【G大阪‐大分】後半、ドリブルで攻め込む大分の梅崎(右)(撮影 北村彰)

【G大阪‐大分】後半、ドリブルで攻め込む大分の梅崎(右)(撮影 北村彰)

 梅崎が大分に別れを告げた-。J1大分トリニータは8日、千葉市のフクダ電子アリーナで天皇杯5回戦に臨み、J1ガンバ大阪に1-3で敗れた。浦和レッズへの移籍が確実となっているMF梅崎司(20)にとって、これが大分での最終ゲーム。試合後はサポーターの声援に心を震わせた。また、これも移籍が確実なDF福元洋平(20)は試合後、ガンバ大阪、横浜マリノスと入団交渉を行うことを明らかにした。

 サポーターのコールに胸を熱くした。「ありがとうという感謝の気持ちでいっぱい」。MF梅崎は自分のサッカーを育ててくれた、大分への惜別の思いを口にした。

 恩返しのチャンスは後半に訪れた。開始早々、FW高松の25メートル弾で1-1の同点。そして同6分、左サイドをえぐった高松からの折り返しをゴール前、フリーで受けたが、力が入ったのかバーをたたくミスキック。2分後の同様のシーンでは、ミートせずにGKにセーブされた。2度も“惜別弾”を逃したことに「決めておけば流れが変わったのに残念です」。同32分に途中交代した後、ピッチ脇の給水ボトルをけり上げ、悔しさをあらわにする場面もあった。

 獲得に興味を示す浦和との交渉については「代理人とクラブに任せてある」と明言を避けた。だが、思いはラストゲーム。「他の選手もいなくなるかもしれないから、(天皇杯は)1つでも上に行きたい気持ちはあった」と相当の覚悟で臨んだことを打ち明けた。

 「初めて海外(グルノーブル)に行かせてもらい、良い結果とはいえず戻ってきたが、温かく迎え入れてくれた。ワールドユース(U-20W杯)や五輪代表では少しは貢献できたと思う。浮き沈みはあったが、落ち着いてプレーできるようになった」と波乱の1年を振り返った梅崎。「前へ、ゴールに向かって行くのが僕の魅力」との言葉同様、成長の場を求めて大分を巣立つときが近づいている。 (堀川敏毅)


=2007/12/09付 西日本スポーツ=