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『女性の品格』が売れたわけ / 2007年12月28日(金)
今日は朝から雨・・・びちゃびちゃ
ブルーな気分

昨日が仕事納めで、今日からお正月休みに入っているウィメンズブックストアに、雨の中でかけました。

大掃除でピカピカにした机に一人で座っても・・・サミシイ!!

ドーンセンターの部屋を使っている人たちは誰もいないので、がらんとしていて、寒い・・・サミシイ

年末休みなのに、まるで、ワーカホリック・・・とつぶやきながら、一人でお仕事・・・むちゃ、寂しい!!

昨夜のことを思いだしました。

夫が、こともあろうに、『女性の品格』を買って帰ってきたのです。
仕事場の近くの本屋で、「ベストセラー2007No1」と出ていたので、思わず買ってしまったのだとか!!

ったく、ったく、ウィメンズブックストアでも売ってるんだからぁ・・ブツブツブツ

それにしても、『女性の品格』(坂東眞理子 PHP新書)がなぜ、100万部以上も出るのか、今まで私にはさっぱり理解できませんでした。

この本、一般書店のベストセラーとは全く違う動きを見せる「ウィメンズブックストア TOP5」にも、顔を出していたのですが、信じられない感じでして・・・



元男女共同参画局長の肩書きにつられて、何冊か仕入れていたのですが、足りなくて、’仕入れミス’状態に陥っておりました。


そのなぞの一つは、解明できましたね。
「ベストセラー」という宣伝文句につられて購入する夫のような人が、たくさんいるからです。


そして、もうちょっと違う、本格的な(?)理由については、3日ほど前に入荷した、「女も男もー自立・平等 No.110」の特集「『品格』ブームって何?」を読んで、一応、納得しました。




巻頭論文「『品格』ブームを支える丸裸の女性たち」(朝日新聞の竹信三恵子さん執筆)によると、『女性の品格』がよく売れたのは、「会社から「有用」と認めてもらうしか仕事を得る道はないという言説」のもと、「(この本が)支えなしで大量に職場に投げ込まれつつある女性たちの’ニーズ’に合致したから」なのだそうです。

グローバリズムのもとの、大競争状態がもたらしたものなのですね。

「今の職場で、なんとかならなくっちゃ」

そんな心理が、官庁という立派な職場で、局長にまで上り詰めた坂東さんのいう「ノウハウ」を学ぼうとする姿勢になっているのだとか。

確かに、職員研修で、この本をテキストにしたという話もききますし。

「礼状をこまめに書く」とか「乱暴な言葉を使わない」とか、改めて言われると、「そりゃあ、そうだなぁ」と思っている私がいたりします。

しかし・・・と、竹信三恵子さんは言います。

「自分の属している企業の悪口を言うことは、自分自身の悪口を言っているのと同じ」
「育児休業などの権利を行使するときには・・・おかげさまで、という感謝の言葉を忘れないように」
というような助言は、
「会社が不当なことをしても我慢すべきだ」
「権利を当然のように行使するのはわがままだ」
という抑圧として働きかねない。

そして・・

こういった、「従順さ」のススメは、「権利の行使へのいましめ」ともとれるわけである。

「男性たちによる会社中心主義への批判」を、既成の職場に適応しようという「品格」の力で乗り切ろうとするのは、ムリではないか。

「女性が権利を権利として行使できてこその「品格」である」・・・これが、竹信さんの結論です。

また、同じ特集で、非正規労働者のワーキングプア状況を分析しつつ、弁護士の中野麻美さんはこうも言います。

『・・・品格』は「私生活にゆとりをもつ」「けちらず自己投資を」とすすめるけれど、ワーキングプア状態の女性たちに「ゆとり」を持つ余裕はあるのだろうか・・と。

他、雨宮処凛さん、信田さよ子さん、石坂わたるさんたちが、書いていますから、是非、「女も男も No110」をお読みください。

どの文章も、読み応えありますよ。

今日の雨のように、びちゃびちゃした、ブルーな感じがする昨今の日本。

しっかり生きていこうと思っている若い人であればあるほど、閉塞感にさいなまれているように、感じられて仕方ありません。

そんなとき、よりどころになるのは、「品格」だとか「伝統」なのでしょうか。

違うよなぁ・・・と、私も思います。

私は、坂東さんが「男女共同参画局長」だったことに、こだわってしまいます。

今までの男女共同参画の政策は、本当に苦しい人に届いているのだろうか、丸裸のままの女性たちを大競争の中に放り投げる役割しか果たしていないのではないか。

坂東さんは「組織人間、会社人間として、金や権力の魔力から抜け出せない従来の男性たちと異なる新しい、より女性らしい価値観を身につけよう」とも言っています。

でも、「しっかり生きていく」という若者の思いを支えることができる社会でない限り、「品格のすすめ」は、あまりに親切すぎて、息苦しくて、従順にすぎる、と、私は思います。

来年は、もっと別の本がベストセラーになってほしい・・・・

今年最後のブログのはずなのですが・・・あまり、元気が出るテーマではなかった・・・やや、反省

いずれにせよ、今年も大変お世話になりました。

よいお年をお迎えください。



Posted at 23:04 / ショップ便り / この記事のURL
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http://yaplog.jp/womensbooks/archive/77
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コメント

ベストセラ−は、人間心理の弱き部分です。
我慢して我慢していての衝動買いが、ついベストセラ−購入に結び付きますね。まあそれだけ本に対する魅力あるということでもあります。

本の内容も大切ですが、タイトルや装丁や編集など外部要因がかなり大きな部分を占めます。書籍出版関係者の腕の見せどころです。
Posted by:宇梵合 at 2008年01月06日(日) 01:51




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