2008年01月05日

危機意識

 週末の米国市場は、注目の12月米雇用統計が市場予想を下回る低水準となったことから、景気後退に対する懸念が一気に高まり、3指数ともに大幅に下落しました。
(米国市場レビュー)
 米労働省発表の12月米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比1万8000人増で、2003年8月(前月比4万2000人減)に次ぐ低水準。予想中心(前月比7万人増)も下回りました。また、失業率も4.7%から5.0%に上昇しました。
 ブッシュ米大統領は、米国の金融市場について、「力強く、安定している」と述べ、米国経済がマクロ面で堅調を続けていることをアピールしました。
 雇用統計の悪化を受けて、米投資銀行ゴールドマン・サックス、米金融大手JPモルガン・チェースは、それぞれ1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50bpの利下げが実施されるとの見通しを示しました。
 ゴールドマン・サックスは1月以降、3回にわけて25bpずつ利下げし、今年半ばに政策金利が3.0%にまで引き下げられると予想。JPモルガン・チェースは3月に25bpの追加利下げがあるとの見通しを示しています。
 こうした見通しとは裏腹に、昨日の米国市場は売り一色となり、崩壊モードに突入しつつあります。昨日の日経平均はいきなり昨年の安値を更新してしまいましたが、米国市場は、上昇トレンドは維持しているものの、かなりきわどい情勢になりつつあります。
 今月中旬以降本格化する、米国企業の第4・四半期決算発表では、主要企業群は軒並み減益となることが予想され、2008年の業績見通しが弱気に傾けば、景気後退や企業業績の後退を織り込んだ相場展開となることは必至です。また、2月末に到来するヘッジ・ファンドの解約期限がどう影響するか、注視が必要です。
 米供給管理協会(ISM)発表の12月非製造業部門景気指数は、53.9で前月より0.2ポイント低下。“チャイナ・ショック”による世界同時株安直後の昨年3月(52.4)以来の低水準となりました。予想中心(53.5)は上回っています。
(週明けの見通し)
 シカゴ日経先物終値は14505円で、週末の大証終値(14660円)を下回りました。来週はオプションSQが予定されていますが、週末にかけてどう値が動くか皆目検討がつかない状況になっています。
 昨日終値ベースの日経平均予想EPSは900円。昨年は一時950円台に乗せ、史上最高水準に達しましたが、年末にかけて業績下方修正が相次ぎ、下落に転じています。
 それでも昨年年初時点のPER19〜20倍水準に照らすと、17000〜17500円にあってもおかしくはないレベルで、いかに相場が憶病になっているかがわかります。
 割安感はあるのですが、シカゴ終値にさや寄せした場合は、三空を形成する形となります。ここからさらに下値を探るのか、それともさすがに自律反発となるのか、様々なシナリオが考えられます。こうなると2006年6月につけた安値の14060円も視野に入ります。
 円高が進行し、雇用統計発表を前にクリスマス休暇前まで買い支えられた米国市場に不透明感が強いこともあって、昨日は直近安値を底割れしてしまいましたが、はっきり言って、ここまで売り進まれる事情はないはずです。
 いよいよ世界の投資家が日本を見放したと考えるべきでしょう。
(その他マーケット)
 為替は昨晩の米雇用統計発表直後に切れ込むようにドルが急落。一時1ドル=107円台に突入しました。直近では108円台後半まで戻しています。対ユーロでもドルが売られ、再び昨年11月下旬に記録した、最安値水準まで売り込まれています。
 一方、円・ユーロは昨年末にユーロ高に振れましたが、現在は円が値を戻しつつあります。
 米国10年債は、株式市場から資金が急速にシフトして価格が上昇。利回りは、3.8%台に突入し、前週末の4.0%台から大幅に低下しました。
■投資ブームは終焉へ■
 ライブドアに象徴されるように、2005年以降、新興企業株を中心に続いてきた投資ブームは今年中に終焉を迎えると思います(すでに終わっているという説もありますが)。
 皆さん十分ご理解されていると思いますが、日本市場を動かしているのは日本人ではありません。日本株の投資主体は現在おおむね6割が外国人で、海外からの資金流入が細れば途端に日本市場は下落し、時価総額が急激に低下します。
 昨年8月以降の下落は、かなり異常な動きです。1990年代のバブル崩壊後の暴落とかなり様相が変わっていることに注意したいところです。
 最近の日経平均先物の攻防を見ていて、ほとほと嫌になりましたが、誰がどう見ても底を打ってそれなりのレベルまで上昇してもおかしくないのに腰折れし、それどころか底割れしてしまいました。
 資金が流出し、市場の活力が低下して、反発力が失われている様子がうかがわれます。いずれボラティリティも低下して、個人投資家がまともに参加できなくなる状況に陥るのは必至でしょう。
 また、日本人でも投資資金を持っているのは、団塊の世代を中心とする高齢者で、若い世代にパワーはありません。円の価値も低下しており、いずれ風前の灯火になるでしょう。
■投資で生き残れるか?■
 世界に余っている資金はおよそ6000兆円。米国が今後も輪転機でドルを刷り続け、中国、インドが吸い上げる。そして資源国が石油や希少金属を高く売りつければ、ますますカネ余りになります。これからは、わずかな利益をめぐって、世界の投資家の間で激しいバトルが繰り広げられることになるでしょう。
 何年やっても投資パフォーマンスが向上しない人、今から投資に乗りだそうと考えている人は、相当の覚悟がないと、投資で身を立てることは無理でしょう。
 逆にしっかりした知識と向上心や意欲があれば、かなり低いですが生き残る可能性はあると思います。ただし、いずれかの段階で日経平均先物に見切りをつけ、外国株や指数先物、FX、商品などでも必勝態勢を築くことが重要です。
 日経平均先物だけでは、専業の個人投資家として、長期的に安定して利益を上げることは、不可能であると考えた方がいいと思います。市場はそれぞれクセがあり、特有の動きを見せますが、ごく基本的な値動きの原理は同じです。テクニカルをしっかり押さえていれば、それほど難しいことでもないと思います。
 また、ほとんどの方は関心が薄いと思いますが、歴史や国際情勢など必要最低限の知識を身につけておくことも大切です。例えば、年末にパキスタンのブット元首相が暗殺されましたが、パキスタン情勢を瞬時に分析し、なぜそれを材料に株価が下がったのか、影響は長引くのか、計算できるくらいでないと、生き残りは難しいと思います。
 日経平均構成銘柄のうち、何が魅力的なのか、そうでないかを見分ける必要もあります。没落しつつある米国では、マイクロソフト、グーグル、アマゾンといった新興の世界的な巨大企業や、アップル、シスコシステムズ、IBM、インテルなどなど独創性があり、世界の枢要な部分を押さえている企業が健在で、当面その存在感は変わらないでしょう。
 一方、日本企業はどうでしょうか。魅力ある企業はそこそこありますが、四番打者が不在の状態です。トヨタ自動車、新日鉄、松下電器産業、ソニー、三菱商事、三菱UFJ・・・、20年前と主軸の顔ぶれはほとんど変わっていません。このままでこの国は大丈夫なのでしょうか。
 投資はインテリジェンスの世界です。つまり、知識、学識が問われる世界です。また、スパイ、諜報活動なども連想させます。日本の教育にどっぷりとつかり、何の疑問も持たずに生きてきた人にとっては、「勉強する」ことは難しいかもしれません。
■「勝ち組」「負け組」■
 現実の世界以上に投資の世界では、勝者と敗者がはっきり分かれ、その結果として生じる格差は非常に激しいものとなります。
 勝ち負けを分ける一つの分水嶺が「センス」と「意欲」の問題だと思います。弊ブログを開設して1年になりますが、皆さんからいろいろなご質問をお受けしました。
 基本的にはこの一年間で、デイトレードに必要な要素はすべてお話ししています。センスのいい方、意欲のある方からお受けする質問は非常にレベルが高く、回答するこちらの勉強不足や投資技術の未熟さを感じさせることも少なくありません。こうした方々は、おそらくすでに勝者であり、今後も勝ち続ける要素をお持ちだと思います。
 逆に「使っている証券会社はどこですか」「なぜスイングはしないのですか」「ロスカットはどうしていますか」などなど、非常に基礎的な質問をされる方がいます。
 これらの質問について否定はしません。ごく素朴な疑問から始まって、大きな問題意識につながる可能性もあるかもしれないからです。
 ただ、冷静に考えてみましょう。どこの証券会社を使っているから投資技術が上昇するわけでもありません。スイングをしない理由はこれまでくどいほど説明しています。ロスカットをあまりしないのはあくまでも投資技術上の問題ですし、明らかに相場の流れを読み間違ったと思われる時には、躊躇なくロスカットを入れます。
 また、そんな些細な質問をするより、流れを読む工夫やどうしたら技術が向上するか、いかに10円でも多く取れるかを考えるべきだと思いますし、意欲がある方は、ブログをすべて読みこなし、投資の参考にされています。
 質問を一読しただけで前向きな人と、マイナス・オーラ満開の人がいます。その人の発する「気」も投資で生き残る上では大切な要素です。
 勝ち組になるにはそれなりの心構えや行動が必要です。また「運」のような生まれ持った資質も勝敗を大きく分けるでしょう。それがない場合は、容赦なくマイナス・オーラのスパイラルに取りつかれることは必至です。
■「不確実性」の世界で■
 もし関心があれば、元経済企画庁長官の堺屋太一さんの「平成三十年 何もしなかった日本」(朝日文庫)を一読してください。あくまでもフィクションですが、それなりの知識、学識、経験を持った方が警世のために書かれた著書であり、あながちあり得ないこととも思えません。
 また、最近刊行された元大蔵相財務官の榊原英資さんの「日本は没落する」(朝日新聞社)もお勧めです。
 私は今まで通りの日本がいつまでも続くとは思っていません。今後5年、10年、早ければ1〜2年で転落が始まると予想しています。
 もちろん日本のいい面は沢山あるとは思いますが、その果実は勝者がすべて持っていってしまうことになるでしょう。敗者には食べカスすら残らない事態も予想されます。
 そのために今何をすべきなのか、皆さん一人一人が真剣に考えるべきだろうと思います。そうすれば投資に対するスタンスや意欲ももっと変わってくると思われます。
 また、バブルの歴史をより深く学び、サブプライム問題とは何か、知るための手掛かりを得たい方は、慶応大の竹森俊平教授の「1997年 世界を変えた金融危機」(朝日新書)を是非お読みください。
 サブプライム問題を考える上で、過去の日本の教訓が、世界的にも貴重なはずなのですが、なぜか過去の危機を乗り越えたこの国から何も聞こえてこないのが不思議でなりません。
 日本政府首脳や日銀幹部は現在の問題と、過去、日本で起きたバブル崩壊、金融危機、デフレスパイラルをどう対比させ、今後どうなるとみているのか、世界に発信すべきだし、是非知りたいところですが、何も発信されていません。
 株式市場同様、日本という存在そのものが薄らぎつつある、一つの予兆のように感じられます。
■覚悟を■
 それでも投資の世界に身を置きたいと考えるならば、それなりの覚悟が必要です。失敗したらハローワーク行き、奴隷のような肉体労働や低賃金労働が待ち受けている位の危機意識が必要です。
 また、いつまでも弊ブログの更新が続くとも考えないでください。金融の世界だけでなく、この世の中、不確実性はつきものです。更新どころか、過去の記事まで消えてしまう可能性もあるので、投資について勉強されたい方は、早めにお読みになられた方がいいと思います。
 危機感を煽るような形になってしまいましたが、それだけ日本の置かれている状況が深刻であるということです。日経平均先物トレーダーなら、この年末年始の値動きを見て、「何かおかしい」と薄々感じているはずです。
 仮に取り越し苦労であっても、投資家である以上は、リスクマネージメントは常にしっかりしておきたいところです。

