報道陣の前で浦和移籍への思いを話す大分MF梅崎

報道陣の前で浦和移籍への思いを話す大分MF梅崎

 打倒、MVP男だ! J1大分トリニータのMF梅崎司(20)が26日、浦和に移籍することが決定した。同日、大分市内で会見した梅崎は、トップ下のポジションが重なる今季リーグ最優秀選手のMFロブソン・ポンテ(31)に対し「負けるつもりはない」と宣戦布告した。浦和が規定通り約2億円の移籍金を大分に支払う完全移籍となる。(金額は推定)

 ハードルは高ければ高いほどやりがいがある。梅崎の前に立ちはだかるのはリーグ屈指の司令塔、MFポンテだ。「(ユースから在籍した)大分には感謝の気持ちでいっぱい。その恩返しとしても負けるつもりはない」。持ち前の負けん気をむき出しにした。

 「浦和はアジアナンバーワンのチーム。練習から(多くの)日本代表選手とやれるし、レベルアップができる」。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)を制し、クラブワールドカップ(W杯)で堂々3位に輝いた浦和。最高の環境に身を置ける。梅崎が移籍に踏み切った最大の理由だ。

 中でも、ポンテはリーグ戦で7ゴールを挙げ、16アシストはリーグ最多。絶妙のタイミングでの前線への飛び出しやシュート、パスの精度。どれをとっても一級品で、梅崎には最強のライバルであり、これ以上ない教材だ。

 ポンテはリーグ最終節(横浜FC戦)で右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂の重傷。来年3月の開幕戦出場は絶望的で、梅崎が浦和に溶け込めばレギュラー奪取も可能だ。「厳しい戦いだがポジションを勝ち取りたい」。ポンテとの激烈なサバイバルゲームに打ち勝って「赤い悪魔」の仲間入りを果たす。 (山上武雄)


=2007/12/27付 西日本スポーツ=