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SPORTS&HEALTH

アルコール・ハラスメント

2006年04月04日

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「飲めない族研究会」の会員証は、営業の場などでもやんわりと酒を断りながら、話のきっかけにできそうだ

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楽しいはずのお花見も、酒が苦手な人には苦痛の場となりかねない

 お花見や歓迎会と宴会の多い季節がやって来た。新入社員やサークルの後輩らに、酒を無理に勧めたり、イッキ飲みを強要したりする上司や先輩に苦労させられた人もいるのでは? そんな「アルコール・ハラスメント(アルハラ)」に対抗しようと地道な活動を続けているのが、「飲めない族研究会」関西支部だ。

 神戸市兵庫区の自宅を事務局にしている代表の今井武人さん(72)。かつて大手港湾荷役会社に勤め、主に営業畑を歩んできた。仕事に欠かせなかったのが接待。戦争の記憶がまだ新しい高度成長時代だ。軍隊から帰ってきた上司やお得意さんは、ここぞとばかりによく飲んだ。
 「酒を飲めない人とは話せない」「飲まないやつは誘いにくい」。下戸にはそんな冷たい言葉が、当たり前のように浴びせられた。「汗っかきでして」などと言いながら手にタオルを持ってお酌にまわり、飲むふりをしながら、タオルに酒を含ませた苦い思い出が、今も鮮明によみがえる。

 そんな今井さんの運命を変えたのが、87年に出版された「飲めない族」という本との出会いだ。アルコールに弱いのは遺伝的な体質で、「鍛えれば強くなる」というものではないことを知った。さらに、酒に弱くても社会で大成した人物も多くいるという事実に勇気づけられた。著者で元日本銀行員の吉田堅氏が代表を務める「飲めない族研究会」に、さっそく入会した。
 「イッキ!イッキ!」が85年の流行語大賞に選ばれたことに象徴されるように、会が発足したころはまだ「アルハラ」の認識が社会に浸透していなかった。
 同会は、宴会の席でやんわりと酒を断るのに役立つ「会員証」や、酒にまつわるエッセーなどが盛り込まれた会報の発行のほか、「アルハラ」防止のPR活動にも取り組んでいる。市民団体の「アルコール薬物問題全国市民協会」と協力して、酒害に理解のないコマーシャルを中止させるなど、同会は社会的な影響力も発揮した。
 会員数は着実に増え、93年には関西支部も発足した。吉田氏の体調不良により97年、全国組織としての会は活動休止となったが、関西支部は健在だ。年2回の懇親会や、小旅行、ゴルフ、グルメなどのサークル活動をしている。

 最近では「アルハラ」への意識も高まり、イッキ飲みによる事故も少なくなった。それでも、神戸市消防局によると、同管内では昨年1年間で約500人が急性アルコール中毒で搬送されたという。4月は年末年始に次いで多い季節だ。管内28台の救急車は常にフル稼働の状態で、担当者は「防げる事故は防いでほしい」と訴える。
 今井さんは、「昔に比べてましになったとはいえ、酒を無理強いする風潮はまだ残っている。『飲めない体質がある』ということをもっと理解してもらうために、まだまだ活動を続けたい」と話す。

  
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