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2008年01月04日

大発会波乱の幕開け 1カ月ぶり14000円台 一時昨年安値を割り込む 1月4日の解説と展望

【概況】
 年末年始の米国市場は、11月米製造業新規受注が予想を上回る上昇だったことを受けて堅調に推移したが、今晩の12月米雇用統計発表を前に先行き不透明感が広がり、安定しなかった。ダウが小幅反発、ハイテク・セクターが軟調だったナスダックが小幅続落、S&P500が変わらずと、まちまちの動きだった。
 ニューヨーク原油先物は史上初めて1バレル=100ドルを突破し、金、非鉄金属、穀物も連れ高した。為替は急速に円高に振れ、一時1ドル=108円台をつけた後、109円台中盤までドルが戻して推移した。
 2008年相場のスタートとなる大発会の本日の日経平均先物は、昨年11月22日につけた2007年の安値(14660円)を更新。一時下げ幅は600円を超え、23営業日ぶりに15000円を割り、大幅続落の波乱の幕開けとなった。
 本日は前場のみの取引。特別売り気配から始まり、シカゴ日経先物(14900円)にさや寄せして寄り付いた。
 14800円台後半でしばらくもみ合ったが、午前9時10分過ぎに寄り付き直後のレンジ(14860円〜14900円)をブレイクし、均衡が崩れ始めた。
 14800円台中盤を挟んで下げ渋ったが、下落の流れは変えられず、午前9時20分前に15800円を割った。
 いったん15800円台中盤まで戻したが、上値は重く、底打ちできなかったことから、午前9時半を過ぎて再び売られて、15700円台前半まで下げた。
 いったん小康状態となったが、午前10時前に安値にからみ始め、IR(14730円〜14900円)下限ブレイクをうかがった。
 方向感がはっきりせず、IRブレイク崩れのような様相となったが、午前10時10分過ぎに仕掛け的な売りが入って14700円を割り、昨年11月22日の安値が視野に入り始めた。
 15660円にタッチして、いったんは下げ止まるそぶりも見せたが、崩されると、15600円台前半まで下げた。
 戻りを入れつつも、流れは変える気配はなく、午前10時40分過ぎに15600円を割り、15500円台中盤手前まで下げた。
 出来高を伴いながら緊迫した展開が続いたが、大きく売り込む動きはなく、徐々に戻し始めると、途中から上昇にはずみがつき、10分余りで14700円を回復。
 しかし、IR下限手前で勢いが落ち、14600円台中盤まで押し戻され、昨年安値と同価格で終えた。
【解説】
 嫌なスタートとなってしまった。売りたいし売りにくい、買いたいし買いにくい。イベント前でもあり、やっかいだった。ただ、流れとしては完全に下向きで崩壊を食い止められない感じだった。
 本日もギャップ・ダウンの応用編となったが、焦点はどこで下げ止まるかだろう。これだけ大きなギャップをつけると、普通は週足、日足レベルで崩壊だが、そのまま崩れるのか、戻りを入れるのかが見えにくい。
 長期休暇明けとはいえ、週足で窓を開けるという状況は極めて不自然だが、たった1日の取引で週足を引いてしまうことになる状況もやっかいだ。
 シカゴ終値が一つの道しるべとなり、寄り付き直後にタッチした後、越えられなかったので、弱含みであることは感じられる。
 寄り付き直後のレンジを割ったところでショートだろう。ただ、当初は、下げ渋ったので、やりにくい。こうなると14660円が目標になるが、途中で下げ止まっても言い訳の立つところではある。
 結果論からすると、ショートを引っ張ってみるのが最適だが、動きが見えないので、小まめに確定するのもありだろう。午前9時半前後の攻防が一つのポイントだった。ここで底打ちできれば、目先下げ止まることになるが、直近安値を割ったところで、14660円に近づく可能性が相当高くなる。
 それなりに利益が乗ればショートはとことんキープだが、15700円台前半の攻防もやっかいだった。14660円に触らせない動きが出てもおかしくないところで、そうなると確定する必要があるので緊張する。IRブレイクまでは待ってみたい。
 ただ、IRブレイクがフェイクと見せかけたのは最悪だった。上値は重かったが、15720円で5分近くも下げ止まったのでここでいったんショートを確定せざるを得なくなる。
 ここからは、底打ちの可能性を考えなければならないが、その後が何とも意地が悪かった。午前10時過ぎに15720円を割ったので、再び下落モードにスイッチが入ってしまったが、中途半端に戻るそぶりも見せ、ショートの判断が難しかった。
 押し目買いも目に入り、こうなると下手に触れなくなる。とりあえず、14700円割れ、14660円割れは売ってみたい。ただ、今後に向けての布石で簡単に安値を更新するだけの可能性があるので、そろそろ深追いは気をつけたい。また、どう考えても目先下げ過ぎである。
 15600円割れあたりからそろそろ買ってみたい気がした。ここもエントリーが難しかったが、安全にいくなら、直近の戻り限界になった14620円をブレイクしたあたりが確実だった。
【決算】
 米資産運用会社ステート・ストリートは第4・四半期に、サブプライムローン関連の投資で、評価損や訴訟費用などとして2億7900万ドルを計上すると発表した。
 ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスの米格付会社2社は同社の見通しについて、それぞれ「安定的」から「ネガティブ」に格下げした。
【展望】
 波乱の幕開けである。本格的に動き出すのは来週からなので、先入観はなるべく持たないようにしたい。
 全体の流れは下向き。しばらくは上昇しても単なる戻りに過ぎなくなる。困るのが下値の落としどころが見えないので、ショートがやりにくいことだ。
 窓を2つほど開けて下落しているので、これらをどうするのか。戻り局面ではポイントとなりそうだが、三空となった場合などはやっかいだ。値頃感はあるが、場合によっては、17000円台、18000円台の窓同様、埋めないで放置される可能性もある。
 ただでさえ、流入資金量が細りつつあるのに、祝祭日で休場になる日が多いのは非常に馬鹿馬鹿しい。イブニング・セッション導入よりも優先して市場改革としてやるべきことがあるのではないだろうか。元々米国市場、為替に振り回される情けない市場とはいえ、休場日を減らせば、理不尽な週足、日足レベルの窓は少しは減るのではないだろうか。
 米国市場は持ち合いになりつつあり、煮詰まっている。今月中旬以降、2007年第4・四半期決算が本格化するが、減益基調となりそうだ。そもそも現在の価格水準は金融危機と言われながらも、それなりの水準を維持してはいるので、一気に崩れてもおかしくはない状況だ。
 サブプライムローン問題が実体経済に波及しつつある。12月米新車販売は総じて不振だった。米ゼネラル・モーターズ(GM)が前年同月比−4.7%となったのをはじめ、米フォード・モーターが−9.4%、米クライスラーが+0.5%だった。
 日本勢はトヨタ自動車が−1.7%、ホンダが変わらず、日産自動車が−2.4%、三菱自動車工業が−40.4%となった。
 2007年通年ではGMが前年比−6.2%、フォードが−12.4%、クライスラーが−3.4%だった。
 一方、日本勢はトヨタ+2.7%で、販売台数がフォードを抜いて初めて通年で2位となった。ホンダ+2.5%、日産+4.5%、三菱+8.4%。
 GMのワゴナー最高経営責任者(CEO)は、2008年の米国での新車販売が2007年並みにとどまるとの見通しを示した。トヨタは同社の米国販売を当初の前年比+3%程度から、1−2%に下方修正した。
 今晩の12月米雇用統計の前哨となる、米民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)発表の12月米雇用統計は、前月比+4万人。予想中心(前月比+5万人)を下回った。また、11月についても18万9000人から17万3000人に下方修正された。
 米商務省が発表した、11月米製造業新規受注は、前月比+1.5%。予想中心(+0.7%)を上回った。民間航空機、IT関連が比較的好調だった。
 米半導体工業会は1−11月の世界の半導体売上高を上昇修正し、前年同期比+3.4%の2332億ドルとした。当初は+2.8%としていた。
 今年11月の米国大統領選に向けたレースが始まった。米アイオワ州で共和、民主両党の党員集会が行われ、共和党は大本命のジュリアーニ前ニューヨーク市長が、選挙拠点を置かなかったためハッカビー前アーカンソー知事が勝利。民主党はオバマ上院議員が勝利した。
 事前の世論調査でもオバマ氏優勢だったが、全体的にヒラリー・クリントン氏有利と伝えられる中、混戦模様となってきた。
【来週の主な予定】
 国内では、10日に11月景気動向指数発表(14:00)、11日にオプションSQ、12月景気ウォッチャー指数発表(14:00)などがある。
 海外では、8日に11月米中古住宅販売契約指数発表、9日に英中央銀行金融政策委員会(10日まで)、10日に欧州中央銀行(ECB)理事会、11日に11月米貿易収支発表、11月OECD景気先行指数発表、12日に台湾立法委員選挙、12日に北米モーターショー(27日まで)などが予定されている。
【主な節目】(イブニング・セッションを除いた日中足ベース)
 上は、1月4日高値14900円、12月28日安値の15240円、日足転換線の15140円近辺、日足基準線の15340円近辺、5日線の15370円近辺、12月28日高値の15440円、日足雲下限の15460円近辺、25日線の15480円近辺、週足転換線の15550円近辺、本日高値の15670円、13週線の15780円近辺、75日線の16050円近辺、日足雲上限の16090円近辺、12月7日高値の16120円、10月安値の16210円、26週線の16270円近辺、週足雲下限の16440円近辺、11月2日安値の16490円、週足基準線の16490円近辺、10月31高値の16750円、11月1日安値の16800円、200日線の16890円近辺、52週線の16910円近辺、10月15日安値の17330円、10月11日の高値17530円、週足雲上限の17630円近辺、7月26日安値の17670円、7月25日高値の17900円、7月24日安値の17920円、年初来高値(7月5日)の18320円。
 下は、1月4日安値の14560円。
 1月4日高値と12月28日安値の14900円〜15240円、12月28日高値と12月27日安値の15440円〜15530円、11月2日高値と11月1日安値の16640円〜16800円、10月31日高値と11月1日安値の16750円〜16800円、10月19日高値と10月18日安値16950円〜17000円、10月16日高値と10月15日安値の17320円〜17330円、10月11日高値と7月26日安値の17530円〜17670円、7月25日高値と7月24日安値の17900円〜17920円、7月24日高値と7月20日安値の18040円〜18150円は窓。
【本日の結果】
 ショート、ロングともにそれなりに取れた。
 14850S( 9:10)→730(10:03) +120
 14700S(10:11)→680(10:19) + 20
 14650S(10:25)→640(10:25) + 10
 14590L(10:45)→680(10:55) + 80
 途中でショートを降ろされたのが悔しい。

