年に比べて空席が目立ち、質問コーナーでは「レギュラーを獲って」など切実なお願いが殺到。故郷とは思えないビジターのような雰囲気が漂った。2年続けて故障するなど不本意なシーズンが続き、地元のファンもストレスがたまっている様子だ。

 スーツに身を包んだ松井秀が会場に現れると、拍手と歓声が沸き起こった。徹夜組が出たことや熱烈歓迎ぶりは、13回目を迎えた今年も変わりがなかった。だが、メーン会場を一歩出ると、いつもとは違う光景が…。

 約700人収容の会場に入れなかった観客のために毎年、館内の円形ホールにサブ会場が用意される。今年も大型スクリーンと約500席のいすが並べられていたが、集いの始まった午後1時過ぎに埋まっていたのは約50席。例年は半分以上が埋まるのだが、今年は最後まで閑散としていた。会場だけでなく、観客の反応にも異変があった。

 「まず松井選手にお願いがあります。デーモン選手から定位置を奪ってください」

 質問コーナーで司会者から指名された小学生から飛んできたのは、質問ではなくレギュラー獲りの切実なお願い。神妙な顔つきで「頑張ります」と答えると、今度は別の男児が「外野からいい返球をするのにはどうしたらいいですか?」。さすがのゴジラも「それはイチローさんの方が…」と歯切れが悪かった。

 「トレードの話もあったが、ヤンキースにいて」という男性からの懇願には「トレードといわれたらそれまでですが、そう(残留)なるように頑張ります」。例年なら結婚について盛り上がる名物の質問コーナーが、ざんげ大会の雰囲気になってしまった。

 「昨年は思うようにプレーできず、残念な思いをさせてしまいました。今年は厳しいスタートになるかもしれない。危機感を持って臨みたいと思います」

 どこよりも温かいはずの地元の空気の変化は、ステージに立った松井秀がだれよりも敏感に感じた。発奮材料にならないはずがない。

★ゴジラ手術後初素振り披露、本格的始動は今月中旬以降

 司会者から「詰めかけた野球少年たちに手本を見せて」と懇願された松井秀が、バットを持って素振りを披露した。「(昨年11月の)手術以来、初めて振りますよ」と右ひざを気づかいながらゆっくりとスイングして振り初め。本格的な打撃練習の開始は、早くても今月中旬以降となりそうだ。

★ヤンキース・広岡広報が自主トレ視察へ渡台

 ヤンキースの広報兼環太平洋担当の広岡勲氏(41)が6日、王建民投手(27)の自主トレ視察などを目的に成田空港発の中華航空機で渡台した。