【正論】藤岡信勝 70年目の証言に拍手やまず
12/28 05:17更新
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■南京の真相を語った90歳代勇士たち
≪中国の展示館12倍に拡大≫
改装工事が進められていた中国の「南京大虐殺記念館」が、南京陥落70年に当たる12月13日、新装公開された。今年の1月、来日した中国社会科学院の研究者が、大虐殺「30万」は「政治的な数字」であり、学術的なものではなかったと発言したことなどから、一部に「30万」を引っ込めるのではないかとの観測もあったが、そうはならなかった。
反対に展示床面積は12倍、写真は6倍に増えた。資料面でも本腰を入れて収集し、未来永劫(えいごう)日本を糾弾する材料にする中国側の決意に、いささかのゆるみもないことが明らかになった。
私は最近、機会があるごとに、「5つの数字で学ぶ南京事件入門」という即席の授業をしている。その授業で課す最初の問題は、「中国共産党の指導者毛沢東は、その生涯で何回、南京事件について日本を非難したか」というものである。答は「0」回。すなわち、ただの1回も毛はこの件で日本を非難したことがなかった。反対に、南京攻略戦の半年後、延安で行った「持久戦論」の講義のなかで、「日本は包囲は多いが殲滅(せんめつ)は少ない」といって、日本の戦争下手を批判したほどだ。
次に「20万」という数字。これは、南京陥落時の市民の数である。ところが、1週間後も20万、2週間後も20万という具合に、人口は一向に減っていない。逆に1カ月後には、25万に増えているのである。「30万」虐殺されたのなら無人の廃虚になっていなければならない。
≪住民の略奪はあり得ない≫
こうした論点を含む公開質問状を、4月に来日した温家宝首相に提出した。もちろん返答はない。公開質問状を出したのは「南京事件の真実を検証する会」(加瀬英明会長)という有志13人からなる会である。
この会が主催して、去る12月6日、東京の九段会館で「南京陥落70年国民の集い 参戦勇士の語る『南京事件』の真実」という集会を開いた。旧日本軍の将兵として南京の地を踏んだ人たちによるナマの証言を聞こうという企画である。ほとんどが90歳代の高齢の方々が全国各地から5人、上京してくださった。以下、印象的な証言のいくつかを紹介する。
国民党軍は安全区の中立性を侵し、トラック50台分の武器を隠匿し、軍服を脱いだ兵士が安全区の中に大量に潜伏していた。これらの敗残兵を掃討しなければ戦争は終わらない。証言者の喜多留治氏は金沢第7連隊の一員としてこの掃討作戦に参加した。事前に連隊長から受けた注意事項は次のようなものだった。
(1)外国権益への留意(2)住民に対する配慮(3)放火失火の厳重注意(4)将校指揮の部隊でのみ実施(5)無用の他の部隊の進入禁止(6)捕虜は1カ所に収容し食糧は師団に請求せよ。
掃討は命令どおり将校指揮のもとに行われ、個人が団体行動を逸脱し住民を略奪することなどあり得なかった。この一部始終を見ていたはずの外国人から全く非難の声が上がらなかったのも当然であると納得できた。
≪目からウロコ落ちる思い≫
南京進撃中の日本軍は速度が速く、補給が追いつかなかった。そこでやむなく食糧を現地調達に頼らざるを得なかった。敦賀歩兵第18旅団の斎藤敏胤氏は、軍の指令に基づき徴発も秩序正しく行ったと言う。軍の指令は次のようなものだった。
(1)徴発は司令部の目撃できる範囲で行え(2)住民のいる所では3分の1以内の徴発にとどめよ(3)住民のいないところでは鍵を壊して家屋内に入ってはいけない(4)徴発した物の明細書を残し、あとで住民の請求に応じて宣撫(せんぶ)班が代金の支払いができるようにせよ(5)帰隊後伝票と現物の照合を受けよ。
斎藤氏は記憶に基づき日本語と中国語のペアになった伝票の書式を手書きで書いて示した。この部隊は、以上の指令を厳格に守ったのである。
京都第16師団の輜重(しちょう)獣医少尉・稲垣清氏は、中山門手前の上麒麟門で、軍服姿の800人の捕虜を監視した。インタビュアーの役目の私は、後方部隊の輜重隊に捕虜を委ねるのは大丈夫ですかと思わず尋ねた。稲垣氏は、輜重兵に収容所の警備を任せること自体、捕虜は逃げてもよいということだと苦笑した。実際、夜間の監視を少し手薄にしたら半数が翌朝逃げていたという。稲垣氏の所属はあの悪名高い中島今朝吾師団長の指揮下である。「捕虜ハセヌ方針」とはこれであったかと目からウロコが落ちる思いだった。
5人の勇士が舞台の正面に並んだ時、拍手が鳴りやまなかった。「軍紀弛緩(しかん)・悪逆非道の日本軍」のイメージを根底から覆す貴重な証言の数々だった。(ふじおか のぶかつ=拓殖大学教授)
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