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2007年12月29日

ギャップ再考

 週末の米国市場は、前日値幅を伴って下落した反動もあって、取引開始直後は堅調に推移しましたが、パキスタンのブット元首相暗殺で国際情勢が重石となったほか、11月米新築住宅販売が市場予想を大きく下回り、12年ぶりの低水準となったことなどから、先行き不透明感が広がり、上昇幅を縮小させ、ダウとS&P500が反発、ナスダックが小幅に続落しました。
 為替は年末のドル需要が一巡したことに加え、再び米国景気の減速懸念が高まったことから、急速に円高に振れ、1ドル=112円台に突入しました。
(米国市場レビュー)
 米商務省が発表した、11月米新築住宅販売は前月比−9.0%の年率64万7000戸で、12年ぶりの水準。予想中心(72万戸)も大きく下回り、住宅バブルの崩壊で、投資マインドの冷え込みが深刻化していることをうかがわせる内容となりました。
 また、10月分についても、速報段階の72万8000戸から71万1000戸に下方修正されました。在庫は9.3カ月で前月の8.8ヶ月から増加しています。
 一方、販売価格の中心値は23万9100万ドルで、前年同月(24万100ドル)から低下しましたが、小幅な下落にとどまりました。
 シカゴ地区購買部協会発表の12月景気指数は56.6で、前月より3.7ポイント上昇。雇用が低下したものの、新規受注が伸び、予想中心(52.0弱)を上回りました。
 住宅バブルの崩壊は予め想定されていたことであり、少なくとも今後1〜2年は、住宅価格が低迷し、住宅販売も不振が続くものと思われます。
 問題は、信用収縮のスパイラルにどこで終止符が打つことができるのか。これだけ世界が大騒ぎしている割には、米国の株価指数が大暴落する訳でもなく、アジア金融危機で、韓国、タイなどアジア諸国が白旗を揚げて、国際通貨基金(IMF)に助けを求めたように、国家レベルの金融危機には陥っておらず、意外とよくやっている印象を持ちます。
 日経平均が年初から11.1%の下落になったのに対し、ダウは7.2%、ナスダックは11%それぞれ上昇しています。もっとも、ドルの価値が低下しているので、実際の米国市場の価値はドルの下落分と相殺されますが、それでもいかに日本市場のパフォーマンスが悪いかがうかがえます。
 ただ、先般の米投資銀行ゴールドマン・サックスの発表のように、米国や欧州の金融機関の評価損が今後も拡大する可能性もあり、住宅市場の低迷、信用収縮で、スパイラルに陥る可能性もあるので、過度な楽観は慎みたいところです。
 米著名投資家のウォーレンバフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは、地方債を対象とした金融保証事業に参入することを明らかにしました。
 債務保証したサブプライム関連の担保証券がことごとく劣化し、米国の金融保証各社は、軒並み苦境に陥っていますが、まさに「泣きっ面に蜂」となりそうです。
 バークシャー・ハザウェイはビジネス・チャンスととらえるとともに、既存の金融保証会社が身動きがとれなくなっている中、健全な事業展開が見込める分野に参入することで、信用不安を緩和する役割を果たすことになりそうです。
(年始の相場見通し)
 シカゴ日経先物終値は15335円で、大納会の大証終値(15250円)を上回りました。
 昨日は、下げ止まる場面もありましたが、戻りらしい戻りを入れない珍しい展開でした。参加者が少なく、ほぼ1週間休場となるという事情があるとはいえ、ここまで売られるのかという感じでした。
 米国も1月1日が休場で日本市場同様、来週一週間はクリスマス休暇気分が抜けず、本格的な動きになるのは再来週以降となりそうですが、年明けはまず、昨日流れが下向きに変わってしまったのでどこで下げ止まるのかというところでしょうか。
 希望的観測ですが、しっかり調整して、体勢を立て直して戻り高値にトライしてほしいところです。テクニカル的にはその条件は整っているはずです。
 ただ、落としどころが今ひとつよく見えません。週足や日足で直近安値(14660円)から上昇トレンドラインが引けそうですが、果たして、そんな中途半端な位置で下げ止まれるのかという疑問もあります。
 また、信用不安の再燃や地政学リスクの浮上など、予期せぬ爆弾が炸裂した場合、過敏に反応することになりそうです。
(その他マーケット)
 為替は地政学リスクの浮上にもかかわらず、ドルが売られ、ユーロ高、円高に振れています。需給要因もありそうですが、あまり目立たないですが、ドル帝国の崩壊が現実化しつつあることをうかがわせます。
 ユーロ・円もユーロ高傾向にあり、再びユーロの独歩高傾向が強まっており、世界の通貨勢力図は、1強、2弱、人民元、資源国通貨など新興勢力が台頭しつつあるという状況でしょうか。
 株式市場からの資金逃避先となった米国10年債は、今週前半は株式市場が堅調だったことから利回りが4.2%台で推移していましたが、結局、再び株式から資金が流れたことで4.0%台に低下。前週の4.1%台を下回りました。
■ギャップだらけのマーケット■
 この1年の日経平均先物を振り返るならば、ギャップに振り回されたのが印象的でした。昨日もそうですが、突然、ギャップをつけて引きずり落とされ、相場の流れが一変してしまうという場面がよく見られました。
 上昇局面でも窓を開けることが多かったですが、相場が自らトレンドを形成するのを放棄したに等しく、落ち目にあるとはいえ、世界でも有数の時価総額を誇る市場がこのような体たらくでは情けない限りです。
 欧州市場なども、米国市場や日本をはじめとするアジア各国市場の急変を受けて、ギャップをつけやすい環境にありそうですが、日本市場ほど主体性のない市場は稀でしょう。
 つくづく腹立たしいと思うのが、先週末から今週前半にかけてのギャップ・アップです。クリスマスははさんで、市場参加者が少なく、手がけにくい状況ではありますが、下値を十分確認し、反発できる地合は整っていたにもかかわらず、上値が押さえ込まれ、結局、米国市場の顔色をうかがった後にギャップをつけて上昇するというひどい展開でした。
 そして、せっかく、下落トレンドから脱出したにもかかわらず、昨日はあっけなく、それまで築きつつあった上昇トレンドが否定され、相場の質の悪さを改めて実感させられました。
■ギャップの対処法■
 以前もギャップについて考察しましたが、改めてギャップが出現した場合に、どのように対処するべきか整理しておきたいと思います。
 ただ、これは個別株ではよくあることかもしれませんが、大きな指数で頻繁にギャップが出現するのは、日本市場特有の現象であり、相場一般に適用できるかは、さらなる分析が必要です。また、ギャップをつけた時にいつも同じ動きを繰り返すとは限らず、パターンが変化する可能性もあります。
 以上を踏まえた上で、基本的には、ギャップをつけた方向につけということです。イブニング・セッション抜きの日足チャートを観察すると、今年はほぼ必ずといっていいほど、上昇から下落、下落から上昇に転じる局面でギャップをつけています。
 直近では、12月12日、12月25日、そして昨日、ギャップで流れが変わっています。
■注意すべきこと■
 流れが変わる局面では、まだ、それまでの流れを引きずることが往々にしてあります。またあまりにもギャップが大きすぎた場合は、行き過ぎ修正が入ります。
 昨日はギャップ・ダウンして素直に下落しましたが、12月12日は前日安値より300円近いギャップをつけましたが、前場寄り付き直後に下げ止まりを確認してからは戻り基調となり、そのままギャップを埋めています。また、12月15日も余りにも急な上昇で、前場寄り付き後、終日調整モードが続きました。
 また、12月12日の場合は、やや目先頭打ち感じがありましたが、週足レベルでは上昇基調が続いており、メジャーSQ前でもあり、ギャップを埋めて、再び上昇基調に転じてもおかしくはなく、気をつけたいところです。
 昨日も大納会という特殊事情もあったので下げてしまいましたが、15400円近辺で下げ止まってもおかしくはないところです。
 ギャップをつけたときは、前場寄り付き直後の攻防が非常に重要です。ギャップ・ダウンの時は下げ止まって戻りを入れるのか、それとも崩れてしまうのか。ギャップ・アップの時は、修正が入って押し目を入れるのか、それともそのまま上昇を維持するのか、注意したいところです。
■前場と後場のギャップ■
 週足、日足がからむ場面では、ギャップが一つのヒントを与えてくれるのですが、やっかいなのは日中のギャップです。
 以前は、上昇するにしても下落するにしても、何かにつけて前場と後場の間にギャップを入れることが多かったですが、最近はだましが多くなりました。
 12月21日などが良い例ですが、後場、ギャップ・アップしてそのまま上を目指すのかと思いきや、失速して値幅、時間調整をしてしまいました。結局、大引けにかけてイケイケとなったのですが、デイ・トレーダーにとってこういう展開は最悪です。
 3連休前で手が出しづらいとはいえ、流れはほぼ決しており、素直に考えると、選択肢は上昇しかなかったわけですが、何の思惑があってか、異常に上値が押さえつけられました。
 12月27日などもだましに近い動きでした。前場15560円をつけてアク抜けしたかと思いきや、ギャップ・アップして一瞬、流れは変わったものの15600円台中盤で失速してしまいました。
 このような場合は、判断が難しいですが、あまりにも値動きが悪いと感じたら、即座に利食いして逃げるか、同値撤退が賢明でしょう。また、踏み台になったギャップを埋めてしまった場合は、いったんロスカットが基本です。
 逆にギャップ・アップの場合はギャップを埋めたところでショート、ギャップ・ダウンならばロングを狙ってみてもいいかもしれません。ケース・バイ・ケースですが、勝率はそこそこ高そうです。
■日中足ベースのギャップ■
 日足ではギャップをつけないものの、日中足ベースでギャップをつけることがあります。12月27日は典型的な例です。
 シカゴ終値は15730円で、これにさや寄せして寄り付けば、そのまま上昇基調となりそうな感じでしたが、気配値が失速し、15600円台中盤で寄り付いてしまいました。
 前日の12月26日の後場終値や、イブニング・セッションの安値、終値などに対して、ギャップ・ダウンしており、日中足の流れは明らかに下向きになっていました。
 日足、週足では上昇トレンドを維持しているので、触りにくいところですが、上値の重さを確認してショートを狙えるところでした。
 また、ここも前場寄り付き直後の攻防に十分注意したいところです。
■ギャップをつけないで流れが変わるケース■
 今でも鮮明に記憶していますが、“チャイナ・ショック”と呼ばれる世界同時株安となった、直前の2月27日の動きは独特でした。
 前日に18310円をマークし、2月27日の前場は、ややぐずつく場面もありましたが、イケイケの状態が続きました。
 ところが後場に入って流れが突然変わりました。前場下値を確認した後に18280円をつけて、後場は「もしかしたら・・・」と誰もが胸が躍ったはずですが、後場、18250円近辺で攻防を続け、膠着状態となりました。そこへ突然、売り仕掛けが入り、切れ込むような下落が断続的に続いた後、一気に200円近く下げました。
 上昇トレンドから下落トレンドに転換した瞬間です。厳密に考えれば、その晩の米国市場は大暴落し、翌日大きくギャップダウンしたので、流れの転換を決定付けたのはチャイナ・ショックかもしれませんが、あの大暴落の前日にすでに流れが変わりつつあったことだけは間違いありません。
 高値圏で切れ込むように下落した場合、安値圏で吹き上げるような上昇があった場合は、流れが変わる可能性が高くなります。12月21日なども2度、3度吹き上げて上昇しているので、日中に流れが変わったと見ることができるでしょう。
 その気になれば、ギャップをつけなくとも、流れを変えることはできるし、そうあるべきでしょう。また、ギャップは重要なサインですが、それなしでも投資判断できるよう訓練しておくことも大切です。

