アニメ、マンガ、ゲームなど“マニアの聖地”として名高い東京・秋葉原。実は「おでん缶」「ラーメン缶」などさまざまな「食品缶」が人気だ。そんな秋葉原に美少女のイラスト付きの「パン缶」が登場したが、わずか2週間で数千個を完売。現在は“幻の缶”として、ネットオークションでは定価の数倍で取り引きされている。大人気のパン缶を追った。
今回のパン缶は、10月からTBS系で放送されているアニメ「クラナド」の中で、ヒロイン・古河渚の実家がパン屋をやっているという設定から生まれた企画。製造元の「パン・アキモト」(栃木県那須塩原市)が阪神大震災をきっかけに96年に保存食として開発したもので、チョコ、いちご、抹茶、バター、レーズン、ブルーベリー、ミルクの7種類があり、それぞれヒロインの描き下ろしイラストのラベル付きで1個350円。JR秋葉原駅の総武線下り(千葉方面)ホームの自動販売機のみで10月1~31日の期間限定販売された。
ところが、10月1日の販売開始と同時に、自動販売機の前には長蛇の列ができ、またたく間に売り切れ。補充を待つ熱心なファンも現れた。あまりの人気ぶりに急きょそばのキヨスクでも販売を実施、1カ月分として用意された数千個のパン缶は、わずか2週間で完売した。その後も、パン・アキモトにも、パン缶を求めてファンが訪れ、ネットオークションでは、定価の数倍で取り引きされるほどの人気が続いているという。
企画したポニーキャニオンは「ある程度の人気は予想していたが、2週間で売り切れるほどだとは思わなかった」としながらも、あくまでも番組宣伝のための企画だったとして、再販は行わないとしており、アキバにまた“伝説”が誕生したようだ。【立山夏行】
2007年11月17日