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2007年12月28日

国際情勢、信用不安が打撃 市場マインド好転せず 5年ぶり年初を下回り大納会 12月28日の解説と展望

【概況】
 米国市場は、パキスタンのブット元首相が銃撃され、暗殺されたとのニュースを受けて、地政学リスクが急浮上し、債券などに資金が逃避したほか、米投資銀行大手ゴールドマン・サックスが米大手金融3グループについて、信用収縮で追加の評価損が拡大する可能性があると指摘。さらに景気減速を示すマクロ指標も発表され、悪材料噴出で3指数ともに大幅に反落した。
 大納会の本日の日経平均先物は、寄り付き前に発表された11月鉱工業生産が2カ月にぶりに下回ったこともあって市場マインドが悪化し、先週末以降の上昇基調が完全に途絶え、一転して軟調な展開。年初の始値(1月4日、17350円)を5年ぶりに下回って終えた。
 本日は前場のみの取引。シカゴ日経先物終値(15425円)にさや寄せする形で寄り付き、戻りをうかがうそぶりをみせ、しばらくもみ合ったが、上値の重さを嫌気する形で仕掛け的な売りも入って下に抜け、15400円を割った。
 持ち直す動きも見せたが、上値は重く、午前9時半過ぎに15300円台中盤にタッチ。ひと息ついた後に再び売られて15300円手前まで下げ、12月21日高値と12月25日安値の間にできた窓(15330円〜15530円)を埋めた。
 15300円台中盤まで戻して落ち着きを見せたが、相変わらず上値は重く、もたついたところで売られ、午前10時20分頃からIR(15310円〜15440円)下限ブレイクをうかがい始めた。
 買い支える動きも見せたが、持ちこたえられず、午前10時半前にIRブレイク。下げ渋る場面もあったが、ロングの持ち越しを嫌気したと見られる売りも入って、下落にはずみがつき15200円台中盤まで下げた。
 目先下げ過ぎ感もあって午前11時前に15300円タッチまで戻したが、戻りを売られ、安値を更新した後、15250円をつけて2007年の取引を終えた。
【解説】
 今年一年を象徴する相場展開だった。大幅なギャップ・ダウンで上昇トレンドが力づくで下向きにされるのを何度目にしたことだろうか。せっかくいい雰囲気になりつつあったのだが、これで元の木阿弥である。
 大きな流れが上昇から下落に変わったことに注意したい。また、下落局面であっても、戻りを入れる可能性もあるので、一応、警戒が必要だ。
 寄り付きは、いったん戻りを入れるのか、そのまま下に行くのかというところ。上にも下にも窓ができているので、どちらを埋めるかという視点で臨みたい。寄り付き直後のレンジ(15420円〜15440円)を抜けた方についてみたい。
 下値目処は窓下限。手前で勢いよく切り返すようなら確定だが、窓下限を下抜けたので、落としどころがさらに下となる可能性が高くなる。
 また、このような状況で年越し覚悟の押し目買いを入れるとも思えず、ショートを引っ張ってみたい。
 15300円台でいったん下げ止まったが、IR下限にからまないのは不自然で、戻りも弱かった。利益が乗っているならば、ショートはキープ。新規ならば、直近安値割れを狙いたい。
 IRブレイクで本性を現した感じだったが、もはや落としどころが見えない。12月20日につけた直近安値の15010円に対してどうするかというところだが、さすがに目標が遠過ぎる。15200円台中盤まで下げて切り返したあたりは、戻りに勢いが見られ始めたので確定を考えてもいいだろう。
【展望】
 最後の最後に嫌なニュースが飛び込んだ。パキスタンをめぐっては、年明けに下院選挙が予定され、パキスタン人民党(PPP)を率いるブット元首相は、選挙後の政局のカギを握る人物だっただけに、混迷が深まることは必至で、中東情勢にも影を投げかける可能性が高い。
 パキスタンは南アジアではカシミール地方の帰属をめぐって対立するインドと並ぶ核保有国。同国の「核開発の父」と呼ばれるA.G.カーン博士は独自のネットワークでイラン、リビア、北朝鮮などに核開発技術を密売していると、国際社会から疑惑が持たれており、イスラム過激派などテロリストへの情報流出も懸念されている。
 ただ、軍政を敷くムシャラフ大統領は、2001年の米国中枢同時テロ後、米国寄りの姿勢を強め、国内での求心力の低下が続き、シャリフ元首相らなどとの政治的対立が続いていた。
 ブット元首相は、初代首相の長女で自らも1988年〜1996年までの間に2度首相に就任。汚職で解任され、1999年に国外逃亡し、英国などで亡命生活を行っていたが、下院選を前に今年10月に18年ぶりに帰国していた。
 政権安定を目指す、ムシャラフ大統領とブット首相の間で連携を模索する動きもあったが、暗礁に乗り上げ、同国では非常事態宣言が発令されるなど緊張状態が続き、ブット元首相に好意的な米国や欧州から批判が高まっていた。
 真相は闇の中なので安易な憶測は慎みたいが、今回の事件に胡散臭さを感じる人は少なくないはずだ。このところ“死に体”で泣かず飛ばずだったブッシュ米大統領が、ここぞとばかり、勢いづいているのが非常に興味深い。パキスタンの内情を省みず、対テロで米国と協調する姿勢を見せたムシャラフ大統領に対し、米国は手のひらを返したように距離を置き始め、挙句の果てに今回の事件である。米国の奇行は今後も要注視だ。
 客観的に見て公正とは思えない選挙で大統領を選出した国が他国を非民主的と攻撃するのは物笑いの種でしかない。中華圏で唯一の民主“国家”台湾や、人権弾圧で苦しむチベットに手を差し伸べてはどうか。中東、イスラム圏の紛争には異常なほどに介入したがる姿勢は、一般人の理解を超えている。
 米ゴールドマンサックスは、シティ・グループ、JPモルガン・チェース、メリルリンチの米金融大手3社について、第4・四半期に計330億ドルに上る大幅な損失を計上し、信用収縮の解決には今後数四半期かかるとの見通しを示した。
 ゴールドマン・サックスはシティ・グループが第4・四半期に債務担保証券(CDO)関連で187億ドルの評価損計上が必要にり、同社の予想(80〜110億ドル)を大幅に上回るとしている。また、メリルリンチについても追加で115億ドルの評価損を計上すると予想、従来予想(60億ドル)よりほぼ倍増。JPモルガン・チェースの評価損もこれまでの17億ドルの予想から34億ドルに修正した。
 朝の経済番組のオープニングで取り上げられたのは、パキスタン情勢でもゴールドマン・サックスの予想でもなく、ミスター・ドーナツの値上げだった。見事なニュース・センスである。世間におもねることはないが、最初に伝えるべきニュースがそれなのか感覚を疑う。この国が金融立国として、生き残る望みは薄そうだ。
 年明けは、まずは国際情勢、米国市場の動向をにらみながらとなりそうだ。こうなると直近安値を試す展開になるのは必至で、場合によっては14000円台の攻防になる可能性もある。
 為替が1ドル=114円台で安定していたのが、動意づいている。通常は有事のドル買いのはずなのだが、ドルに対する信任が著しく落ちているので、動きが読みにくい。
 経済産業省が発表した11月鉱工業生産は、前月比−1.6%の110.4。予想中心(−1.7%)よりは若干良い内容だったが、市場マインドを好転させるには程遠い内容。
 総務省発表の11月全国消費者物価指数は、前月比+0.4%の100.6。デフレ傾向が続いていたが、1998年3月(1.8%)以来の高い伸び率となった。エネルギー価格が物価を押し上げる一方で、消費財、耐久財は下落傾向が続いており、大田弘子経済財政相は、中小企業の業績悪化を懸念するとともにデフレへの警戒感を示した。
 また11月消費支出は実質で前年同月比−0.6%。4カ月ぶりのマイナスとなった。自動車購入が落ち込んだのが主な要因で、総務省は「自動車を除いて消費は堅調」としている。
 厚生労働省発表の11月有効求人倍率は、前月比−0.03ポイントの0.99倍で、2005年11月以来の1倍割れ。中小企業が新規求人を見送る傾向が強まっているのが要因とみられる。総務省発表の11月完全失業率は3.8%で前月より0.2ポイント改善した。
 米国市場も、再び悪材料を織り込みながら、次の動きを探る緊迫した展開となりそうだ。これだけ金融危機が叫ばれながら、むしろ、よく持ちこたえている方だと思う。奇跡的ですらある。大暴落、崩壊には気を付けたい。
 米商務省発表の11月耐久財受注は、前月比+0.1%で、予想中心(+2.0%)を下回った。
【来週の主な予定】
 国内では、12月31日〜1月3日の間、東京、大阪市場は休場、4日に大発会が予定されている。
 海外では、1日に米国市場休場、2日に12月米ISM製造業景気指数発表、3日にADP雇用統計発表、12月米国新車販売、米アイオワ州で共和、民主両党が党員集会を開催し、米大統領選予備選がスタート、米モンサント社など決算発表、4日に米12月雇用統計発表、12月米ISM非製造業景気指数発表などがある。
【主な節目】(イブニング・セッションを除いた日中足ベース)
 上は、日足転換線の15370円近辺、日足基準線の15390円近辺、本日高値の15440円、25日線の15490円近辺、5日線の15500円近辺、日足雲下限の15520円近辺、週足転換線の15550円近辺、本日高値の15670円、13週線の15990円近辺、75日線の16060円近辺、日足雲上限の16090円近辺、12月7日高値の16120円、10月安値の16210円、週足雲下限の16360円近辺、26週線の16420円近辺、11月2日安値の16490円、週足基準線の16490円近辺、10月31高値の16750円、11月1日安値の16800円、200日線の16920円近辺、52週線の16970円近辺、10月15日安値の17330円、10月11日の高値17530円、週足雲上限の17620円近辺、7月26日安値の17670円、7月25日高値の17900円、7月24日安値の17920円、年初来高値(7月5日)の18320円。
 下は、本日安値の15240円、12月21日安値の15030円、12月20日安値の15010円、11月22日安値の14660円。
 12月28日高値と12月27日安値の15440円〜15530円、11月2日高値と11月1日安値の16640円〜16800円、10月31日高値と11月1日安値の16750円〜16800円、10月19日高値と10月18日安値16950円〜17000円、10月16日高値と10月15日安値の17320円〜17330円、10月11日高値と7月26日安値の17530円〜17670円、7月25日高値と7月24日安値の17900円〜17920円、7月24日高値と7月20日安値の18040円〜18150円は窓。
【本日の結果】
 情けないがショート三昧。
 15420S( 9:06)→270(10:54) +150
 最後に悲しいボーナスとなった。

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2007年12月27日

安値更新後戻す 12月27日のイブニング・セッション

【概況】
 日中調整した流れを引き継ぎ、安値を更新する場面もあったが、売り一巡後は戻した。
 出来高はラージ1832枚、ミニ1万1041枚。
 寄り付きは、後場終値(15600円)を下回ってスタート。もみ合いながらもじりじりと下げ、日中安値(15560円)にからみ始めた。
 すかさず押し目買いが入り、自律反発も動きも見られたが、流れを断ち切れず、午後5時過ぎに15560円を割った。
 しかし、猛烈な買い戻しが入り、徐々に落ち着きを取り戻すと、戻り基調になった。
 午後6時半過ぎには15600円を回復したが上値は重く、再び15500円台に押し戻され、もみ合いながら取引を終えた。
【解説】
 下落基調が続いていたが、どこで下げ止まるのか見えず、ロングもショートも入りにくい。
 15550円タッチでどうやら達成感が出たようだったが、まともな動きになるかどうかは分からず、無理に触る必要はない。
【展望】
 底値圏特有の動きになりつつある。パターンとしては12月20日、12月21日を参考にしたい。
 12月20日の大引け間際にどさくさに紛れて15010円をつけ、翌12月21日に朝方、これに対するダブルボトムとなる15030円をつけた後、急上昇している。
 この例にならうならば、明日、本日イブニング・セッションのどさくさでつけた15550円に対する安値を確認した後、上昇に向けての準備を整えることになるだろう。
 ただ、明日は大納会で半日しか取引時間がなく、まともな動きになるかどうかは分からない。
 また、15550円を割り込むと、25日線あたりで強引に止めるのか、窓を埋めるのか、さらには腰折れしてしまうのか、落としどころが見えなくなる可能性もあるので気を付けたい。
【取引結果】
 ノートレード。

petemouse at 19:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

終日調整ムードに 出来高少なく、強さ見られず 12月27日の解説と展望

【概況】
 クリスマス休暇明けの米国市場は、このところの上昇一服感や米小売大手ターゲットの売り上げ見通しの引き下げ、住宅市場の低迷を示す指標が発表されたことなどから軟調に推移。取引終了にかけて買い戻され、3指数とも小幅に続伸した。
 本日の日経平均先物は、米国市場が今ひとつ振るわなかったのを嫌気し、終日調整モードとなり、3日ぶりに反落した。
 前場、シカゴ日経先物終値(15735円)を下回り、昨日終値(15710円)比マイナス圏での取引開始。下値を探る展開となり、15600円台前半まで下げた。
 出来高は少ないながら、しばらく売りが優勢の状況が続いたが、15600円台前半ではそれなりに買いも入った。
 しばらく15600円台中盤付近でもみ合って推移した後、午前9時40分前後から仕掛け的な売りが散発的に入って徐々に後退。昨日安値の15600円でいったん下げ止まった。
 その後、15600円に張り付いて、IR(15600円〜15670円)下限ブレイクをうかがう展開。午前10時を少し過ぎたところで、売り仕掛けが入り、それなりの出来高を伴って売買が交錯。
 15500円台中盤手前で下げ止まると、徐々に戻り基調となり、わずか10分足らずで15600円を回復。
 ただ、売り圧力が残り、15600円をはさんで小競り合いを続けた後、15600円台を抜ける場面もあったが押し戻されて、15600円台を割り、最後に15600円にタッチして前引けとなった。
 後場、前場終値(15600円)より上に軽くギャップをつけてスタート。戻りを試す展開となり、15600円台中盤にタッチした。
 しかし、上値は重く、買い一巡後は伸び悩み、やや崩れ気味に下落して15600円を割った。
 ただ、売り込む動きもなかったことから、15600円付近でもみ合い、方向感なく1時間近く推移した。
 午後2時を過ぎて動意づき、戻りをうかがったが、買いが追随せず、逆に上値の重さを嫌気して大口の売りが相次ぎ、前場安値(15560円)にタッチした。 
 15560円に売りがぶつけられると、すかさず15570円の売り板が買い切られ、しばらく緊迫した攻防が続いた後、徐々に落ち着きを取り戻した。
 大口の買いがところどころで出たが、上値の重さは相変わらずで、15600円手前でもみ合った後、午後3時を過ぎて買いが勢いづき、15600円を回復する場面もあったが、上値を押さえられ、15600円を抜けられないまま取引を終えた。
【解説】
 全体の流れは依然として上向きだが、昨日後場終盤、イブニング・セッションと続いた上昇基調があっさりと断ち切られ、終日下落基調となった。
 ここでも基本的には押し目買い。終日どんよりしたムードがただよったが、ショートを狙うなら、吹き値売りはリスクが伴うので、直近に下げ止まった節目を割ったところでエントリーしたい。無理に上値を押さえている感じがしないでもなかった。
 前場、昨日後場終値、イブニング・セッション終値に対してギャップ・ダウンとなっており、それまでの上昇基調が完全に途切れた。
 大きな流れでの上昇基調を維持するためには、下値を確認しておく必要があるのだが、昨日から15600円、15610円と着実に下値を切り上げていたので、どこで下げ止まるのか見えにくく、ショートを試してみたいが、エントリーの根拠を探す必要がある。。
 分かりやすいところで、昨日午後2時過ぎの攻防で下げ止まった15630円、15610円、15600円を割ったところだろう。下値目処は12月25日につけた安値である15530円。ここを割ると大きめの調整になってしまう。
 昨日までと同様、相変わらず値動きにダイナミックさがなく、信頼性に欠ける場面もあったが、結果的にそれなりの動きにはなった。
 15500円台後半ではロングを試してみてもいいだろう。IRブレイクからの動きは、出来高が少ない割にはスムースだった。
 後場、やや頼りないが、下落の流れが断ち切られつつあった。ただ、ここ数日ギャップをつけた方向とは逆に動く傾向にあったので注意したい。また、前場に15560円をつけた後の動きがあまりにもあっさりし過ぎていたのが気になった。
 試しにロング。目標は始値(15650円)をどうするかというところ。ここを越えれば、目先底打ちして日足陽線、さらに昨日終値を試す展開が期待できる。
 15650円で止まったのはいかにもという感じだった。買いの勢いが衰え始めたところでとりあえず確定したい。
 その後は動きが見えづらい。いったん下値を試した後に15650円を越えることも考えられるし、前場安値に対して下値を試すか、さらに下値を探る展開になってもおかしくない。
 結果的にはショートが有効だったが、この時点では、積極的に売る根拠もやや乏しい。狙うなら、前場と後場のギャップを埋めかけたあたり。午後1時過ぎに崩れ気味に下落したが、上に行けないので、下げたという感じで、時間稼ぎのためなのか、それともそれなりに調整するためなのかというところが見えなかった。
 下げ止まったところは、ロングを試してみてもよかったが、ここも、前場の15560円に対して、15580円が2番底となるのかと思いきや、上値を抑えられたので、1〜2ティック取れるか、下手をすれば同値撤退かというところだった。
 15600円近辺は、売りも買いも見せ板の応酬だった。午後1時半頃、15600円の板を買い切った直後に、15600円に400枚を越える買い板が出たのは、非常に怪しかった。ロングはここで確定だろう。
 前場それなりに上下に動きがあったので、しっかりした動きを期待したかったが、それはかなわないようだった。
 後は午後2時以降、どう動くか。何となく上値を抑えたい感じで、買いに勢いもなかったので、下向きの雰囲気だった。午後2時過ぎに動意があり、上値の重さを確認した後、崩れたのはいかにもという感じだった。
 ただ、ここでのショートはよほど、覚悟を決めて乗らないと、節目が見えないので、入りにくい。目標は15560円になる。
 やや危なっかしかったが、15560円で下げ止まり、15560円に大きめの売りがぶつけられたところで猛然と買いが入ったので、ロングを狙ってみたい。
 こうなれば、ダブルボトムで、底打ちを期待したいが、どうしようもない動きになってしまった。いつでも逃げ出せる用意をしつつ、昨日、一昨日同様、午後3時以降の攻防に期待したかったが、一瞬期待を持たせたものの、期待外れに終わった。
【展望】
 今年もあと残り1日。一応全体の流れは上向きだが、先週末から窓を開けて上昇した割には、日中、勢いが感じられない。どうせなら、しっかり調整して窓埋めしてほしいのだが、そこまではしたくないらしい。
 あり得るパターンとしては、散々売らせてショートをためておいて、年明け軽くギャップ・アップさせて、踏み上げの力を利用して急上昇することが考えられるが、果たして首尾よくいくかどうかは分からない。
 内閣府が発表した国民経済計算で、日本の2006年の名目GDPが世界の名目GDPに占める割合が9.1%となり、24年ぶりに10%を割り込んだことが明らかになった。円安やデフレの進行で名目成長率が伸び悩んだことが要因と分析しているが、日本の世界での経済的地位が低下していることをうかがわせる内容となっている。
 米国市場も、昨日、一昨日の日経平均先物と同じような状況だった。上昇してもおかしくはないと思われたが、今ひとつ勢いが感じられなかった。時間調整をしているのか、あるいは今晩あたり値幅調整も入れるのかといったところだろうか。見た感じ、あまりいい雰囲気ではない。
 米ターゲットは、12月の既存店売上高見通しについて、これまでの前年同月比+5%から−1%〜+1%に下方修正した。
 米小売大手アマゾン・ドット・コムは、今年のクリスマス期間中の売上高が過去最高を記録したと発表した。
 米スタンダード・アンド・プアーズ/ケース・シラー発表の10月米戸建中古住宅価格は、主要10都市圏の価格動向指数が前年同期比−6.7%の209.68で、1991年4月に記録した−6.3%を上回り、過去最大の下落幅となった。主要20都市圏でも−6.1%の192.89だった。
 米調査会社CIBCワールド・マーケッツは、米メリルリンチが第4・四半期に40〜70億ドルの追加の評価損を計上するとの見通しを示した。
 メリルリンチはシンガポールの政府系投資ファンドなどから出資を受け入れ、資本増強をする方針を打ち出しているが、CIBCワールド・マーケッツは、あくまでも初歩的なステップに過ぎず、今後はバランスシートの改善を行うべきと指摘。金融危機から立ち直るにはなお時間がかかる可能性を指摘した。
 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、テレビインタビューで、金融セクターについて現時点では、投資対象として魅力が感じられないが、来年中盤までに見通しが変わる可能性があると示唆した。
 米資産家ジョセフ・ルイス氏は、米ベアー・スターンズの株式の9.57%を取得した。米証券取引委員会(SEC)に提出した文書で明らかになった。
 また、米資産運用会社デービス・セレクテッド・アドバイザーズは、債務保証した証券の劣化が深刻化している米金融保証会社MBIAの発行済み株式の5.1%に当たる640万株を保有していることが、SECへの文書で分かった。同社は先にメリルリンチに12億ドルを出資する方針を明らかにしている。
 米格付会社フィッチ・レーティングスは、MBIA、アンバック・アシュアランス、FGIC、セキュリティ・キャピタル・アシュアランス(SCA)の金融保証4社が保証する住宅ローン担保証券(RMBS)を格下げする方針であると発表した。
【主な節目】(イブニング・セッションを除いた日中足ベース)
 上は、日足雲下限の15630円近辺、本日高値の15670円、週足転換線の15780円近辺、13週線の15990円近辺、75日線の16080円近辺、12月7日高値の16120円、日足雲上限の16140円近辺、10月安値の16210円、週足雲下限の16360円近辺、26週線の16420円近辺、11月2日安値の16490円、週足基準線の16490円近辺、10月31高値の16750円、11月1日安値の16800円、200日線の16920円近辺、52週線の16970円近辺、10月15日安値の17330円、10月11日の高値17530円、週足雲上限の17620円近辺、7月26日安値の17670円、7月25日高値の17900円、7月24日安値の17920円、年初来高値(7月5日)の18320円。
 下は、本日安値の15560円、12月25日安値の15530円、5日線の15470円近辺、25日線の15450円近辺、日足基準線の15390円近辺、日足転換線の15370円近辺、12月21日高値の15330円、12月21日安値の15030円、12月20日安値の15010円、11月22日安値の14660円。
 12月21日高値と12月25日安値の15330円〜15530円、11月2日高値と11月1日安値の16640円〜16800円、10月31日高値と11月1日安値の16750円〜16800円、10月19日高値と10月18日安値16950円〜17000円、10月16日高値と10月15日安値の17320円〜17330円、10月11日高値と7月26日安値の17530円〜17670円、7月25日高値と7月24日安値の17900円〜17920円、7月24日高値と7月20日安値の18040円〜18150円は窓。
【本日の結果】
 ショートであまり取れず。
 (前場)15630S( 9:39)→590(10:01) +40
     15580L(10:10)→610(10:40) +30
 (後場)15620L(12:31)→630(12:42) +10
     15610S(13:01)→600(13:02) +10
     15590L(13:07)→600(13:33) +10
     15580L(14:15)→590(15:07) +10
 後場は全く乗れなかった。


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2007年12月26日

ごく狭いレンジで推移 出来高は最低 12月26日のイブニング・セッション

【概況】
 日中、膠着状態の後、大引けにかけて上昇したが、再び狭い値幅に釘付けとなった。値幅は上下わずか30円。
 出来高はラージ1341枚、ミニ8003枚で、9月25日の導入以来最低。
 寄り付きは、後場終値(15710円)と同じ位置からのスタート。上下に振るような動きも見せたが、どちらにも動けず、そのまま横ばいで推移した。
 約2時間半近く、狭い値幅に固定され、午後7時前に15600円台をつける場面もあったが、買戻しが入って、すぐに15700円台を回復し、後場終値を10円上回って終えた。
【解説】
 動きがなくてある意味ホッとした。先週末のように日中上値を押さえられ、夕方になって動き出すというパターンはあまり見ていて気持ちのいいものではない。
 もし、後場高値(15730円)を上回れば、ロングを試してみたい。それ以外は買ってみたい誘惑はあるが、まともな動きにならない可能性が高く、トレードの根拠がない。
 それにしてもイブニング・セッションは、一時期盛り上がったこともあったが、このような状況が続くならば、取引所にとっても証券会社にとっても採算が合わないのではないだろうか。廃止しても誰も困らない。
【展望】
 とりあえず、米国市場の動き次第。基本的には上向きであり、昨日、本日とギャップ・アップに対する時間調整をしたので、いい形勢になりつつある。
 ただ、軽く調整を入れたり、場合によっては腰折れする可能性もあるので、柔軟に対応できるようにはしておきたい。
【取引結果】
 ノートレード。

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続伸も長時間膠着状態続く 取引終了にかけて上昇 12月26日の解説と展望

【概況】
 欧米市場は、クリスマス休暇でほぼ軒並み休場。本日の日経平均先物は、昨日に続き、出来高が少なく、膠着感の強い展開となったが、15600円台を割らせず、大引けにかけてようやく動き出し、続伸して終えた。
 前場、昨日終値(15640円)から軽く上にギャップをつけて取引開始。昨日高値(15650円)も上回ったが、上値は重く、じりじりと後退。午前9時20分頃、仕掛け的な売りが入り、15600円にタッチした。
 しばらくすっきりしない展開が続いたが、崩れる動きにはならず、徐々に戻し始め、午前10時前に15600円台中盤にタッチした。
 出来高が少ないながらもしばらく買いの勢いが強い状態が続き、IR(15600円〜15660円)ブレイクが視野に入ったが、買い上がる動きが出ず、押し戻された。
 売り崩す動きが出なかったことから、もみ合いを続けながらも、午前10時30分頃、15600円台中盤を試す動きとなったが、ここでも上抜けられず、停滞ムードとなった。
 後場、前場終値(15630円)をやや下回ってスタート。前場の安値圏を試したが、底堅かったことから、徐々に戻りを試す展開となった。
 しかし、前場同様、15600円台中盤を抜けられず、膠着状態となり、午後1時過ぎに寄り付き直後につけた高値(15660円)にタッチし、IRブレイクをうかがったが、頭を押さえつけられ、窮屈な動きとなった。
 午後1時半頃、再び動意づき、それまで蓋をしていた15650円の買い板を買い切ると、IR上限にからみ始めた。
 ここでも押さえつけられたが、徐々に上の売り板を買う動きが目立ち始めた。
 午後2時を過ぎて、上値の重さを嫌気した売りが出て、押し戻されたが、大きく崩れることはなく、逆に体勢を立て直すと、再びIR上限にからんだ。
 午後2時半を過ぎると、しびれを切らしたように売りが出たのに対し、猛然と買いが反抗し始め、ようやくIRをブレイク。
 当初は一進一退の動きだったが、午後3時を過ぎると、吹き上げるように上昇。15700円を回復した。
 15700円台では再び上値が重くなったが、15700円台はキープし、そのまま取引を終えた。
【解説】
 朝の経済番組で、あるコメンテーターが「閑散に売りなし」と、昨日の市場を評していたが、閑散だろうが繁忙だろうが売られる時は売られる。参加者が少なくなる傾向があるお盆前後に今年は大暴落したことはどう説明するのだろうか。
 本日もテクニカルの教科書などでは、とても説明のつかない妙な動きが多かった。クリスマス休みを取るためにギャップで操作し、やるべき仕事をした上で、2日間休眠モードだったということだろう。これもまた相場である。結局、人為的な要素も大きく相場を左右するので、いかにシステムトレードがいかに無力かが分かる。
 しつこいようだが、この局面では押し目買いが基本である。後場、売らされた個人投資家が随分多かったようなので改めて指摘しておく。悪だくみをする人たちにとっては売っているように見せかけて踏ませるというのは常套手段である。ゴキブリホイホイに引っかからないよう、なるべく簡単にはだまされない利口なゴキブリになれるよう心掛けたい。
 前場、昨日終値でプラスを維持するのかどうかがポイント。日足で陽線を引くかどうかということでもある。
 寄り付き前の気配値で15700円を越える場面があり、そのまま寄り付けばロングを積極的に狙っていきたいが、中途半端な位置でのスタートだったので気をつけたい。
 流れは昨日のイブニングセッションまでの上向きから下向きに変わっていたので、試しに売ってみてもよいが、全体の流れは上向きなので、あまり深追いはできない。
 微妙な攻防で中途半端なところでもあるが、15600円近辺は買ってみたいところだ。一応の目標は昨日終値だが、この時点ですでにやる気のない雰囲気が充満しており、大して期待はできなそうだった。
 動意づく場面もあったが煮え切らず、逆に押し戻されても崩れなかったので、持ち合いに移行しているような感じだった。
 時々、上にも下にも400枚クラスの見せ板のような板が出て、消える場面もあったが、今ひとつ何がしたいのか分からず、昨日以上に厳しい状況だった。
 後場、最近の傾向だろうか。下に振っておいて逆を突いてきた。昨日も逆の動きだが同様の動きを見せている。、ワンパターンでは見抜かれるので、いろいろと腐心しているのだろう。15600円台前半では、自作自演のような売買が見られた。15620円と15640円である。
 15600円台前半でロングを仕込みたいが、とにかく動きが悪いので嫌になる。「果報は寝て待て」というがまさにそんな感じだった。ここはもどかしい動きに平常心をかき乱されないようにしたい。
 15640円での動きはいい加減やめにしてほしかった。これだけ15650円にからんだら、普通は抜けないはずはない。見事に売らされている人たちもいたので、売り方の人たちを釣っていたのだろう。後は発射ボタンを押すだけなのだが、それにしても悪質だった。
 あまり期待はしていなかったが、気持ちよく上昇しないと、踏まされた人たちにも失礼である。
 次の関門である15660円も面倒だった。ここがやっかいなのは、前場寄り付き直後につけた高値に対して15660円に対してダブル・トップとなる可能性もあることである。午後2時過ぎの下げは、想定の範囲内ではあるが、ややヒヤりとさせられる。ただ、着実に下値は切り上がっていた。
 ここを切り抜ければ、後は上昇するしかないのであるが、決着がつくまで時間がかかった。おそらく午後3時で取引が終わる現物株との関連で上値を押さえておきたいのだろう。
 ただ、午後2時半前後の15660円をめぐる攻防は、少し趣が違っていたことに注目したい。15650円の買い板にしつこく売りがぶつけられたが、負けずに買いが入り、しかも、15650円の板を買い切った直後に、15枚とか40枚とか端数の買いが15660円の売り板にぶつかり出した。これは、低ボラティリティから高ボラティリティに移行するときに時々見られる「買いたいサイン」(もちろん「売りたいサイン」も存在する)である。こうなると上に動くのは時間の問題である。
 午後3時以降、もう少し勢いよく上昇するかと思われたが、残念ながら、大して上昇しなかった。ここまで散々上値を抑えてきたので仕方ないところである。残念だが、大引け間際に適当なところで確定だろう。15730円で止めたのは、日足転換線の直近高値である15730円(12月14日)が意識された可能性がある。
【展望】
 早いもので残りあと2営業日。まともな攻防が繰り広げられるのはおそらく明日一日だろう。大納会に過大な期待はできない。
 どうやら、上昇トレンドは維持されたが、日中まともな動きにならないのがつらい。ギャップ・アップの後始末を日中にするというパターンはもう勘弁してほしいところだが・・・。
 16000円が俎上に上るのは、やはり、年明けになるのだろうか。ここまでは、先週末の底打ちから本格上昇に向けて体勢を整えたに過ぎない。ここから先が本番である。
 直近の戻り高値である16120円を抜けると、風景は一変すると予想される。当面は、押し目買いのスタンスを維持したい。
 日銀は、11月の金融政策決定会合の議事要旨を公表し、景気の見通しについて、「息の長い拡大を続けていく可能性が高い」との認識で一致したものの、一部委員から、中小企業の景況感が後退していることに懸念を示す意見が上がった。
 また、建築基準法改正に伴う住宅投資の減少についても、長期化した場合、マクロ経済に影響が出る可能性があることが指摘された。
 前向きなニュースを一つ。JR東海は、2025年の開業を目指している東京と中京圏を結ぶ中央リニア新幹線について、自己資金で建設する方針を固めた。総事業費は5兆1000億円と試算され、同社の長期債務は現在の3兆5000億円から4兆9000億円に膨らむが、年4000億円前後の現金収入が見込め、開業8年目で現在の水準まで債務を減らせるという。
 残念ながら株式市場はネガティブに反応。JR東海の株価は年初来安値をつけた。悲しい気がするが、これが現実だ。
 夢のプロジェクトと目されながら、構想が浮上してからすでに半世紀近くが経過し、技術力は十分に備わっていながら、建設費の問題で一歩も踏み出すことができず、夢もすっかり色あせてしまった感があるが、ようやく動き出した。
 公共事業としてではなく、自己資金で建設することを決めたJR東海の決定は、英断であり賞賛に値するだろう。公共で実施した場合、建設費が割高になることは必至で、国家財政が危機的状況にある中、公益性が高いとはいえ、一民間企業のために多額の税金投入をすることにも批判は避けられそうにない。もちろん建設費は今後の経済情勢によっては膨らむ場合もあるし、結果的にはJR東海だけでは抱えきれなくなるかもしれない。
 ただ、このままでは、夢が単なる夢で終わってしまう可能性が高く、国力が衰退し、国全体にリスク回避志向が広がる中、勇気ある決断だと思う。
 タイミングを合わせるかのように、中国政府は来年夏に開業予定の北京〜天津間の時速300キロレベルの高速鉄道で、80車両のうち40車両について日本の新幹線型車両を採用する方針を明らかにした。
 ここへ来て、国全体に再び閉塞感が漂いつつあるが、一歩踏み出しさえすれば、何とかなることも少なくない。原油高騰が心理的に圧迫するが、日本近海の海底には燃える氷とも言われる「メタンハイドレード」が大量に眠っている。
 メタンハイドレードを燃やすと、温室効果ガスが大量に発生するという説もあるが、技術力で十分クリアできる可能性は高い。エネルギーを自前でまかなうことができれば、中国と不毛なエネルギー争奪合戦を繰り広げる必要もないし、マフィア国家であるロシアに必要以上に媚びる必要もない。日本はその気になれば鎖国をしてでも、自前で繁栄できる潜在力はあるのである。
 ただ、エネルギー関連で画期的な進歩があると、いろいろとちょっかいを出したがる人たちがいるようだ。メタンハイドレード開発の推進に前向きだった、某電力会社の前社長が不透明な内部人事で、会長になる道を閉ざされ、在任中の不祥事が相次いで発覚するという不可解な出来事も起きている。
 日本が自立するのを何が何でも阻止したい人たちがいるようだが、決して圧力に屈してはならない。
【主な節目】(イブニング・セッションを除いた日中足ベース)
 上は、本日高値の15730円、週足転換線の15780円近辺、13週線の15990円近辺、75日線の16080円近辺、12月7日高値の16120円、日足雲上限の16140円近辺、10月安値の16210円、週足雲下限の16360円近辺、26週線の16420円近辺、11月2日安値の16490円、週足基準線の16490円近辺、10月31高値の16750円、11月1日安値の16800円、200日線の16920円近辺、52週線の16970円近辺、10月15日安値の17330円、10月11日の高値17530円、週足雲上限の17620円近辺、7月26日安値の17670円、7月25日高値の17900円、7月24日安値の17920円、年初来高値(7月5日)の18320円。
 下は、日足雲下限の15670円近辺、本日安値の15600円、12月25日安値の15530円、25日線の154650円近辺、日足転換線の15420円近辺、日足基準線の15390円近辺、5日線の15350円近辺、12月21日高値の15330円、12月21日安値の15030円、12月20日安値の15010円、11月22日安値の14660円。
 12月21日高値と12月25日安値の15330円〜15530円、11月2日高値と11月1日安値の16640円〜16800円、10月31日高値と11月1日安値の16750円〜16800円、10月19日高値と10月18日安値16950円〜17000円、10月16日高値と10月15日安値の17320円〜17330円、10月11日高値と7月26日安値の17530円〜17670円、7月25日高値と7月24日安値の17900円〜17920円、7月24日高値と7月20日安値の18040円〜18150円は窓。
【本日の結果】
 本日もやる気なしモードにお付き合い。
 (前場)15630S( 9:02)→620( 9:20) +10
     15610L( 9:24)→640(10:07) +30
 (後場)15630L(12:38)→720(15:09) +90
 後場ほぼ安値圏で買えたのがよかった。

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2007年12月25日

戻り高値更新も小動き 12月25日のイブニング・セッション

【概況】
 大きな流れでの上昇トレンドは維持し、日中の戻り高値を更新したが、上抜けできず、狭い値幅での小動きのとどまった。
 出来高は、ラージ1535枚、ミニ9689枚。ラージは導入以来、最低。
 寄り付きは、後場終値(15640円)より軽く上にギャップをつけ、日中高値(15650円)を上回ってスタート。いったん下値を試した後、戻りを試した。
 日中全く手が届かなかった、シカゴ日経先物終値(15685円)手前まで戻したが、伸び切れず、狭い値幅でのもみ合いに移行した。
 15650円〜15680円の上下30円幅のレンジでの小動きのまま、長時間推移して終えた。
【解説】
 日中もイブニング・セッションも休場にした方がましである。普通なら日中高値ブレイクでロングを狙ってみたいが、日中の動きから考えて、リスクが大きそうなので触りたくない。
【展望】
 早くも煮詰まりつつある。こんなところで停滞する理由は全くない。速やかに上昇することを期待したいが、大納会までこのままのらりくらりと動く気がしないでもない。
 逆に調整モードとなってもおかしくはないので十分気をつけたい。
【取引結果】
 ノートレード。

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ギャップ・アップ後、調整 出来高少なく膠着感も強く 12月25日の解説と展望

【概況】
 クリスマス・イブの週明けの米国市場は、半日取引で薄商いだったが、信用不安が一段落したことや、米投資銀行メリルリンチがシンガポール政府系のテマセク・ホールディングスと米資産運用会社デービス・セレクテッド・アドバイザーズから最大62億ドルの私募形式での出資を受け入れ、資本増強に乗り出すことを正式発表したことを材料に3指数ともに大幅に上昇した。
 本日の日経平均先物は、大幅なギャップ・アップ・スタートとなったが、今晩の米国市場がクリスマスで休場となることもあって、参加者が少なく、目先過熱感もあって、朝高後は調整ムード一色。大引け間際に取引開始直後の高値圏に戻して終えた。
 前場、前営業日終値(15320円)、イブニング・セッション終値(15450円)に対して、大きなギャップをつけて始まったものの、シカゴ日経先物終値(15685円)は下回り、やや控えめな寄り付き。
 戻り売り、利食い売りが出る一方、買う動きも活発で、売買が交錯したが、目先過熱感もあって下値を探る展開となった。
 15600円を守る動きが続いたが耐え切れず、午前9時半前に割った。15600円にからんで推移したが、上値は重く、午前10時前に軟調となり、IR(15580円〜15650円)下限をブレイクした。
 しかし、大きく崩れる動きにはならず、下値を確認すると、徐々に押し目買いが入りだし、15600円を回復した。
 ただ、15600円台では上値が重く、再び15500円台に押し戻されると、じわりじわりと下げ、前場の安値圏で前引けとなった。
 後場、前場終値(15570円)をやや上回って取引開始。戻りをうかがったものの、上値の重さは相変わらずで、嫌気する形で売りが出て、仕掛け的な売りとともに、前場安値(15560円)を割った。
 週足レベルでできた窓を埋め、15500円台前半まで下げたが、大きく崩れることはなく、15550円をはさんで狭い値幅で小動きとなった。
 膠着感の強い展開が続いたが、午後1時半を過ぎて動意づき、15600円手前まで戻した。
 戻り売り圧力も強く、やや押し戻される場面もあったが、崩れることはなく、もみ合いながら、じりじりと15600円台をうかがった。
 15600円を目前にしてもどかしい展開が長時間続いたが、午後3時を過ぎて動意づき、すっきりしない動きながらも水準を切り上げ、大引けで始値(15640円)に戻して終えた。
【解説】
 全体の流れとしては、完全に底打ちモード。当面の目標としては、目先の戻り高値(16120円)に対してどうするかというところ。
 ただ、大幅ギャップ・アップで目先、過熱感があったことに加えて、スピードを抑えたい人たちがいたようだ。今晩の米国市場が休場とはいえ、先週末もそうだが、日中十分上昇できる余地がありながら、無理やり押さえつけられ、非常に馬鹿馬鹿しかった。
 こんな展開でも基本は押し目買いだ。もどかしいが気長に待ちたい。
 前場、まずは売り方の皆さんの奮闘に期待したい。ロングを仕込みたいが、ここは目先的には高すぎる。売ってもいいが、仮に踏まれても文句は言えないところだ。
 よくあるパターンとしては、15500円台中盤で下値を確認して、上昇に向けて体勢を整えるケース。週足レベルで窓を開けているのも気になるところだった。
 午前9時台前半は非常に触りにくかった。出来高も極端に少ないので、あまり過度な期待はできない。とりあえず、15580円で踏みとどまったところで買ってみようかというところである。
 そこそこで確定しておくか、売り一巡後を想定して引っ張ってみようかというところ。値動きが悪いので判断しづらい。
 午前10時過ぎのIRブレイクは分かりやすいところ。15570円近辺は買ってみたい。目先調整終了で勢いのよい上昇を期待したかったが、期待外れだった。
 完全にやる気なしモードなので適当に確定したい。後は、動きが出るまで待つしかない。つくづく情けない市場である。
 後場、まずは様子見。全体の流れは上向きだが、目先の調整モードをひっくり返すかがポイントだ。ロングとても無理だが、ショートもどこまで下げるか読みづらい。あえて狙うなら前場安値にからだところだろう。
 下げて値幅調整をしたいのか、時間調整をするために少しだけ下げたいのか、というところだが、何がしたいのかよく分からなかった。
 15530円などという中途半端な位置で止まるのは今ひとつ意味が分からないが、下げ止まったところでロングを試してみたい。
 目標は15600円、前場高値の15650円、シカゴ終値の15680円といったところ、前場高値をつけた後、戻り高値となった15620円も気になる。
 しつこい売りが出てうっとおしい限りだったが、後場前半にロングを仕込んでいれば、どこかの時点で利益が乗ったはずで、調整一巡後の戻りを期待して引っ張ってみたい。
 午後2時を過ぎて、大口の売りが目立つ場面もあったが、利食いか、売らされたかのどちらかだろう。本格的に売るという雰囲気でもなく、売りが目立ち始めたところで、買い支えも入った。
 15600円越えはほぼ確実なように見えたが、かなりじらしてきた。大引け間際に吹くのを待つしかないが、出来高が少ないとはいえ、ロスにはならないにしても、ストレスのたまる展開だった。
【展望】
 全体的にいい雰囲気になっているが、日中の値動きは最悪だ。ギャップで上昇し、日中が調整の時間帯に使われるという悪いスパイラルになりつつある。先週末、しっかり上昇していれば、もう少しましな動きになっていただろう。
 明日はまともな動きを期待したいが、この市場にあらゆる面での公正さを求めるのは酷であるのかも知れない。
 今年も残りわずか。ここへ来て明るい兆しが見えているものの、年初のアナリスト、証券関係者の大方の予想は「日経平均2万円乗せ」というものが多かったが、結果は惨憺たるものである。
 来年のことを言うと鬼が笑うというが、早くも2008年の予想がちらほらと出始め、さすがに懲りたのか、15000円から19000円まで随分開きがあるようだ。
 ただ、日本企業の利益は史上最高水準で、やや過小評価されているきらいがある。主力セクターは自動車、鉄鋼、非鉄金属、商船、商社と、米国のハイテクセクターと比べると、かなり見劣りがするが、世界経済全体のパイが大きくなる中、しばらくはこれらのセクターは安泰と考えていいだろう。
 内閣府が発表した法人企業景気予測調査で、10-12月期の大企業全産業の景況判断指数は+0.5で、前期(+6.2)から悪化した。一般機械、石油製品、建設業のマインドの悪化が目立った。
 トヨタ自動車は、ダイハツ工業、日野自動車を含むグループ全体の2008年の世界販売・生産計画を発表した。販売は前年比+5%の985万台、生産も+5%の995万台を見込んでいる。
 国内、米国での販売が横ばいか微減と予想する一方、中国、ロシア、ブラジル、中東などで好調な販売が期待できるとしている。世界初の生産、販売1000万台体制にはわずかに手が届かないが、成長路線を着実にまい進している。
 ただ、新興市場では、欧米、韓国メーカーに大きな遅れをとり、ハイブリッド偏重で、次世代の環境対応車として世界的に注目されているディーゼル・エンジンの開発も出遅れ気味で、昨年、資本、技術提携に踏み切ったいすゞ自動車との新型ディーゼル・エンジンの開発が今後の成長のカギを握りそうだ。
 米国市場も底打ちムード。腰折れしないよう注意する必要があるが、大統領選前年のアノマリーはかろうじて有効性を確保した形だ。大統領選にかけて上昇トレンドを維持できるのか、それともやはり、バブル崩壊に伴う、大きな津波には抗えないのか、興味深いところだ。
 シンガポールのテマセク・ホールディングスは44億ドル分の米メリルリンチ株を取得し、さらに来年3月28日までに6億ドル分を追加取得するオプションを得た。また、米デービス・セレクテッド・アドバイザーズは12億ドル分の株式を取得する。
 また、メリルリンチは、法人融資部門であるメリルリンチ・キャピタルの大半を米総合電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)の金融部門のGEキャピタル・コマーシャル・ファイナンスに売却し、売却額は非公表だが、これにより、メリルリンチは13億ドルの資本増強を図る。
 メリルリンチの一連の資本増強策を株式市場は好感したが、米格付会社フィッチ・レーティングスは同社の第4・四半期について、追加損失計上の可能性が高いとして、見通しを「ネガティブ」に据え置く方針を明らかにした。
【主な節目】(イブニング・セッションを除いた日中足ベース)
 上は、本日高値の15650円、週足転換線の15780円近辺、日足雲下限の15940円近辺、13週線の15990円近辺、12月7日高値の16120円、75日線の16090円近辺、10月安値の16210円、日足雲上限の16250円近辺、週足雲下限の16360円近辺、26週線の16420円近辺、11月2日安値の16490円、週足基準線の16490円近辺、10月31高値の16750円、11月1日安値の16800円、200日線の16920円近辺、52週線の16970円近辺、10月15日安値の17330円、10月11日の高値17530円、週足雲上限の17620円近辺、7月26日安値の17670円、7月25日高値の17900円、7月24日安値の17920円、年初来高値(7月5日)の18320円。
 下は、本日安値の15530円、25日線の15430円近辺、日足転換線の15420円近辺、日足基準線の15390円近辺、5日線の15240円近辺、本日安値の15030円、12月20日安値の15010円、11月22日安値の14660円。
 11月2日高値と11月1日安値の16640円〜16800円、10月31日高値と11月1日安値の16750円〜16800円、10月19日高値と10月18日安値16950円〜17000円、10月16日高値と10月15日安値の17320円〜17330円、10月11日高値と7月26日安値の17530円〜17670円、7月25日高値と7月24日安値の17900円〜17920円、7月24日高値と7月20日安値の18040円〜18150円は窓。
【本日の結果】
 やる気なしモードが伝染した。
 (前場)15590L( 9:28)→600( 9:29) +10
     15580L(10:02)→600(10:26) +20
 (後場)15550L(12:48)→630(15:09) +80
 しばらくはロング中心の戦略にならざるを得ないが、ここまで押さえつけられると嫌になる。

petemouse at 16:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!
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